3月23日(土)大久保あり[《Grey Horizon Means Death》のための]

今週土曜日のLive Artは大久保ありがソロでは2年ぶり3回目の登場。

これまでの2回は、クライミング、ザイルパーティーと、山のシリーズの延長線上にある、行為が扱われた実験だった。

 

今回は、《Black Circle is Nothingness》、《white cube is Emptiness》に続くシリーズの集大成《Grey Horizon Means Death》のための習作的な位置づけのワークショップを行う。

 

このシリーズはモダンアートが前世紀の初頭に掲げた象徴的な幾何学や抽象の持つ純粋でとても美術的なイメージと、欧米において拡大解釈された東洋の、例えば禅の思想、さらにその後の経済社会が消費し尽くしたごちゃ混ぜ(パスティーシュ)に今日的なイメージが重なった後のあり方を、さらに引いたところから言葉遊びに再挑戦するような試みか?

 

今回の《Grey Horizon Means Death》では、これまでの「Nothingness」や「Emptiness」に似て、さらに強い意味を持つ「Death」という言葉が現れている。そこには本気で空虚さを語ることの恥ずかしさを指摘しつつ展開したきたシリーズに、また別のシリアスさを探すような作業をしているのかもしれない。

 

当人にとっても、「死」は手強い概念らしく、そこに重ねられた様々な意味やイメージが、思った以上に多様で、重くも軽くも、美しくも醜くくも転ずる様に戸惑いながら楽しんでいるよう。

 

ワークショップでは、ありさんがつくったアンケートに答えるところから始まり、ちょっとした作品づくりまでが試みられる。

 

山のシリーズでは背中にあった「死」を今度は手元に引き寄せて考えてみよう。

 

 

こばやしはるお

 

――

 

【blanClass放送室】
大久保ありさんと3/23(土)のイベント「《Grey Horizon Means Death》のための」について、そのテーマにもなっている「死」の意味についてお話をお聞きしました。

 

 

2019/3/17/大久保あり/blanClass放送室


2019/3/17/Ari OOKUBO/blanClass Broadcasting

 


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「死」をつくるワークショップ大久保あり[《Grey Horizon Means Death》のための]
http://blanclass.com/japanese/schedule/20190323/
https://www.facebook.com/events/307241933253232/

 

一昨年、《Grey Horizon Means Death》というタイトルの作品を2019年に制作~発表することを予告した。
だけども、「死」は、全ての者が当事者であっても、その自らの経験から検証することができない。思索を試みても視点が常にスライドし、なかなかの難題。
ともかく、今回は「死」という観念を目に見え手に取れるかたちにすることを参加者とともに以下の行程でやってみる。

 

1.「死」のアンケート
2.「死」の散歩 / 拾いもの
3.「死」のピース制作
4.「死」のプレゼンテーション / 講評会

 

参加者の「死」のピース制作中に「死」のアンケートを基にしたインタビューを行う、また、大久保による現段階での理解を発表する予定。

 

18:00-18:20 アンケート記入
18:20-18:50 散歩
18:50-20:20 制作/インタビュー/プレゼン(大久保)
20:20-20:45 リビュー

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日程:2019年3月23日(土)
開場:17:30 開始:18:00
入場料:1,500円(ドリンク別)
会場:blanClass(横浜市南区南太田4-12-16)
https://goo.gl/maps/Q7Aat7nBarE2
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大久保あり Ari OOKUBO
2001年ロンドン芸術大学チェルシーカレッジ・オブ・アート・アンド・デザイン修士課程修了。近年の主な個展《I’m the Creator of This World, You’re One of Materials Existing in the Universe》(2018、Sprout Curation、東京)、《WHITE CUBE is EMPTINESS》(2018、ガレリア・フィナルテ、愛知)、《BLACK CIRCLE is NOTHINGNESS》(2016、ガレリア・フィナルテ、愛知)、《クリテリオム90『美術館の幽霊』》(2015、水戸芸術館)など。グループ展に《引込線2017》(所沢市給食センター、埼玉)、《MERZ》(2017、HAGIWARA PROJECTS、東京)、《われらの時代:ポスト工業化社会の美術》(2015、金沢21世紀 美術館)など。

3月29日(金)杉田 敦 ナノスクール[寛容になるための方法 #10(最終回)]

2012年12月14日から始まりましたナノスクールですが今回とその次をもってblanClassでの活動は終わりになります。


そこで3月のナノスクールは、22日(金)と29日(金)の二週にわたって開催します。22日は通常通りのナノスクールで29日は何か最後にふさわしいことをやりたいと杉田さんと話していました。29日の詳しい内容については来週の今頃告知をおこないたいと思います。


さて、1月のナノスクールを思い出してみることにする。
このテーマのもとになった、Peter Fischli and David Weissの「HOW TO WORK BETTER」という作品がある。これは作品タイトル通り10個の”上手に働く方法”をスイスのオフィスビルにプリントするというものだ。

 

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その10か条は以下の通りです。


1. DO ONE THING AT A TIME|いちどにひとつのことをしよう
2. KNOW THE PROBLEM|問題を知ろう
3. LEARN TO LISTEN|聞くことを学ぼう
4. LEARN TO ASK QUESTIONS|質問することを学ぼう
5. DISTINGUISH SENSE FROM NONSENSE|無意味から意味を区別しよう
6. ACCEPT CHANGE AS INEVITABLE|変化を避けられないものとして受け入れよう
7. ADMIT MISTAKES|まちがいを認めよう
8. SAY IT SIMPLE|かんたんに言おう
9. BE CALM|おだやかに
10. SMILE|笑おう


ナノスクールでも「HOW TO BE TOLERANT - 寛容になるための方法」をつくろうということで、寛容になるための10か条の作成に取り組みました。
そしてできたものが以下になります。


HOW TO BE TOLERANT

1.
2.
3. LEARN TO LISTEN
4.
5.
6.
7. ADMIT MISTAKES
8.
9. BE CALM
10. SMILE


「HOW TO WORK BETTER」から3.4.7.9.10だけそのまま残し、あとは時間内に思いつかなかったのでそのままになっています。今後ほかの番号も埋めたいなと思いながら、Tシャツを作りました。受注生産ですが、作れるらしいんで、ほしい方は今週か来週のナノスクールにお越しの際に宮澤か杉田さんまでお声かけください。

 

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それでは、blanClassで行われる最終ナノスクールぜひぜひお越しください!

 


みやざわひびき


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月イチセッション
杉田 敦 ナノスクール《nano school #59》

[How to be tolerant:寛容になるための方法 #9]

http://blanclass.com/japanese/schedule/20190322/

https://www.facebook.com/events/2172885249692650/


あなたの横を、いかにも先を急いでいる男が通り抜けてゆく。肩にかけているバッグがあなたにあたる。あなたはすこしよろめいてしまう。男は気づいている。男は振り向かない。遠ざかりながら、男の舌打ちが聞こえてくる。あなたは怒りがこみ上げてくる。あなたに為すすべはない。
あなたはどうして怒ってしまったのだろう。男には先を急ぐ理由があり、あなたは少し男の行手を塞いでいたのだ。いや、男にはこれといった理由もなく、あなたは十分、身を寄せていたのだとしてもだ。あなたは怒る必要はない。あなたはあなたの貴重な人生の時間を、そんなことのために費やすべきではない。あなたはちょっとだけ肩をすくめて、なんなら、振り向いて、後ろの人と笑い合ったっていいはずだ。
数学や英語、歴史学社会学、そうしたものを学ぶのと同じように、わたしたちは寛容さを学ばなければならない。ナノ・スクールの第5期は、"How to be tolerant:寛容になるための方法"と名付けて、寛容について考えます。一年を通して、Fischli & Weissの"How to work better"のような標語を作成できたら素晴らしい。

※ナノスクールは完全予約制となります。 参加資格は、アート、あるいはそれに関連する分野の専門家、あるいは専門家を目指す人とさせていただきます。

 

日程:2019年3月22日(金)18:30〜
参加費:1,500円/学生 ¥1,000円(要予約)
会場:blanClass(横浜市南区南太田4-12-16)
https://goo.gl/maps/Q7Aat7nBarE2
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〈予約方法〉
ご予約は前日までにご連絡をお願いします。なお定員に達した場合などお断りすることもございますので、あらかじめご了承ください。 〈タイトル〉ナノスクール予約〈本文〉1)日にち 2)氏名 3)住所 4)メールアドレス 5)参加人数
上記の内容でイベント前日までに以下のメールアドレスに送信ください。こちらからの返信を持って予約完了とさせていただきます。
info@blanclass.com

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杉田 敦 Atsushi SUGITA
美術批評。オルタナティヴ・スペース art & river bankディレクタ。女子美術大学教授。最近の著書に、『静穏の書』、『ナノ・ソート』(共に彩流社)、『アートで生きる』(美術出版社)、『リヒター、グールド、ベルンハルト』(みすず書房)、『inter-views』(美学出版)がある。作品に"critics coast"(越後妻有アートトリエンナーレ, 2009)など、キュレーションにポルトガルの現代美術展『極小航海時代』(JAM)などがある。また、批評タブロイド紙 "+journal" の編集、アーティストの増本泰斗と、ディスカッション・プロジェクト"Picnic"も行っている。

3月16日(土)飯島剛哉 [昇天]

今週土曜日のLive Artは飯島剛哉がソロでは5年ぶりの登場。

 

ソロでは本当に久しぶりだが、その5年の間にも、岸井大輔「始末をかく」のシリーズなどでいろいろなパフォーマンスを展開してきたので、blanClassではおなじみのアーティスト。

 

blanClassだけでなく、いろいろなところに不意に出没しては展覧会やらパフォーマンスを展開している。

 

展覧会の作品やパフォーマンスに共通しているのは、飯島剛哉が収集したいくつかの、ものやことを組み合わせて、それらが繰り広げるトランスフォームを仕立てあげること。

 

それはさながらタカラトミートランスフォーマーのごとくに、無理やりのように組み合わされて、それぞれの履歴とはまったく別の様相を持って、見るものになんとも言えない感触を植え付ける。

今回のイベントはワークショップとうたっているものの、参加者と共に変形をしながら目的地に辿り着こうとする、ある種のパフォーマンスのようなことを考えている気がする。

 

そういえば一昨年の12月に中野区の野方というところで行われた、外島貴幸との2人展『いっちふいっち』で「スーパー幽体離脱マシーン」という謎の体験型作品に挑戦したことがあるのだが、本人が醸す寄る辺ない雰囲気のせいか、独特な進行のせいか、体験した私もいたたまれないような気持ちに襲われて、思わず幽体離脱してしまうという作品だった。

 

今回のタイトルになっているのは「昇天」。ワークショップに参加する途中には、いつの間にかどこかに昇ってしまうかもしれない…。


こばやしはるお

 

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【blanClass放送室】
3/16(土)のゲスト、飯島剛哉さんと今回のワークショップ「昇天」についてお話をしました。こちらもご覧ください。

 

2019/3/5/飯島剛哉/blanClass放送室


2019/3/5/Gohya IIJIMA/blanClass Broadcasting

 

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ワークショップ

飯島剛哉 [昇天]
http://blanclass.com/japanese/schedule/20190316/
https://www.facebook.com/events/306764069961458/


手を伸ばせば必ず昇天できます。ちょっとしたコツで誰でも簡単にマスターできる。経験豊富な講師がスムーズにて手ほどき。体はあなたが考えているよりとっても敏感。未知の天国に達せばきっとそこがパラダイス。


日程:2019年3月16日(土)
開場:14:30 開演:15:00
入場料:1,500円(ワンドリンク付)
会場:blanClass(横浜市南区南太田4-12-16)
https://goo.gl/maps/Q7Aat7nBarE2
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アクセス:京浜急行「井土ヶ谷」駅の改札出て正面の信号わたりすぐを左折、一つ目の交差点を右折、二つ目の角を左折、三井のリパーク後ろ、blanClass看板がある細い段々を上がって右の建物2階
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飯島 剛哉 Goya IIJIMA
美術作家。2004年、Bゼミ修了。2015年から別府、清島アパート在住。近年は、「カブリキグルマリ」(紙屋公民館、2016)、「いっちふいっち」(野方の空白、2017)、「始末をかく」(BUoY、2018)などに参加。
gohyaiijima.com

3月15日(金)アートでナイト#7[美術教育]|笠原恵実子

 日増しに春らしくなっていくこの頃ですが、皆様いかがお過ごしでしょうか。今週3月15(金)19:30-21:30にブランクラスで開催します”アートdeナイト#7”のご紹介です。


 10月いっぱいでブランクラスが休業に入ることを受けて、私が行ってきましたアートdeナイトも今回が最終回となります。長い間アメリカに住んでいた私が日本に住むことになり、気楽にアートを話せる機会が激減したことを憂いて開催させて頂いていたアートdeナイトですが、毎回参加して頂いた方々とご飯を食べながら色々な触れ合いや対話があり、アーティストとして大変興味深くインスピレーションを得ていました。こういった機会がなくなるのは残念ですが、ブランクラスの新しい船出を思い、スタッフの方々にしっかり休養をとっていただくことを願うのみです。


 さて、最終回のお題は「美術教育」です。私が日本の美術教育に関わることになって早5年が過ぎましたが、この間驚くほどの違和感や齟齬を感じ、私は現状に大きな疑問を持っています。もっと自由にアートを語ることがどうしてできないのだろう、そしてこんな簡単なことが何故ここでは実現できないのだろう、と。もちろん、日本のヒエラルキーに根ざした社会が、自由自体を受け付けない土壌であることは大きな原因であるでしょう。しかし、日本の美術教育に疑問を持ちながらも、しょうがないこととして受け入てきた人達は多く、また、教育に関わる前の私もそうですが、自由に作品制作や批評を行える立場にいる人達にとって、問題を意識してはいてもその根深さが理解できないレベルであり、結局多くの意識的人々の情報共有がうまくいっていないのです。


 今回のアートdeナイトでは、私は限られたアートクラブメンバーだけが持つアートの自由についてではなく、もっと日常的な、社会の自由に根ざしたアートとその関係を皆さんと考え、なんとか滞った情報共有の回復を試みたいと思っています。私同様日本の美術教育へ疑問を持ち問題提起をされている、“石膏デッサンの100年”著者の荒木慎也さんと、“彫刻1:空白の時代” 著者・編集・出版の小田原のどかさんお二方もお呼びし、短い時間にどこまで可能かはわかりませんが、皆さんとの対話を試みながらこの問題について一緒に考えていきたいです。


 是非周りの方々にもお声がけをいただき、最終回のアートdeナイトに奮ってご参加ください。当日は軽食を用意されておりますので、軽くパーティーに参加するような気持ちでいらっしゃってください。みなさんとお会いできるのを楽しみにしています。


かさはらえみこ(2019.03.12)


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特別セッションアートを共に語る会|

笠原恵実子 アートでナイト#7[美術教育]
http://blanclass.com/japanese/schedule/20190315/
https://www.facebook.com/events/2193864040875424/

 

今回が最後となりますアートでナイト、最終回のお題は「美術教育」として、“石膏デッサンの100年”著者の荒木慎也さん、“彫刻1:空白の時代”著者・編集・出版の小田原のどかさん、御二方の参加をお願いし、みなさんとご飯を食べながらディスカッションを試みたいと思います。日本の美術の現状につきまとう不自然な感覚は、作品制作をする作家のみならず、それを企画する人たち、鑑賞をする人たちにも共有されるところでしょう。文部省美術教育、美術予備校教育、美術大学教育が絡んで形成される、総体としての「美術教育」、そこに私たち個々が抱く齟齬を対象化できないか、と考えています。もちろん世界中どの地域であれ抱える状況と問題はあり、日本特殊論として批評が成立するべきではありませんが、この四年間ほど日本の美術教育に関わったものとして、学生、社会人、美術に関わる全ての人とこのお題を共有したいです。ぜひ奮ってご参加ください。

 

日程:2019年3月15日(金)19:30ー21:30
入場料:1,500円/学生:800円(ドリンク別)
会場:blanClass(横浜市南区南太田4-12-16)
https://goo.gl/maps/Q7Aat7nBarE2
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アクセス:京浜急行「井土ヶ谷」駅の改札出て正面の信号わたりすぐを左折、一つ目の交差点を右折、二つ目の角を左折、三井のリパーク後ろ、blanClass看板がある細い段々を上がって右の建物2階
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笠原 恵実子 Emiko Kasahara
アーティスト。初期は身体を通じて女性と社会との関係性を考察する彫刻作品を制作。近年は性別や宗教、国籍や言語など社会を規定する制度とその状況についてフィールドリサーチを実施し、その記録を元に制度の曖昧性を示唆する作品を多岐に渡る手法で制作している。主な展示に、PARASOPHIA:京都国際現代芸術祭2015、ヨコハマトリエンナーレ2014、『キュレトリアル・スタディズ04笠原恵実子−inside/outside新収蔵作品を中心に』(京都国立近代美術館、2010)、シドニービエンナーレ(2004)、光州ビエンナーレ(2001)など。

3月9日(土) ★★シリーズ SakSak#10 うらあやか[おどる墓石 その2 /(ちぎれたみみず)(筒のような身体)]

今週の土曜日はSakSak#10、ゲストはアーティストのうらあやかさんです。

 

うらさんは、blanClassが引込線に出張したときに、僕がゲスト出演をお願いしてイベントをやってもらっていて、そのときがblanClassでの初出演。

そして今回は、SakSakへの初出演です。

 

うらさんの作品には、観客が巻き込まれたり、出演者と鑑賞者が入れ替わったり、ごっちゃになったりするような仕掛けが必ずあって、単純に何かを見たり聞いたりするだけでは終わらせてくれない、というか始まらない、ちょっとした共犯っぽさがある。

 

今回のイベントは「おどる墓石」シリーズその2

その1では、うらさんが指示出し役となって、鑑賞者の中で21組のバディを作って、相手の身体の特徴や動作の癖を観察し、自分の身体で再現する、ということをした。

このときは、見た目だけで相手の身体のことを想像しないといけなくて、しかもそれを自分の身体で再現するという、そもそも入れ替え不可能な自分と他人の身体に対するアプローチとしての、あきらめにも似た「超観察」を迫られる、そんな体験だった。

 

その2では、何やら粘土を使って、また少し別のところにアプローチする実験を準備しているそう。

タイトルの続きにある、(ちぎれたみみず)と(筒のような身体)は今回のイベントのイメージでもあるらしく、放送室ではその辺のことをいろいろと話してくれた。たとえばいくつか出てきたものをあげると、「物体と魂」「部分と全体」「死と生」みたいなこととか。

 

うらさんがいろんな人を引き込みながら、いろんなものをひも付けながら試行する過程で、あっちゃこっちゃしている様子がそっくりそのまま作品になっていくところが面白いのだけれど、今回当日は何がどの様になるのか、始まるまで全くわかりません。

とはいえやっぱり、そこに集まる誰かがいないと始まらないので、少しでもご興味のある方はぜひ足をお運びくださいませ。

ゆるーく共犯始めましょう。

 

のもとなおき

 

先日収録した放送室も併せてご覧ください。

2019/2/22/うらあやか/blanClass放送室


2019/2/22/Ayaka URA/blanClass Broadcasting

 

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SakSak#10 うらあやか

おどる墓石 その2 /(ちぎれたみみず)(筒のような身体)パフォーマンス、ディスカッション

blanClassイベントページ 

http://blanclass.com/japanese/schedule/20190309/

Facebookイベントページ 

https://www.facebook.com/events/226223128317163/

 

「二つに切られてもいずれの部分も動いているみみずの、仏性はどこにあるのか?」この禅問答は気になるが、それはそれとして・・。死んだ身体を自身の身体に仮設して、そこへ言葉をあてる日にしようと思います。

「おどる墓石」は 、思弁的に自分の生に触る時間を作る連作です。その1では他人の身体を着るレッスンをやりました。その2では身体を分解することについて粘土を使ってアプローチします。
身体のちぎれた部分が動く時、魂は分裂しているかもしれない。つつ、トン ネル、管、何かが通ったりする器官の集合が感情を持っていることについて。

 

日程:2019年3月9日(土)

開場:19:00 開演:19:30

料金:1,800円(ワンドリンク付き)

会場:blanClass(横浜市南区南太田4-12-16)

https://goo.gl/maps/Q7Aat7nBarE2

企画:野本 直輝

 

アクセス:京浜急行「井土ヶ谷」駅の改札出て正面の信号わたりすぐを左折、一つ目の交差点を右折、二つ目の角を左折、三井のリパーク後ろ、blanClass看板がある細い段々を上がって右の建物2階

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うらあやか Ayaka URA

1992年神奈川県生まれ、武蔵野美術大学油絵学科卒業。 相反する物事(例えば集団と個人、演者と観客、過去と現在等)を反転若しくは攪拌する装置としての作品を目指す。HP https://urayaka.jimdo.com/

SakSak

SakSakでは、誰かが発する表現を手掛かりに、その先を一緒に考えながら、その思考を交換することができる場の可能性を模索します。そのために取り敢えず、粗くてもろい、隙間だらけの場を想像してみる。(野本直輝)

https://saksak.localinfo.jp

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2月23日(土)山城大督[行為と記録|物質と映像|右手と左手]

今週土曜日のLive Artは1年と2か月ぶりに山城大督の登場。blanClassではこれが7回目の出演になる。

 

1回目から4回目ぐらいまでは、アーティストとして自身が抱えている映像というメディア、特に「カメラ」を強く意識して、撮影されるべき「出来事」の創出と、そこに居合わせてしまうハプニングの衝撃のようなものに拘泥していたように思う。

 

ところが2015年に行った5回目のパフォーマンス作品《LOST IMPRESSION / ロスト・インプレッション》では、映像というメディアにとどまらず、もっと根本にある感覚や知覚、体や脳の関係、人と人の関係の不思議さ、偶然の面白さ、といった、より抽象度の高い経験を参加者たちと一緒に確認するような集いになった。

 

6回目の前回のイベントでは、「ロスト・インプレッション」で試したことがさらに展開して、新しい表現や認知を考察する「センサリーメディアラボラトリー(SML)」というリサーチプロジェクトを行った。

 

これは、blanClassのいたるところにテキストによる指示書と何かしら「モノ」が置かれていて、参加者がそれを順番に経験していく。それぞれ、ある一つの感覚だけに集中して体験するという仕組みだった。

 

先日、改めてそのあたりの経緯を聞いてみたところ、当初は、映像に記録される事柄を改めて見ることと、現実に経験している事柄をその時に感じることと、記憶をたどることなどの間にあるズレのようなことに興味を持ちつつ、逆に、撮られることによって初めて必然性を持つつような事柄や行為に関心を寄せていたのが、カメラには絶対に収まらないような、「感覚」を映像メディアのように再生することの可能性に、関心が移っていたっというのだ。

 

VR(仮想現実)とか、AR(拡張現実)とか、MR(複合現実)のような、最近のヴァーチャル技術の開発で試みられているようなものにも似ている欲望なのかもしれないが、どうも同じではないようで、まずは、いろいろと実験を重ねて、考えを巡らせているというところなのだろう。

 

さて、今回は前回のセンサリーメディアラボラトリー的な実験を、もう一度記録するという試みでもあるようで、例えば微細な感覚のように記録の難しい経験を何とか再生できるような、何かしらの仕掛けを試すということなのだろうか?

 

ちょっと見てみないと、どうなるのかよくわからないが、いわゆるヴァーチャル体験ではないようなので、ぜひ皆様もお越しいただいて、参加してみてほしい。

 
 

こばやしはるお

 

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【blanClass放送室】2/23(土)のゲスト山城大督さんと[行為と記録|物質と映像|右手と左手]についてお話しします。

 
2019/2/18/山城大督/blanClass放送室

2019/2/18/Daisuke YAMASHIRO/blanClass Broadcasting 

 

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公開制作+展示+セミナー|山城大督[行為と記録|物質と映像|右手と左手]http://blanclass.com/japanese/schedule/20190223/https://www.facebook.com/events/219398315676721/

 


この10年。行為や出来事を、どう記録して再生し追体験させるかを考えてきた。行為や出来事のサイズを変化させてみたり、行為を延命させ記録物と並列させたり、記録することを行為としてみたり。今回のblanClassでは、その最小の単位の「行為と記録」を、右手と左手を使って制作し展示する事とする。夜にはセミナーを実施する。

日程:2019年2月23日(土)14:00ー19:30 公開制作と展示19:30ー20:30 セミナー入場料:1,600円(ワンドリンク付)会場:blanClass(横浜市南区南太田4-12-16)https://goo.gl/maps/Q7Aat7nBarE2

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山城 大督 Daisuke YAMASHIRO

1983年大阪府生まれ。名古屋市在住。映像メディアの時間概念を空間やプロジェクトへ応用し、その場でしか体験できない《時間》を作品として展開する。2006年よりアーティスト・コレクティブ「Nadegata Instant Party」を結成し、「MOTアニュアル2012:風が吹けば桶屋が儲かる』(東京都現代美術館、2012)、「あいちトリエンナーレ2013」など全国各地で作品を発表。主な展覧会に森美術館六本木クロッシング2016展:僕の身体、あなたの声」、ナムジュン・パイク・アートセンター「Wrap around the Time」展。第18回文化庁メディア芸術祭審査委員会推薦作品受賞。

http://the.yamashirostudio.jp/

2月16日(土)・17日(日) 眞島竜男[山と群衆(大観とレニ)/四つの検討]

blanClassでのTPAMフリンジ参加作品2つ目は、眞島竜男「山と群衆(大観とレニ)/四つの検討」。
 
 
この作品は一昨年(2017)12月にblanClassで初演されたパフォーマンス作品の再演です。ただし今回はTPAMフリンジに参加するということもあり、現在飛躍的に進化をし続けているGoogle翻訳による、英語翻訳を加えたTPAMバージョンです。
 
 
一度、元々の脚本をGoogle翻訳してから、正確さを期する? ために、さらにGoogle翻訳をかけて日本語に戻して、再編集をしているそうで、イングリッシュネイティブの人が見ても、日本語ネイティブの人が見ても、ある種のおかしみを感じる仕上がりになるのかもしれません。
 
 
お話は4話完結のシチュエーションコメディー。横山大観レニ・リーフェンシュタールが、それぞれに描いた山々に込められた想い、国家の宣伝を芸術家として担ったこと、彼、彼女の表現に翻弄された群衆がテーマになっている。近代の芸術とナショナリズムが創造した歪んだ歴史に、強く関心を持って、これまで、さまざまなアプローチから作品を作ってきた彼にして、まさにぴったりの題材なのだが…。
 
 
物語は雪深い山小屋から始まり、山小屋に居合わせたレニと大観が繰り広げるドタバタコメディーが、スーファミRPGのような8ビットの世界で繰り広げられていくのだ。
 
 
初演のさいはクリスマス近くの公園であったっため、ツリーの飾りが溢れたパフォーマンスだったのだが、今回はバレンタインデーの数日後、この冬一番の寒さの中で、さて? どんなパフォーマンスが見られるのか、初めての人も、もう見た人も、必見の名作です。
 
 
こばやしはるお
 
 
——
 
 
【blanClass放送室】
 
2019/2/11/眞島竜男/blanClass放送室
眞島竜男さんをお迎えして[山と群衆(大観とレニ)/四つの検討]についてのQ&AをGoogle翻訳でお届けします。
 
 
2017/12/18/眞島竜男/blanClass放送室
こちらは[山と群衆(大観とレニ)/四つの検討]初演の前に放送した予告編インタビューです。(インタビュアー:小林晴夫)
 
 
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TPAMフリンジ2019参加作品/シチュエーション・コメディ
|眞島竜男[山と群衆(大観とレニ)/四つの検討](TPAM 2019 version)
 

日本の画家、横山大観(1868-1958)とドイツの映画監督、レニ・リーフェンシュタール(1902-2003)が、山と群衆をめぐって繰り広げるシチュエーション・コメディー。全4話。
 

日程:2019年2月16日(土)・17日(日)
16日(土)開場15:00 開演15:30/開場:19:00 開演:19:30
17日(日)開場15:00 開演15:30
上演時間:約50分(予定)
料金:一般 2,500円/TPAM登録・特典:2,000円 
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予約方法:以下の内容でイベント前日までに以下のアドレスに送信ください。
こちらからの返信を持って予約完了とさせていただきます。なお定員に達した場合などお断りすることもございますので、あらかじめご了承ください。
〈タイトル〉[山と群衆]予約
〈本文〉1)日にち 2)氏名 3)住所 4)メールアドレス 5)参加人数
〈アドレス〉 info@blanclass.com
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TPAM 2019(www.tpam.or.jp/2019)に参加するblanClassのアンソロジー、Live Art & Archive Anthology #4 on TPAM Fringe 2019の中で行っています。
チケットは以下からも購入いただけます。
https://www.tpam.or.jp/program/2019/?program=blanclass
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眞島 竜男 Tatsuo MAJIMA
-アーティスト。写真、ビデオ、パフォーマンス、粘土など、多様なメディアを用いた作品を制作。近年の発表に、「岸井戯曲を上演する #9」(blanClass、2017年)、「岡山芸術交流2016」(岡山県天神山文化プラザ、2016年)など。 YouTubeで「今日の踊り」を更新中。
「今日の踊り 2016年以降」http://bit.ly/2hVQxIQ
「今日の踊り 2018年以降」https://bit.ly/2Iu1zEw
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国際舞台芸術ミーティング in 横浜 2019(TPAM) 
http://www.tpam.or.jp/2019