9月21日(土)吉田和貴[ゾーンシステム]

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今週土曜日のLive Artは吉田和貴が3回目の登場!
 
ご本人曰く、1回目の2013.3.16 吉田和貴[Welcome To The Jungle] のテーマはフレーミング2回目の2014.6.28 吉田和貴[いくつかのラジオ。] のテーマはピント、そして今回、3回目2019.9.21 吉田和貴[ゾーンシステム] のテーマは露出なのだそうだ。
 
どういうことなのかというと、1回目は、DJブースを仮設した会場に、ラジオのディスクジョッキーの役割を担った本人を含む7人のゲストが、Guns N’ Rosesの「Welcome To The Jungle」を紹介するまでの声を聞くというイベントだったのだが、7人のゲストに与えられた条件は、紹介する曲目や時間まで全く同じフレームを強いられていて、完全に同じ枠に収められたものの差異を楽しむという試みだった。
 
2回目の「いくつかのラジオ。」は、会場内に飛ばされている10チャンネル弱のFM電波をチューニングしながら、トランジスタラジオで耳を凝らす、つまりピントを合わせて、ささやくような小さな物語を、その内容を探すようなイベントだった。
 
そして今回はアンセル・アダムスが考案した「ゾーンシステム」という写真における露出と現像処理の最適化をモデルに、何が写っているのかわからない他人の記録を見直してみるという試みをする。
 
本人も意図してそうなったというよりも、結果的にそうなってしまったというようだが、吉田和貴のblanClassでの3つのイベントは、写真の技術的な側面を拡大して別の物差しを探すような、写真的な三部作ということだったのだろうか?
 
当日は、うちにある雑多で古い写真を提供する予定。未整理で未分類な、なんの写真かわからないような写真(家族の写真なんかも含まれている?)を使って、露出をコントロールして見せたいものを特定するように、制作者の意図を反映させることができるのか、実験する予定。
 
ズバリ「ゾーンシステム」を実践するというわけではなく、その考え方を拡大解釈して、転用してみるということなのだろう。「ゾーンシステム」とアンセル・アダムスのことは、当日、吉田さんがレクチャーしてくれるらしいので、ご安心を…。
 
 
 
こばやしはるお
 
 
 
——
 
 
【blanClass放送室】

9/21(土)のゲスト吉田和貴さんと、調布駅東口にある吉田さんのお店のバックルームで、アンセルアダムスが考案の写真技法「ゾーンシステム」と、制作者の意図が重ねられている写真について、お話ししました。

2019/9/4/吉田和貴/blanClass放送室


2019/9/4/Kazutaka YOSHIDA/blanClass Broadcasting

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レクチャー+ワークショップ|吉田和貴[ゾーンシステム]
アメリカのカルフォルニア州出身の写真家アンセルアダムス(1902-1984)。彼が考案したゾーンシステムというフィルムへの「最適な」露出と現像処理を決定するための技法のレクチャーの後に、その技法を使ってブランクラスにあるアーカイブを圧縮するワークショプ。
 
日程:2019年9月21日(土)
開場:18:30 開演:19:00
入場料:2,000円(ワンドリンク付)
会場:blanClass(横浜市南区南太田4-12-16)
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吉田和貴 Kazutaka YOSHIDA
1973年東京生まれ。東京綜合写真専門学校研究科卒。主な展示に、1995「組織せず 放棄せず ただ視る」core(東京)、2005「静止している様子な世界のための」gallery Archipelago(東京)、2009「すこしも考えていなかった」art & river bank(東京)、2010 yosidak+Taxxaka 二人展「しかし、いずれの場合においても」アブラウリ(東京)、2013「どうして僕はこんなところに」mujikobo (横浜)、2013「広場でしばらく過ごすこと」atelierなのだ(長野)など。 2013 土湯アラフドアートアニュアルに参加。 ブランクラスでは、2013「Welcome To The Jungle 」、2014「いくつかのラジオ。」写真学校在学中(1994頃)に友人4人とシェアしていた祈陽荘というアパートでの 「祈陽荘ギャラリー」や、杉並区和泉に、2003年1月~6月の半年間実在したギャラリー兼住居「ナンバギャラリー」のサポート、長野県塩尻市の大門商店街にある「nanoda」のコアメンバーになる等、一風変ったスペースへの関わりが深い。毎年8月初旬に長野県塩尻市えんぱーくで個人主催の芸術祭「ランブル」を開催している。

 

9月14日(土) ★★シリーズ SakSak#16 武本拓也[人の前に立つ事を、例えば狩りを手がかりに考えてみる]

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今週の土曜日はSakSak#16、ゲストは武本拓也さんです!

 

武本さんについて、ついつい簡単に説明しようとしてしまうと、とってもゆっくり動いたりするようなパフォーマンスをする人、になってしまうのですが、それはちょっとルール違反なので、もう少し慎重に武本さんが行なっていることを考えてみたいと思う。

 

放送室でもいろいろと話してくれたのですが、ゆっくり動くといっても、本人の身体の中ではゆっくりでもないし、ただ動くといったシンプルなものとは違う、もっと複雑なことが起こっているんだそう。

 

自分自身の姿や振る舞い方を、自分の目で見ることができないのは当然のことだからこそ、ついつい自分の身体が意識からすっ飛んでしまっていることはあって、誰かに言われてハッとしたり、自身が写る写真を見たときになぜか驚いてしまうことがある。

身体の中と、外と、外から見える身体と、それぞれを言葉や概念、イメージに置き換えたりすることとの間でどうしてもちょっとずつ誤差が生まれるし、それぞれを一致させて説明できないことも当然で、武本さんが言っている「複雑」さは、その一致しない状態をそのまま言い表したものなのだと思う。

 

 

今回のイベントは、まず前半にプレ上演を見てもらう。

プレ上演では、武本さんが普段から行なっている上演を50分見てもらいます。

後半は、プレ上演を見てもらったお客さんから、何らかのフィードバックをもらい、さらに次の「上演」へと展開していくかも?

 

普段は上演を見てもらったあとに感想をもらったり、振り返ったりはそんなにしないらしいので、武本さんの身体の中で起こっている「複雑」なことと、外からは一見「シンプル」に見えることとの中間で立ち上がるものについて、慎重に、両側からアプローチできると面白そう。

 

放送室では、タイトルにもある「狩り」についてや、「上演」についてのお話など、いろいろと確信部分についてのお話をしてくれています。

イベントに参加される方はぜひ、先に放送室をご覧になって、当日はプレ上演からごお越しください。

 

野本直輝

 

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9/14(土)SakSak#16のゲスト、武本拓也さんと、夜の街に出て放送室を収録!今回のプレ上演とそのあとの時間、それぞれの「上演」について、そして「狩り」について、お話をしてもらいました。

2019/9/6/武本拓也/blanClass放送室


2019/9/6/Takuya TAKEMOTO/blanClass Broadcasting

https://www.youtube.com/watch?time_continue=1&v=mLbCLvuLbrY

 

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SakSak #16 武本 拓也

人の前に立つ事を、例えば狩りを手がかりに考えてみる|上演

blanClass webページ http://blanclass.com/japanese/schedule/20190914/

Facebook イベントページ https://www.facebook.com/events/2266108830308497/

 

人の前に人がいる。

その事の中には、事実と同時に事実ではない事も重なっていると思う。それはどっちでもあるし、どっちでもない。なにか別のもののような気がする。俳優と観客との具体的なやり取りを、例えば「狩り」の手つきで考えてみる事はできるのではないか。それは狩人の手つきであるだけでなく、獲物の手つきでもある。俳優は満身の注意で観客の視線をかいくぐり、最後の一瞬で矢を招き入れる。

 

出演:武本 拓也/企画:野本 直輝

日程:2019年9月14日(土)

   18:00 - 18:50 プレ上演

   19:00 START

料金:1,800円(1ドリンク付き)

会場:blanClass(横浜市南区南太田4-12-16)

https://goo.gl/maps/Q7Aat7nBarE2

アクセス:京浜急行「井土ヶ谷」駅の改札出て正面の信号わたりすぐを左折、一つ目の交差点を右折、二つ目の角を左折、三井のリパーク後ろ、blanClass看板がある細い段々を上がって右の建物2階

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武本 拓也 Takuya TAKEMOTO

そこにいるとはどういう事なのか。その関心のもと、立つ/歩く/見るなどの最小限の動作のみでの上演に取り組んでいます。それは発表の為だけでなく、日々の行いとしてできるだけ毎日、同じ内容で繰り返し行っています。

ソロ公演に「正午に透きとおる」(2019.2)、「象を撫でる」(2018.5)など。

https://www.takemototakuya.com/

SakSak

SakSakでは、誰かが発する表現を手掛かりに、その先を一緒に考えながら、その思考を交換することができる場の可能性を模索します。そのために取り敢えず、粗くてもろい、隙間だらけの場を想像してみる。(野本直輝)

https://saksak.localinfo.jp

9月7日(土)few phew pur(フュー ヒュー ピュー) 高山玲子+前澤秀登+新美太基+一野篤 [ハイツ高山 ー エンドゲーム ー]

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今週末は、few phew pur(フュー ヒュー ピュー)登場です。

 

few phew purは、高山玲子、前澤秀登、新美太基、一野篤、による出来立てホヤホヤのチームです。

4人はTPAMフリンジ参加の公演「ハイツ高山」で集まったメンバーでもあります。

 

そして今回、結成初プロジェクトとして「ハイツ高山ー エンドゲーム ー」を行います。

「ハイツ高山」は、2032年取り壊されたアトリエ(兼アパート?)で、2月に訪れたお客さんとともにその建物の記憶を辿りながら、見送ったわけですが、今回は、その未来をまだ変えることができる!まだ間に合う!ということで、未来の過去を変えることに挑戦します。

 

「ハイツ高山」の記憶は、誰にとっても関係のない記憶でしたが、でも何故か懐かしく、自分のこれまで忘れていた記憶を呼び起こされたり、それが重なったりして、不思議な感覚を起こしていましたが、今度はさらに別の記憶(未来)を作り出すという試みで、だいたい未来はこれから作るものなので、普通のことのように感じますが、何かひっくり返っていて、ちょっと面白いことになりそうです。

 

これまで、高山さんがやってきたイベントでは、お客さんを巻き込みながら、何かあらかじめ予定されたものではない、ふわっと立ち現れる何か、その何かのためのきっかけのようなものを作ってきたのかなと思うのですが、今回、チームになったことで、チーム内でのディスカッションが行われ(多分というかきっとそうだと思うけど)高山さんが一人で行っていた時より外へ現れる前に一壁増えることになるのだろうけれど、何かそれが、このチーム名の言いにくさが表しているように、簡単に何かにくくられないような、わりと遠くへぴょんと飛んでいけるような可能性がある気がして、とても微笑ましく、今後の動きが楽しみなのです。

 

初めて「ハイツ高山」を訪れる人も、一度訪れて取り壊されたと思っていた人も、ぜひ、新しい未来に参加してください。お待ちしています。

 

 

 

【blanClass放送室】

9/7(土)のゲスト、few phew pur(フュー ヒュー ピュー)高山玲子さんに、今回のイベントのこと、チームでの制作のことを少しお聞きしました。新美さん、一野さんにも遠隔出演していただきました。(新しい生ジングル付き)

 

2019/8/29/few phew pur/blanClass放送室

youtu.be

 

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演劇・参加型|few phew pur(フュー ヒュー ピュー)高山玲子+前澤秀登+新美太基+一野篤[ハイツ高山 エンドゲーム ー]

 

2019年『ハイツ高山』はアトリエ(演習場)としての活動を終え、2022年、半室内農園に改築。

そして2032年、建物としての終焉を迎え、取り壊され更地となりました。

しかし、今は20199月。まだ間に合う

このまま『ハイツ高山』を終らすわけにはいかない。さぁ、『ハイツ高山』エンドゲームの始まりです。

ー『ハイツ高山』冊子をお持ちの方はご持参ください。ー

 

日程:201997日(土)

タイムテーブル(予定)作戦会議:18:00 実作・練習:19:00 上演:20:00

※19:00頃に来ても大丈夫です。

料金:2,000円『ハイツ高山』冊子持参/2,200円『ハイツ高山』冊子代込み

会場:blanClass横浜市南区南太田4-12-16

https://goo.gl/maps/Q7Aat7nBarE2

 

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フュー ヒュー ピュー(高山 玲子 前澤 秀登 新美 太基 一野 篤) few phew pur (Reiko TAKAYAMA + Hideto MAEZAWA + Taiki NIIMI + Atsushi ICHINO)

高山玲子(美術家・俳優)+前澤秀登(写真家・ディレクター)+新美太基(エンジニア)+一野篤(デザイナー)による制作チーム。20192月発表作品『ハイツ高山』を経て、同年6月チームとなってまだほやほや。活動形態模索中。

高山玲子 https://reikotakayama.tumblr.com/

前澤秀登 https://www.hidetomaezawa.com/

一野篤 https://movebell.com/

 

8月31日(土)・9月1日(日)O,1、2人(外島貴幸+吉田正幸)[井田田回回田田土]

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今週土曜日のLive Artはコントパフォーマンスユニット、O,1、2人が久々の登場。
 
O,1、2人メンバーの外島貴幸、吉田正幸、ともにWhales「名絵画探偵亜目村ケン」シリーズにに出演していたり、外島のソロパフォーマンスも何度かやっているので、久しぶりの感じがしないのだが、O,1、2人名義の出演は2013年以来となる。
 
今回のO,1、2人のパフォーマンスは、シリーズ上演となっており、すでに同様の作品が、8/24に、TALION GALLERYで上演されている。残念ながらそちらの上演は見られなかったのだが、同様の作品が上演される2つの場所の構造を踏まえて、コントを制作。
 
お2人に聞いたところ、TALION GALLERYへは地下へ降りていく階段があり、さらにその下に潜ることができる階段があるらしく、その二重に降りていく感じ、blanClassでは、2階へ昇る階段から、大きな窓のある部屋へ入っていく感じ、またそうした場所が持っている形を無いことにするのではなく、あからさまにしながら、そこにアプローチする身体をきっかけにしたそうだ。
 
よくあるコントの中では、階段や窓などはそこに実際になくても、説明として処理されてしまうことが多い、また映像の作品にしても、現実に場所にアプローチする様をそのまま示すことは不可能だから、様々な技を使って自然な振る舞いのように編集をしているはず。
 
そういう意味では、ギャラリーの空間も、blanClassの空間も、コントの上演に向いているはずもないから、あからさまにその場所の個性が見えている状態で、さらにそこを意識させる仕掛けを作っていくということだろうか?
 
ただし、O,1、2人はそこを笑いに回収しなければならないので、ダンスや演劇のような感じにはならないかもしれない。
 
もう一つのテーマはそこらじゅうにある「匿名の死」ということなので、内容も含めて興味深い。
 
お初方はもちろんのこと、TALION GALLERYで見てしまったという人も、場所が変われば、だいぶ内容も変化すると思うので、ぜひいらしてください。
 
 
こばやしはるお
 
 
 
【blanClass放送室】
8/31(土)、9/1(日)のゲスト、O,1、2人の外島貴幸さんと吉田正幸さんお2人と一緒に、この作品が発表されるタリオンギャラリー(8/24)やblanClassの階段や窓のこと、昇ったり降りたり、外を望む身体のことなどを組み込んだ笑いについてお話ししました。
 
2019/8/20/O,1、2人/blanClass放送室


2019/8/20/O,Ichininin/blanClass Broadcasting

 

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コント、演劇、パフォーマンス
O,1、2人(外島貴幸+吉田正幸)[井田田回回田田土]
階段の登り降りを繰り返す中での、エスカレーターで交差する瞬間のコミュニケーション。下り坂と上り坂の数はどちらが多いのか? あるいは向こう側とこちら側の数を数えること。
 
日程:2019年8月31日(土)開場:18:30 開演:19:00
9月1日(日)開場:15:30 開演:16:00(上演時間:1時間の予定)
入場料:1,500円(ドリンク別)
会場:blanClass(横浜市南区南太田4-12-16)
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O,1、2人(外島 貴幸+吉田 正幸)O,Ichininin (Takayuki TOSHIMA + Masayuki YOSHIDA)
2011年11月29日結成。コントグループ「テニスコート」の吉田正幸と、美術家の外島貴幸のユニット。一人でできることを二人でやったり、二人でできることを二人でやったりします。

8月24日(土)田中功起[Netflix向けでもし撮影するときに僕がプランすること]

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今週土曜日のLive Artは、田中功起が2014年以来の4度目の登場です。
 
これまでの3回は、「不安定なタスク」というシリーズの参加型のイベントを行ってきたが、今回はまったく違って、企画会議とネットワーキングを兼ねたブレインストーミングのようなイベント。
 
なにを企てようとしているのかというと、Netflixみたいなネット配信番組として作品を制作できないかという提案?
 
 
田中功起作品は、そもそも経験するのに少し時間を有する作品作りをしてきたが、年々、その時間がより必要になってきている。
 
それは、もしかすると当然の成り行きかもしれない。作品が内容を抱えていけば、その内容はどうしても単純化が不可能なリアルな問題を巻き取ってしまう。
 
30年前ぐらいに友人たちが銀座のギャラリーで開催した政治性の強い内容の展覧会を見て、テレビなどで見るドキュメンタリーや教育的な博物館展示などと比べると情報量が少なくて物足りないと感じたことがあるのだが、それは最近では、劇場型の映画を見ても全く同じことを感じる。
 
最近になって情報の受け取り方が多様化してきたことにも理由があるように思うが、旧来のブロードキャスティングが培ってきた映像文法がネット上に開かれて、俄然面白みというか、可能性が広がっているように思う。
 
それに引きかえ、従来の芸術や娯楽鑑賞の方法は、その枠組みや限界に作品や内容自体が制限されて、先読み可能なメディアになってしまっているように思われてならない。
 
アウトプットの形自体の可能性を問うためにblanClassを始めたところも多分にあるので、また展覧会が持っている不自由さもなんとかしなければならない課題だけれど、これまでになかったアウトプットの方法を模索するのも、とても大事なことのように思うので、ここにきて、この企画はとても共感する。
 
一時、田中功起さんと一緒に先のことを考えてみましょう…。
 
 
 

こばやしはるお

 

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【blanClass放送室】
田中功起さんとの放送室は今週金曜日(8/23)に収録・配信予定です。
 
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企画会議、ネットワーキング|
田中功起Netflix向けでもし撮影するときに僕がプランすること]
今回は、企画会議とネットワーキングのための場所を作ります。
 
例えば時間があって、美術館とネットフリックスの二者択一を迫られるならば、あなたはどうしますか。ぼくは間違いなくネットフリックスを見てしまいます。『アグリーデリシャス』を見たひとはいますか。そこには現代社会の抱える問題も(主に人種問題ですが)、それに対する多様な視点も(ホストはコリアン・アメリカンのシェフ、デイブ・チャンです)、あるいはユーモアの要素も(シリーズの中ではさまざまな映像的な手法がふんだんに使われてます)、そしてプラスおいしさ(のイメージ)もあります。フライドチキンをめぐる人種問題を、日本の観客は知っていたでしょうか。学びとおいしさのバランスがいい感じに盛りつけられていて、でも暗くとらえがたい問題もしっかりと包み込まれている。
 
近年のぼくの制作はどんどん長い映像を作る方へ向かっています。4、5時間ともなれば、そもそも多くのひとは避けるでしょう。展覧会の空間で見せることに、限界も感じます。長さ的にはネットフリックスのミニシリーズぐらいあるわけですから。そう、逆に言えば、映像配信サービスならば、その長さがあっても見るひとはいるはず。ひとつのシリーズとして作ればいいのかもしれません。
 
自分の制作方法も、アウトプットも含めて見直す時期にきています。
 
そこでまずはぼくの最近の制作プロセスについて話し(あいトリの新作『抽象・家族』を例にして)、そのあとにいま考えているアイデアをいくつか話してみます。アイデアを話ながら企画会議として、自由にみなさんと意見交換できたらいいですね。
 
せっかくなので、ぼくと仕事をしてみたいという奇特な方がいればぜひ気楽に来てもらいたいと思っています。ぼくはこうしてあまりおおっぴらに仕事の募集をしないので、いい機会のはずです。最終的に仕事に繋がるかどうかはわかりませんが、あせらずにお付き合いできればと思っています。映像制作のプロデューサー、制作現場を取り仕切るラインプロデューサー(映像だけでなく、演劇でも)、撮影監督、照明技師など、あるいは問題意識を共有できる社会学者や政治学者、建築家などなど。その場で名刺交換ができたひとは参加費の一部をキャッシュバックします。
 
ちなみにネットフリックスでの発表の予定も、来年以降の新作の予定も何も決まっていません。
 
日程:2019年8月24日(土)
開場:18:30 会議スタート:19:00頃から
料金:学生:1,000円/一般:2,000円(ドリンク別)
※入場料のキャッシュバックあり
会場:blanClass(横浜市南区南太田4-12-16)
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アーティスト。主に参加した展覧会にミュンスター彫刻プロジェクト(2017)、ヴェネチア・ビエンナーレ(2017)、リヴァプールビエンナーレ(2016)など。2015年ドイツ銀行によるアーティスト・オブ・ザ・イヤー、2013年ヴェネチア・ビエンナーレでは参加した日本館が特別表彰を受ける。主な著作、作品集に『Precarious Practice』(Hatje Cantz、2015年)、『必然的にばらばらなものが生まれてくる』(武蔵野美術大学出版局、2014年)、『共にいることの可能性、その試み、その記録-田中功起による、水戸芸術館での、ケーススタディとして』(グラムブックス)など。

Netflix向けでもし撮影するときに僕がプランすること|田中功起

 
ブランクラスでちょっと変わった集まりを企画します。一ヶ月後です。あいトリの話もしつつの企画会議です。ぼくの活動に興味あるひとはぜひ。キャッシュバックあり。→ 田中功起Netflix向けでもし撮影するときに僕がプランすること]2019年8月24日
 
——
 
今後、なんらかの形でぼくの制作を手伝ってみたいというひとも、単に興味あるだけってひとも。おそらく参加のハードルが高いので、少人数でお互いに興味あることを話しましょう。アート関係者だけではなく、映画や建築、社会学政治学、歴史家、研究者等々、もしくは学生も含めて、誰でも参加できます。
 
——
 
いや、もっといろんなひとがいるよね、演劇や小説、料理人、ケア労働者、いまはぼくと連絡が途絶えてしまった古い知り合いとか、しばらく仕事を一緒にしていないひとや、田中聖と間違えているひとや。。。おそらくこういう機会を設けることはもうないよ。
 
 
田中功起 koki tanaka (@kktnk) · Twitterより)
 
 
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企画会議、ネットワーキング|
田中功起Netflix向けでもし撮影するときに僕がプランすること]
今回は、企画会議とネットワーキングのための場所を作ります。
 
例えば時間があって、美術館とネットフリックスの二者択一を迫られるならば、あなたはどうしますか。ぼくは間違いなくネットフリックスを見てしまいます。『アグリーデリシャス』を見たひとはいますか。そこには現代社会の抱える問題も(主に人種問題ですが)、それに対する多様な視点も(ホストはコリアン・アメリカンのシェフ、デイブ・チャンです)、あるいはユーモアの要素も(シリーズの中ではさまざまな映像的な手法がふんだんに使われてます)、そしてプラスおいしさ(のイメージ)もあります。フライドチキンをめぐる人種問題を、日本の観客は知っていたでしょうか。学びとおいしさのバランスがいい感じに盛りつけられていて、でも暗くとらえがたい問題もしっかりと包み込まれている。
 
近年のぼくの制作はどんどん長い映像を作る方へ向かっています。4、5時間ともなれば、そもそも多くのひとは避けるでしょう。展覧会の空間で見せることに、限界も感じます。長さ的にはネットフリックスのミニシリーズぐらいあるわけですから。そう、逆に言えば、映像配信サービスならば、その長さがあっても見るひとはいるはず。ひとつのシリーズとして作ればいいのかもしれません。
 
自分の制作方法も、アウトプットも含めて見直す時期にきています。
 
そこでまずはぼくの最近の制作プロセスについて話し(あいトリの新作『抽象・家族』を例にして)、そのあとにいま考えているアイデアをいくつか話してみます。アイデアを話ながら企画会議として、自由にみなさんと意見交換できたらいいですね。
 
せっかくなので、ぼくと仕事をしてみたいという奇特な方がいればぜひ気楽に来てもらいたいと思っています。ぼくはこうしてあまりおおっぴらに仕事の募集をしないので、いい機会のはずです。最終的に仕事に繋がるかどうかはわかりませんが、あせらずにお付き合いできればと思っています。映像制作のプロデューサー、制作現場を取り仕切るラインプロデューサー(映像だけでなく、演劇でも)、撮影監督、照明技師など、あるいは問題意識を共有できる社会学者や政治学者、建築家などなど。その場で名刺交換ができたひとは参加費の一部をキャッシュバックします。
 
ちなみにネットフリックスでの発表の予定も、来年以降の新作の予定も何も決まっていません。
 
日程:2019年8月24日(土)
開場:18:30 会議スタート:19:00頃から
料金:学生:1,000円/一般:2,000円(ドリンク別)
※入場料のキャッシュバックあり
会場:blanClass(横浜市南区南太田4-12-16)
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アクセス:京浜急行「井土ヶ谷」駅の改札出て正面の信号わたりすぐを左折、一つ目の交差点を右折、二つ目の角を左折、三井のリパーク後ろ、blanClass看板がある細い段々を上がって右の建物2階
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アーティスト。主に参加した展覧会にミュンスター彫刻プロジェクト(2017)、ヴェネチア・ビエンナーレ(2017)、リヴァプールビエンナーレ(2016)など。2015年ドイツ銀行によるアーティスト・オブ・ザ・イヤー、2013年ヴェネチア・ビエンナーレでは参加した日本館が特別表彰を受ける。主な著作、作品集に『Precarious Practice』(Hatje Cantz、2015年)、『必然的にばらばらなものが生まれてくる』(武蔵野美術大学出版局、2014年)、『共にいることの可能性、その試み、その記録-田中功起による、水戸芸術館での、ケーススタディとして』(グラムブックス)など。

8月17日(土)大道寺梨乃[朝と小さな夜たち]

 

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夏休み明け第1弾、今週土曜日のLive Artは、大道寺梨乃が2度目の登場!
 
前回2016年11月にblanClassで発表した「これはすごいすごい秋」のとき
のコラムに…
 
〜〜
「すごい秋」というのは、大騒ぎした夏のお釣りで、秋には人生を一変させるようなことが起こるという、大道寺さんが彼女の周辺を眺めた実感が現れているのだそうだ。フライヤーに載っている序文にも「なつかしい未来のおはなし」と書いてあるけれど、予期せぬ未来の予兆が秋には棲んでいるのかもしれない。
〜〜
 
と、書いたのだけれど、実はその公演の時、お腹には赤ちゃんがいた。
 
本当に直前に、相談をされ、あまり無理をしないようにやりましょうというお話をしたのを覚えている。やっぱり「秋」はすごいのかもしれない。
 
そのあと彼女は旦那さんのエウジェニオとイタリアに帰り、1年弱してから生まれた女の子に「朝」という名をつけたのだそう。
 
今回の作品はその「朝」という娘に毎日歌って聞かせる日本語の歌のお話だ。
 
前回の作品は大道寺さんと大道寺さんの周りで起こる時系列では並び直せないような、いろいろなことをひとつながりのもののように綴ったような作品だったけれど、今回の作品は日本語とイタリア語と彼女とその娘との間で芽生えたそう簡単にはときほぐさないように絡まった関係についてのお話のようです。
 
だいぶ予約がいっぱいになってきましたが、まだ多少空きがあります。ご予約を希望される方はご相談ください。
 
 

こばやしはるお

 

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【blanClass放送室】
 
8/17のゲスト、大道寺梨乃さんと新作[朝と小さな夜たち]についてお話をお聞きしました。今作品はイタリアで制作、イタリア語で発表したパフォーマンスですが、ブランクラスでのバージョンは日本語が加わり、改変版になっております。
 
2019/8/8/大道寺梨乃/blanClass放送室
 
 
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パフォーマンス|大道寺梨乃[朝と小さな夜たち]
 
ちょうど2年前にこのイタリアの小さな街でママになった時、とても嬉しかったけどいろいろ不安にもなった。この小さな街でひとりきりで、どうやってこの子にわたしの母国語や自分の国のことを伝えたらいいのか? わからなかったから。しかも自分は日本人だからといって日本語や日本のことをなんでも全て知ってるわけじゃないし、むしろ寿司だってべつに握れない。だからわたしは日本語の子供の歌を毎日歌うことに決めたのだった、朝から晩まで、彼女のために。この「朝と小さな夜たち」は北イタリアのチェゼーナという小さな街で2019年の5月に発表された小さなパフォーマンスで、その街に暮らすわたしと、この街で生まれた娘の朝に毎日歌う、歌についてのお話です。(パフォーマンスはイタリア語と日本語で行われます)
 
日時:2019年8月17日(土)
開場:17:30 開演:18:00 
参加費:2,000円(要予約・ワンドリンク付)
定員:30名程度
言語:イタリア語 & 日本語
会場:blanClass(横浜市南区南太田4-12-16)
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予約方法:以下の内容でイベント前日までに以下のアドレスに送信ください。こちらからの返信を持って予約完了とさせていただきます。なお定員に達した場合などお断りすることもございますので、あらかじめご了承ください。
〈タイトル〉大道寺梨乃[朝と小さな夜たち]予約
〈本文〉1)日にち 2)氏名 3)住所 4)メールアドレス 5)参加人数
〈アドレス〉 info@blanclass.com
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アクセス【井土ケ谷駅はエアポート急行も止まります!!
京浜急行井土ヶ谷駅横浜駅から下りエアポート急行で2つ目(約8分)、普通で5つ目(約11分)
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大道寺 梨乃 Rino DAIDOJI
1982年6月4日東京生まれ。俳優。劇団快快の創立メンバー。主な作品に「これはすごいすごい秋」等。自身や身の回りの人々の日常からつながる現代のファンタジーを軽やかに物語にし自身の体でリアリティーを持って表現する事に挑戦している。日本とイタリアを拠点に活動。