5月最終週の「身ひとつで生きる」ライブアートツアーは、今井しほか+大石一貴による「影を描く、影を送る」#2です。
子どもの頃にやったことがある方も多いと思いますが、地面に映る影をじっと見つめて、空を見上げると、その影の残像が白く反転して空に映って見えるという遊びです。
ただし、その遊びをそのままやるのではなく、主に今井さんによってホワイトボードに描かれる黒い形象、つまり”実態を持たない影”をじっと見つめ、それを空に向けて送ります。
描かれるのは、記憶の中にある(もう存在しない)ものだったり、見えないが向こう側にあるものだったり、実際にそこにあったものだったり、物語の中の存在だったり、訪れる実際の場所と関わりつつも、その場所に影のようにしか存在しないものたちです。
それぞれの目に映った残像は、カメラなどで撮影することも、他人のそれを見て確かめることもできません。
ツアーの中では、描かれるものについてのエピソードを聞いた上で影送りをするので、その話から何を想起するかも人それぞれだと考えると、本当に皆で同じものを見ているのかということ自体が怪しくなってきます。
影に限らずそもそも見るという経験の中にあるそのような不確かさを確認したり、自分には確かに”見えている”と思えるものが何なのかを探す時間にもなるかもしれません。
影送りをしながら、それぞれの遊び方を見つけてみるのも楽しそうです。
前回参加して、私が発見した遊び方は、
・黒い服を着た人をじっと見つめて、その影を送れるか試す。
・空に送った影の残像をなるべく最後までじっと見て、それの消え方を見る。
・影や黒いものをじっと見つめて、目を閉じると、瞼の裏側にその残像が映る。
などでした。
4/27の#1では、曇り空の午後に行いましたが、今度は夜です。街灯や店の明かりで照らされた横浜の夜空は、影が映るほど明るいのか、それとも影の定義がまた反転する何かをするのでしょうか。
かみむらめぐみ(振付家・ダンサー)
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影送り|今井しほか+大石一貴[影を描く、影を送る]#2
ゲーテは言った“光あるところに影あり”
文学世界において、しばしば「影」は主の分身として語られ、影が有るか無いかによってその者の真の存在を確かめる。つまり「影」は常に「実物」と等しく存在するのだ。ゲーテの語呂を拝借して言ってみよう。“影あるところに実物あり”もしも「影」そのものを描いたとしたら…実物なくして描かれた影は、まるで主を失った分身のように街を彷徨ってしまうだろう。
このイベントでは、ペンで描いた図を「影」と見立てて、参加者と一緒に街の中で影送りをします。人の目の残像現象を用いた遊び「影送り」。数秒間瞬きをせず、影を見続けた後に空を見上げると、大きな像が空に現れます。描かれた「影」の実像を空に見つけるイベントです。
日程:2024年5月25日(土)19:00ー21:00
集合時間:19:10ぐらいに出発予定。(19:00までに受付を済ませてください)
定員: 20名 料金: ¥1,000
受付・集合場所:BankART Station
集合してから出発点まで20分ほど移動します。
馬車道駅までのみなとみらい線料金 ¥200が別途かかります。
参加費のほかにBankART Life7パスポートが必要です。
イベントへの参加にはご予約が必要です。
予約: https://peatix.com/event/3872579/view
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今井しほか+大石一貴 Shihoka IMAI + Kazuki OISHI
2023年8月「光を測る」電気神殿メタコイノン(東京)にて共作展示。
大石一貴 Kazuki OISHI
彫刻家
1993年山口県生まれ。個展に「Voyager is with you」(Art Center Ongoing、東京、2023)、「For instance,Humidity」(sandwich.gallery CFP、ルーマニア、ブカレスト、2022)など。
https://www.kazukioishi.com/
今井しほか Shihoka IMAI
アーティスト
1995年東京都生まれ。発表に「不在を訪ねる」(スペースくらげ、神奈川、2023)、「#SP_RING_2023」(秋田公立美術大学、秋田、2023)など。
https://imai-shihoka.studio.site/
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blanClass+神村恵「身ひとつで生きる」@BankART Life7
https://blanclass.com/bankart-life7/
blanClassがBankART Life7(ヨコトリの連携プログラム)に出張参加します。BankART Stationの展示にも参加しますが、2019年の休業以来、久しぶりにblanClassのLive Artが復活します。今回のLive Artはツアー型。共同ディレクションに振付家でダンサーの神村恵を迎え、6組のアーティストと一緒に「身ひとつ」をキーワードに、都市を巡るイベントを開催します。その様子は、随時BankART StationでのArchive展示に反映します。
Archive 展示
BankART Life7「UrbanNesting:再び都市に棲む」の入口付近にblanClassのブースを設置、ブース内ではLive Artツアーの アーカイブのほかに「奥能登アートクラフト」の展示 +shopも併設します。
会場: BankART Station 〒220-0012 横浜市西区みなとみらい5丁目1 新高島駅 B1F
展示期間: 2024年3月15日(金)〜6月9日(日)11:00〜19:00
休館日: 木曜日[4/4、5/2、6/6を除く]
料金:BankART Life7パスポート 一般 ¥1,000/高校生以下 無料(ヨコトリとのセット券もあります)
Live Artツアー
集合場所:BankART Station
〒220-0012 横浜市西区みなとみらい5丁目1 新高島駅 B1F
日程:毎週土曜日(3月23日〜6月8日)全12回
料金:1,000円
参加費のほかにBankART Life7パスポートが必要です。
イベントへの参加にはご予約が必要です。
予約:https://bankartlife7-blanclass.peatix.com/
これからLive Artツアー日程↓
5/25(土)今井しほか+大石一貴 #2
6/1(土)大東 忍 #2
6/8(土) 佐々木文美 #2
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【同時開催】身ひとつで生きる~奥能登アートクラフト
2024年元旦に起こった能登半島地震で被災した奥能登のクラフトアーティストたちへの応援プロジェクト。会場では展示と販売をしています。
今瀬風韻[下地職人] 加藤修央[漆作家] 久保田啓介[木工] 小西紋野[蒔絵師] 高畑圭介[革職人] 萩のゆき[デザイナー] YUKAKU 諸石優子・諸石健太郎[漆職人] 山岸優羽[沈金師] 山田睦美[珠洲焼作家] 横山美穂[漆作家]
コーディネート:加藤修央
展示デザイン:ヤング荘(津山勇 北風総貴 安野洋佑 松岡未来)
会場:BankART Station (BankART Life7、blanClassブース内)
企画:blanClass
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BankART Life7「UrbanNesting:再び都市に棲む」
2024年3月15日[金]〜6月9日[日]