2012-02-14から1日間の記事一覧

熊野#5+

寒さと疲労でうつらうつらしていた頃、急に目下の社で火が熾った。熱と光、そして大音声が一瞬で通過していく。山上の上り子がズッと火に引き込まれる。大きな松明に移された御神火は、密集する男たちの間を縫って一度、中腹の社まで降りていく。暗闇が戻っ…