blanClass + portfolio 2018

昨年はとうとうポートフォリオをつくれなかった。でもポートフォリオに寄せるつ持ちで文章だけは書いたので、やはり今年もポートフォリオに寄せるつもりで、この1年を振り返ってみようと思う。


今年も昨年同様、新年は「ヤミ市」イベントからスタートした。企画は吉田和貴&cat's heaven…! 。焼土と化した場所から湧いて上がるように立ち上がったヤミ市のイメージに「自由」というたくましさを重ねたイベント。アート的な大喜利の場ではなく、文字通りのフリーマーケット。テキトーなものを並べても、ちゃんと売り買いが生まれていくのが面白い。


一昨年から継続していた、野本直輝企画の「シリーズ〇〇のかたちを探す」、1月のゲストは、黒坂祐「やめることでおきる」。3月に行った尾崎藍「はなす方法をかえてみる」で一旦完結、4月からは野本企画による新シリーズ、SakSakが始まった。「誰かが発する表現を手掛かりに、その先を一緒に考えながら、その思考を交換することができる場の可能性を模索します。そのために取り敢えず、粗くてもろい、隙間だらけの場を想像してみる。」とは、野本によるシリーズの説明文。最初のシリーズ「〇〇を探す」は。この「〇〇」に、作家が抱える問題や概念を当てはまて考えていくイベントだったが、「SakSak」は「〇〇」のように同じ響きが連なって、そこにとどまるわけでもなくサクサクと進んでいくイメージなのかもしれない。これまでのゲストとお題は4月が小山友也「交換や拾得」5月が加藤果琳「動く二枚の板に挟まれたビー玉のような出来事について2」、6月がメランカオリ「星々を震撼させるものたちの語らい」、7月が田村香織「いれものについて」、9月が吉田裕亮「ルドヴィコ療法的診断〈カルテをとる〉」、10月が奥 誠之「ドゥーワップに悲しみをみる / 答えて!イエス or ノー」、11月が渡辺志桜里「mass」、12月が村田紗樹「名で触る」となっている。


2月には1年振りとなるTPAM(国際舞台芸術ミーティング in 横浜 2018)にフリンジ参加をした。blanClassの自主公演「blanClass Anthology #3」として、高山玲子「ゴーストライター」、Whales + けのび「予兆 名絵画探偵 3」、前後(高嶋晋一+No Collective+神村恵) 「Post Future Perfect(未来完了以後)」という、blanClassを実験場として、思考と試行を展開している3組のアーティストをお呼びした。TPAMに参加するということは、海外からもお客さんが来場するので、本番でもそれぞれ英語の対訳に苦戦したが、初めて英語版でblanClassの紹介用リーフレットもつくった。


今年の通常Live Artのラインナップは、藤井 光+安岐理加、水田紗弥子、末永史尚、中川周、柳生二千翔、始末をかくレプレゼンテーションズ(皆藤将、カゲヤマ気象台、岸井大輔、小宮麻吏奈、武久絵里、渡並 航、松田るみ、村田紗樹、遠藤みなみ、鈴木千尋、辻村優子、橋本匠、山内健司、山田カイル)、良知暁、中村達哉、平田守、鈴木悠子、長屋涼香、武藤大祐、たくみちゃん、奥村友規や近藤拓丸、高山玲子、KOTOBUKI meeting+CAMP、坂本悠、藤原ちから+住吉山実里、岩田浩、関川航平、沼下桂子(阿部大介、迫鉄平)、荒木悠、L PACK.(小田桐奨、中嶋哲矢)+西野正将+森田浩彰、ヤング荘(津山勇、安野洋祐、北風総貴)。今年はblanClassで始まった「始末をかく」がほぼ最終の上演(実際にはもう一回都内で上演をした)、L PACK.が3年振り、ヤング荘が8年振りと、久しぶりの出演が目立った。また末永史尚、中川周、武藤大祐など、若手だけではない初登場のアーティストもいて、それぞれに意欲的な実験をしてくれた。


昨年に1度ステューデントアートマラソンを解体して、1日に3組ぐらいのイベントを何回か連鎖して、などと考えたこともあったのだが、CSLABの小山友也くんに、blanClassのステューデントイベントで始まった交流は手堅いという指摘を受けて、継続して募集することにした。今回は7組のステューデンツが参加。蓋を開けてみると、思った以上に、一つ一つの試みが面白くてびっくりした。


月イチセッションは、昨年4月から1年間お休みしていた杉田敦ナノスクールが4月に第5期として再開した。また昨年2月から継続していたcomos-tv(藤井光、粟田大輔、水田紗弥子、井上文雄、青山真也、原田晋ほか)は公開配信イベントをお休みして、代わりに1月〜4月までが「公開ミーティング」、5月〜12月が「studies」というシリーズを展開した。残念ながらcomos-tvのblanClassでのイベントは12月が最終となった。


今年は週イチセッションは開催しなかったが、昨年行った、沖啓介「ARTCOG (Artistic Cognification)プロジェクト|空想科学Science Fictionと科学現実Science Factで越境する未来」の参加者による発表会を1月に「電子書籍’artCOG’発行記念イベント」として行った。


昨年から不定期に開催している特別セッションでは、藤原ちから(BricolaQ)港の探偵団が横浜を離れ東京に挑むためにblanClassで「東京を遊んでみる」というイベントを2回行ったのち、実際に東京でイベントを行った(この東京でのイベントにはblanClassは直接関わっていない)。笠原恵実子+中村寛で進めてきたシリーズが「覇権主義と美学ーインディアン同化政策アメリカ現代美術」というオープンディスカッションを2回、笠原恵実子アートでナイトが7月に「After Richard Serra」、11月に「Absent Statue|不在の彫像」の2回セッションを行った。


特別セッションという枠にも入れず、ほぼ隔月ペースで日曜の午後にのんびりと開催してきたASSEMBLIES(後藤桜子/吉田和貴/村上滋郎 ほか)は、回数を重ねるごとに、少しずつではあるけれど変化してきて、いろいろな人たちが、日頃、いろいろと考えを巡らせている中で、ふと組み上がってしまった、一塊のアイデアを持ち寄って、ゆるゆると、でもそれだけに濃密な対話の場になってきた。それが、年末のスペシャルイベントにつながり、プレゼンター8名の発表とディスカッションのイベントだったはずが、さらなる飛び込みプレゼンターが続々と現れ大盛況のイベントになった。


セッションとは別に昨年から「農園クラブ」と「TEC系工作クラブ」の2つのクラブ活動を試みてきた。「農園クラブ」は隔月CAMPの「blanClass農園化計画」と連動しながら進めてきたのだが、特に夏の猛烈な暑さの中で実感してきたことは、農作業って、どんな規模のものでも365日べったり野菜と付き合うことなのだということ。正直心身ともに疲れてしまって、12月で一旦お休みすることにした。もしまたなにかの形で再開をするとしたら、改善点はたくさんある。もう1つの「TEC系工作クラブ」の方も、遅々として進まず、少しだけ工作室の工事が進んだくらい。でも2つのクラブ運営での成果は、実は渡邉曜くんに助けてもらって進めている改修工事。秋には電気工事のスペシャリスト、ミルク倉庫の坂川弘太さんにきてもらって、少しだけ電気工事もした。クラブ活動の運営は、いろいろと難題が多く、今後の継続が危ぶまれるところだが、もっと足元というか、改修工事をDIYしていると、実に考えることが多くて、そこからまたなにかが立ち上がらないかを期待しつつ、工事は続けていこうと思っている。


今年はスーパー台風と塩害(一晩で野菜は溶けてしまった)もすごかったが、最も忘れられないのは、あの夏のとんでもない暑さ。屋外で作業に没頭して、意識が飛ぶのか、あっという間に時間が過ぎてしまい、熱中症ギリギリなことが何度もあった。また今年は平成最後というキーワードで、この30年を振り返ることがメディアを賑わしていたが、この30年はデジタル化の波と災害の波とがものすごい勢いで生活圏にまで押し寄せてきたと感じる。そんな現状で、この後の30年はおろか5年先のためにもなんの準備もできていないような気持ちに襲われて、どうしようもなく不安になる。そろそろ、また次のなにかのために、なにかの準備を始めなければとの思いだけは募って、途方にくれている。


こばやしはるお(2018.12.31)

12月22日(土)ASSEMBLIES(アッセンブリーズ)・スペシャル!


今週土曜日のLive Artは、アッセンブリーズが土曜日のイベントとして、また今年最後のイベントとして、スペシャル版で開催します。


このイベントにおける「アッセンブリーズ」とは、日頃、いろいろと考えを巡らせている中で、ふと組み上がってしまった、一塊のアイデア、作品やら企画やらに育て上げるには、もう一手間かかったり、もう一つ自分が手掛けるにはモチベーションが足りなかったり、もしかすると自分以外の人の仕事に組み込んだ方がより有効に働くかもしれないような、なかなか日の目を見ない無数の埋もれたアイデア群のことのこと。


一塊というところがミソで、素材ほどバラバラな要素でもない。あとちょっとで、日の目を見そうな部品(ユニット)? なのだ。そんなもったいない「アッセンブリーズ」を持ち寄って、日曜日の午後に、ゆるゆるとアイデアを交換してきたアッセンブリーズだが、今回は、さらなるプレゼンターを募り、年末スペシャルバージョンでお届けする。


なにがそんなにスペシャルなのかというと、いつもはなんの仕切りもなく、緩やかに進めてきた「アッセンブリーズ」に今回はtyっとだけしっかりと仕切りがあって、さらには普段よりも多くのプレゼンターが参戦しているということ。


さらに料金体系も変わっていて、お客さんが料金を払うのではなく、プレゼンターがエントリーに際して参加費を支払って、参加をしていること。


プレゼンターはいつもの後藤桜子、吉田和貴、村上滋郎、お3方に加え、小山友也、粟田大輔、齋藤和輝、水野絵菜となっている。飛び込みもOKな企画なので、当日はもう少しプレゼンターが増えるかもしれない。


お客さんは無料の上、今回はいつもよりもいただける可能性のあるアイデアも豊富な状態! モヤモヤを突破したい、一歩を踏み出すきっかけが欲しい、気分転換がしたい、暇つぶしがしたい、などなどお悩みの方々、ぜひお越しください。


こばやしはるお


――


【blanClass放送室】
12/22(土)のイベント、「ASSEMBLIES・スペシャル!」について、後藤桜子さん、吉田和貴さんにお話を伺いました。



2018/11/29/ASSEMBLIES/blanClass放送室


【さらにおまけ動画】
当日の流れについての説明はこちら↓



2018/11/29/ASSEMBLIES.当日の流れ/blanClass放送室


━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━


ASSEMBLIESASSEMBLIES(アッセンブリーズ)・スペシャル!
http://blanclass.com/japanese/schedule/20181222/
https://www.facebook.com/events/325506848249007/


参加:後藤桜子/吉田和貴/村上滋郎/小山友也/粟田大輔/齋藤和輝/水野絵菜 ほか


ASSEMBLIES(アッセンブリーズ)は、登壇するプレゼンターがいま関心を寄せるトピックや作品、リサーチ中の対象について、来場者にプレゼンテーションする不定期の集まりです。プレゼンの形式は自由。思い思いの内容を、展示、パフォーマンス、対話など、プレゼンター自身がふさわしいと思う形式で発表し、来場者からのフィードバックを求めます。
スペシャル!」と題した今回は、ASSEMBLIESをより多くの人に知ってもらうため、普段より多くのプレゼンターが会場に集結します(当日の飛び入り参加も可)。さまざまな可能性に開かれたアイデアや、プレゼンターによるいつもとは一味違った語りなど、来場者一人ひとりの思考をくすぐるプレゼンテーションをご期待ください。ASSEMBLIESは、発想する行為そのものを開かれた思考のためのいとぐちとして実践し、来場者との対話や異なるアイデアの連動を通じてその新たなファンクションを模索する場です。


[こんな時にASSEMBLIESがおすすめ]
・現在取り組んでいる作品・調査について意見を聞いてみたい
・気になっている素材/気になっているアイデアがある
・自分はいま必要としないけど、誰かには有用であろうアイデアがひらめいた
・以前発表したけど、時が経ち新たな可能性が見えてきた作品を再展示したい
・いつもと違う切り口で自らの作品や調査の対象について語ってみたい


日時:2018年12月22日(土)13:00 – 19:00
参加費:プレゼンター 1,500円/来場・観覧無料(投げ銭歓迎)
※プレゼンターとして飛び入り参加希望者は会場で申し出てください
会場:blanClass(横浜市南区南太田4-12-16)
https://goo.gl/maps/Q7Aat7nBarE2

12月8日(土)ヤング荘[忘れがたき故郷(仮)]


今週土曜日のLive Artはヤング荘が久しぶりの登場。


ヤング荘はblanClassの場所がBゼミという学校のような場所だった頃に、そこに学びきていた津山 勇、安野洋祐、北風総貴、3人のアーティストが2001年の長い春休みの間に作ったアーティストユニット。


blanClassになってからも、2010年に3人で「紙芝居」パフォーマンスをしてくれている。その後も何度か、新年のイベントで、彼らが干支に扮する一連の年賀状シリーズの映像作品を上映してもらったこともある。


その年賀状日シリーズも干支を一周し、それを記念した展覧会も終えたので、いよいよ新シリーズが始まるということになって、そのタイミングで彼らの古巣でもある、この場所に久しぶりにお呼びしようといことになった。


新シリーズもやはり年賀状を媒体にしたシリーズになるということで、イベントでは、その新シリーズについてのトークと同時に制作もしてしまおうという企画。


前回の2010年以来、津山勇、北風総貴の2人で、ヤング荘は運営されてきたが、これまた久々に、二人が安野洋祐くんにも連絡を取るというので、当日は結成当時のヤング荘がその当時の姿のまま登場することになるかもしれない。


その当時のとても怪しいヤング荘を知っている人も、相当にレアだろうけれど、時空を超えて、ナウでヤングでアンニュイなアーティストユニット、ヤング荘に会いに来てください。


――


【blanClass放送室】
12/8(土)のゲスト、ヤング荘の津山勇さん、北風総貴さんと一緒にハングアウトで、約束事について、忘れがたき故郷についてお話を伺いました。



2018/11/27/ヤング荘/blanClass放送室



こばやしはるお




━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━


裏方ヤング荘[忘れがたき故郷(仮)]
http://blanclass.com/japanese/schedule/20181208/
https://www.facebook.com/events/1937241216580746/


約束事について考えてます。


日程:2018年12月8日(土)
開場:18:30 開演:19:00
入場料:1,300円(ドリンク別)
会場:blanClass(横浜市南区南太田4-12-16)
https://goo.gl/maps/Q7Aat7nBarE2
ーーーーーーーーーー
ヤング荘 Young Soul

  • Bゼミ Learning System終了。2001年、津山 勇、安野洋祐、北風総貴の3人で結成。過去に実在したアパートの看板を入手し、同名をユニット名として活動を開始。私生活を記録したパフォーマンスビデオや、1坪2階建て木造家屋のインスタレーションの他に、展覧会カタログのグラフィックデザインなど、多岐にわたる分野を横断しながらも一貫した世界観を作り出している。

www.youngsoul.biz

12月1日(土)L PACK.[ハロ〜!ワーク2019]


今週土曜日のLive Artは、blanClass創立年の2009年から3年に1度お呼びしているL PACK.の小田桐奨と中嶋哲矢のお二人が3年ぶりの登場です。


今回は前回2015年に行ったイベント(ハロ〜!ワーク2016)同様に、3年分の活動を整理しながらコーヒーをすすりつつ、お二人の就活を行います。


普通だったら、就活をしている方が相手のテリトリーに出向きお願いにあがるものだが、そこを逆転してスカウトマンたちが訪れやすい場を設えるという試みだ。


前回の「ハロ〜!ワーク」では実際のオファーが持ち込まれて、見事就活が成功。2016年のさいたまトリエンナーレで連携プロジェクトを行った。


さて今回の「ハロ〜!ワーク2019」は、前回とは違うこともいろいろある。


まずは、就活アーティストがL PACK.だけでなく、ゲスト就活アーティストとして、西野正将、森田浩彰の二人がさらに加わっていること。


もう一つは、料金設定がだいぶ変わっていて、アーティストたちとお話をしながらL PACK.が淹れる美味しいコーヒーが飲めるというのが1,000円。それに加えて14:00~のトークが聞けるのが1,500円、きわめつけは、さらにご要望のオファーにL PACKがプランドローイングを描いてくれると11,500円というもの。このプランドローイングは、実現可能なものでも実現が難しいものでも、実現が不可能なものでも受け付けているそうなので、出来上がったドローイングはきっとレアーなものになりそう。


ゲスト就活アーティストの西野正将、森田浩彰、ご両人にも、プランドローイングのことを交渉中ということなので、そちらも楽しみ。


かっちりとしたアートワークのオファーだけでなくても、頼んでみたら、引き受けてくれるかもしれないので、幅の広い「お願い」をどうぞご持参ください。


今年はまだまだ木枯らしも吹かず、暖かな午後が続いています。「お願い」のない方も、ぜひのんびりと美味しいコーヒーを飲みに来てください。


――


【blanClass放送室】
L PACKの小田桐奨さん、中嶋哲矢さんと、12/1(土)のイベント「ハロ〜!ワーク2019」などについてお話ししました。収録場所は建築家の敷浪一哉さんとL PACK.が共同で運営している日用雑貨のセレクトショップ「DAILY SAPPLY SSS」。



2018/11/27/L PACK./blanClass放送室



こばやしはるお


━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━


就職活動L PACK.[ハロ〜!ワーク2019]
http://blanclass.com/japanese/schedule/20181201/
https://www.facebook.com/events/121532308743248/


3年に一度のL PACK.によるblanClassでの発表も今回で4回目になります。今年は前回2015年に開催して好評だった『ハロ〜!ワーク』の2019-2020年度版を開催します。東京オリンピックも近づいてくる2019年-2020年のスケジュールを早く確保したいぞ!という各ジャンルの方々のご来場をお待ちしています。もちろんオープンなイベントなので、仕事の依頼が特にない方もどうぞ。


出演:小田桐奨(L PACK.)/中嶋哲矢(L PACK.)
ゲスト就活アーティスト:西野正将/森田浩彰


日程:2018年12月1日(土)13:00~19:00
トークイベント:14:00~15:00
入場料:1,000円(コーヒー付)/1,500円(トーク参加チケット&コーヒー付)/11,500円(トーク参加チケット&コーヒー&プランドローイング付)
会場:blanClass(横浜市南区南太田4-12-16)
https://goo.gl/maps/Q7Aat7nBarE2

                            • -

西野 正将 Masanobu NISHINO

  • 1982年大分県生まれ。平面から映像とメディアにとらわれず、自身の生活の中で感じた「違和感」から日常を考察するための新たな視点を模索している。近年の主な活動として「中之条ビエンナーレ2015」、「黄金町バザール2016」などがある。現在12月16日まで開催中の横浜美術館コレクション展に作品が出品されている。
                            • -

森田浩彰  Hiroaki MORITA 

  • 1973年福井県生まれ、1998年Bゼミ修了。2012年ロンドン大学ゴールドスミスカレッジMAファインアート修了。「JUMP」(十和田市現代美術館・青森・2015)、「カメラのみぞ知る」(ハギワラプロジェクツ・東京・2015)でグループ展に参加。個展は「From Something to Something Else」(青山|目黒・東京・2016)、「かわのまち」(NICA・東京・2015)などがある。近年はコラボレーションプロジェクトとして五月女哲平と行っているMaS(T)Aとして「シミュレーションゲーム」(川口市立アートギャラリー・アトリア・埼玉・2015)に参加。
                            • -

L PACK.

www.lpack.jp

約束と約束事(2018_11-12)


12月のゲスト、L PACK.は3年ぶりの出演。3年ぶりに呼んだのには理由があって、そういう約束になっているから。


L PACK.の小田桐奨と中嶋哲矢のお2人は、blanClass創設当時から、近くの黄金町でお店を出していて、その当時のスタッフとも親しかったことから、2009年に出演をしてくれた数少ないアーティスト。ということもあって、3周年記念イベントでお呼びすることになり、その時はほぼ1週間、小田桐くんが住む形になり、そこへ中嶋くんが通ってきて、それまでに溜まったblanClassのアーカイブから勝手に再演をしていくという、コーヒ付きのイベントをしたのだが、その折に、「また来てね」とお願いしたところ、「じゃあ、3年に一度に来ます」ということになり、それを真に受けて、3年経つたびに連絡をしているのだ。最近、横浜に戻ってきて、新たに「DAILY SUPPLY SSS」というお店をスタートしたばかりなので、ちょうど良いタイミングになった。


もう1組12月のゲスト、ヤング荘はもっと久しぶりの出演。


ヤング荘は津山勇、安野洋祐、北風総貴の3人で結成したユニットで、2010年にその3人のパフォーマンスをしてもらって以来、2回目のソロ出演なのだが、何度か新年のイベントに年賀状と干支をテーマにした映像作品の上映をしてもらったことがある。当初より干支が一周(12年)したら発表すると言っていた年賀状のシリーズが一周し、次のターンに入り、今年4月に晴れて「十二支超」というタイトルの展覧会が行われた。


なんだか他人事なのにホッとして、呼ぶことにしたのだけれど、ここまで間が空いてしまったのは、シリーズが完結するまで、暗に待っていたからかもしれない。


今回イベントでは、紹介文に「約束事について考えてます。」とあるので、もしかするとまたしても新たに長期の約束事が生まれるのかもしれないと思うと、ちょっと怖い。


今では副業も奨励されて、社会全体が終身雇用の世の中から大きく舵を切ろうとしているが、少し前まで、自分の人生の大半のことを十代、二十代には早々と決定してしまうのが当たり前だったころは、一度してしまった約束は、今以上に拘束力があったに違いない。いやいや今だって、ブラック企業を辞めることができず、自ら命を絶ってしまう人もいるのだから、そう易々と価値観が変わるものでもないようだ。


だから約束にしても約束事にしても、とても怖い。その約束や約束事に縛られてしまうからだ。


そんなわけで、普段からできるだけ約束をしないよう、心がけてはいるのだが、だからといって約束せずにはいられない。なぜならば、blanClassなんて、約束をして、それを実行することでしか成り立っていないからだ。


いろいろな価値観、ルール、思想や正義なんかとも距離をとりつつ、しっかりとした書類を交わすのでもなく、クォリティーの高い仕事を目指すのも諦めて、ほとんどなにもしていないけれど、テキトーにした「約束」をテキトーに守ることが、唯一、blanClassのクリエイティビティーだと思っているところがある。


果たせなかったり、破ってしまった「約束」がなかったわけでもないが、それなりに正直に小さな約束をぽちぽちと守りながらblaClassを続けている。


小林晴夫(2018.11-12 チラシ掲載)

11月24日(土)ステューデントアートマラソン vol.14


今週土曜日のLive Artは、ステューデントアートマラソン


2016年に公募式になってから4回目になったblanClass定番企画。ステューデントアートマラソンは、学科や専攻を違えた現役学生が、一時だけ学校を離れ、それぞれの表現をやってみる異種格闘技戦


今回は7名の若きアーティストが、例えば、現実と記憶のギャップ、ストーリーとイメージ、個人的な出来事と公になった情報、安全の確認、ポケットの小銭などなどのそれぞれが身近なところで感じたり考えた問題をそれぞれ、上演型、参加型、ワークショップ型など、パフォーマティブで実験的な形で発表します。


毎回、未解決で予兆的な問題提起が投げ出される、とても貴重な場になります。


どうぞお見逃しのないよう…。



――



【blanClass放送室】
11月24日(土)のステューデントアートマラソンvol.14に参加するステューデンツの中から、芹澤 采さん、砂長美智さん、齋藤健一さん、沢辺啓太朗さんの4名で放送室を収録、最近のみんなの制作や活動のお話を聞きました。進行はblanClassスタッフの宮川知宙が担当しています。




2018/11/6/ステューデントアートマラソン vol.14/blanClass放送室



こばやしはるお


━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━


アートマラソンステューデントアートマラソン vol.14
http://blanclass.com/japanese/schedule/20181124/
https://www.facebook.com/events/287656131874230/



blanClass定番企画、ステューデントアートマラソンは学科や専攻を違えた現役学生が、一時だけ学校を離れ、それぞれの表現をやってみる異種格闘技戦。世の中にはたくさん存在するはずのどのジャンルからもズレているような作品行為が見られる稀有な機会です。


日程:2018年11月24日(土)
開場:14:30 開演:15:00
入場料:700円(ドリンク別)
会場:blanClass(横浜市南区南太田4-12-16)
https://goo.gl/maps/Q7Aat7nBarE2

                            • -

敷地 理[far away very close]
片手で自分の頭蓋骨を掴む。身体の外側にある、確かに存在する世界に対して、目で見て作り出す世界だけを正しいと思うのなら、その世界は片方の手で掴んでしまえる程の小ささである。動きながら自分の周りに集まってくる意識と反対に遠くの存在を考えてみる。それは僕の記憶のよく思い出せない昨日と、よくフラッシュバックするずっと前の出来事の関係に似ている気がする。
Osamu SHIKICHI東京藝術大学大学院映像研究科メディア映像専攻修士1年)

齋藤健一[確認の確認]
安全を確認する作業は何度も繰り返されることによって、本質的な意味を失うことがある。それは、どこかの工事現場や駅、あるいはどこかのプールで起きている。そこで私は、失われた意味やそれが失われる原因を、パフォーマンスによって確認していきたいと思う。
Kenichi SAITO東京造形大学絵画専攻2年)

芹澤 采[視覚を奪った鑑賞法]
美術作品に込められたストーリーが各々ある。そのストーリーと視覚から得た情報を頼りに鑑賞して行くスタイルがほとんどだ。では、ストーリーだけを言い渡されて、視覚を奪った鑑賞方法を取ると受け取る側はどう変わっていくのか見て見たい。
Aya SERIZAWA多摩美術大学油画専攻4年)

  • 2017年「はなまる展」(多摩美術大学芸術祭)、2018年「Art chapel」(KUMA GALLERY)
                            • -

栗原 麻緒[Light]
あなたが腹の底で抱える真実を見ることは出来ない。本心を隠すことで、無用な誤解や衝突を避けることも選択肢の一つである。もし、自分が周りの意見に合わせれば、他の誰かの意見の信憑性も揺らぐだろう。誰もが口を紡げば何も見えない。
Mao KURIHARA女子美術大学大学院工芸1年)

砂長 美智 [小さなものを大きくすることの実験]
個人的な小さい出来事が公に発信できたり共有されることは今の時代SNSなどの普及により当たり前のことだと考える。そのようなコミュニケーションは公になる瞬間に、真実の出来事が隠蔽されたり捻じ曲げられているように見られることが多々ある。その出来事について作品を作ることにより考えられたらと思う。
Michi SUNANAGA東京造形大学絵画専攻4年)

沢辺 啓太朗[Making Textiles]
服、カーテン、壁紙、家具。身近なところに存在し、またそれ無くしては生活すら難しくなるにも関わらず忘れられがちなテキスタイル。今回はテキスタイルの定義を検討し、それに沿って簡単な制作を行います。
Keitaro SAWABE東京造形大学テキスタイルデザイン専攻1年)

脇田颯人 [透明なテント1(仮)]
私は謎のイベントが好きだ。それは生産的な行為ではなく自己満足と言われても仕方のない行為に見えるけれど、この社会とは別のところで自由の空間を作り上げることが自分を救うことにも誰かを救うことにもなりうるのではないか。必要なのはボクとキミでその「場所と時間」を作ること、作ることによってボクとキミとその周りとの関係について考えること、その小さな関係を広げてボクたちが生きることを探ること。そんなことを最近考えています。それを上演もしくは上映で表現したい。
Ryuto WAKITA東京造形大学映画専攻3年)

  • 1997年生まれ。東京造形大学映画専攻在学中。主な作品に映画「闇に目を」(2017年3月渋谷・光塾にて上映)、映画「リバー・サイド・カメラ」(2017年10月早稲田映画まつりにて上映)、映画「前後左右○□」(ぴあフィルムフェスティバル2018 1次選考通過作品)、演劇「なんだか好きになりそうだ」(2018年9月東京造形大学内展示室mimeにて上演)、映像・演劇・パフォーマンスなど表現を問わず活動中。

(エントリー順)

11月18日(日)荒木 悠[【緊急開催!】第伍回次世代藝術大賞攻略会議(前編)]


今週日曜日は【緊急開催!】の荒木悠による策戦会議。


物々しい感じもしますが、荒木悠さんがFuture Generation Art Prizeという最終候補に選ばれたそうで、優勝賞金$100,000獲得のために、その攻略方法を探るための会議ということらしい。


Future Generation Art Prizeという賞があることを知らなかったけれど、ホームページを覗いてみたら、賞金だけでなく、ヴェネツィアでのショーなども待っているらしく、なんかすごい。
https://futuregenerationartprize.org/jp


今回の会議は(前編)となっているので、今後(後編)もあるということ? 審査の行方をみんなで見守りたいところ。
イベント自体は、半分本気、半分冗談といった、荒木くんらしいイベントになると思われますので、ぜひお気軽にご参加ください。


ただし、当日話す内容は門外不出です。写真撮影も絶対にしないでください。


こばやしはるお


━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━


策戦会議/または未来志向の呑み会荒木 悠[【緊急開催!】第伍回次世代藝術大賞攻略会議(前編)]
http://blanclass.com/japanese/schedule/20181118/
https://www.facebook.com/events/327479841140759/


期せずしてFuture Generation Art Prizeという大層な名前が冠された賞の最終候補に引っかかった。世界公募により5,800以上のエントリーの中から21名が選ばれ、来年2月にキエフのピンチューク・アートセンターで開催される展覧会によって最終審査が行われる。思い返せば、これまでこういった類のものとは縁がなかったので、まるで宝くじにでも当たったかのような心境だ。あんなペラ一枚にも満たない応募書類で何を基準に選ばれたのか…全くもって謎である。


既に腹は括ってある。出場権をもらったからには全力で頂きを目指すしかない。しかし、美術における賞レースというものを一体どう捉えれば良いのだろうか。わからないなりに、よほどの戦略を立てる必要がありそうだ。でも果たしてどんな…?? 不安は募る。その一方で、こんな棚から牡丹餅的な機会も滅多にないだろうから、極力思考を開いて楽しもうと思います。本イベントは、現時点での私の分析を肴に、呑みながら策戦を練ろうという趣向です。俗っ気強目です。このところご無沙汰している方もはじめましての方も、またこのアワードに興味のある若い世代の作家たちも、お気軽にご参加ください。


日程:2018年11月18日(日)
開場:15:30 開演:16:00
入場料:1.600円(ワンドリンク付)
会場:blanClass(横浜市南区南太田4-12-16)
https://goo.gl/maps/Q7Aat7nBarE2

                    • -

荒木 悠 Yu ARAKI

  • 1985年生まれ。2018年8月末日、オランダ国立芸術アカデミーにて三ヶ月間の滞在制作を終え帰国。同年9月末日、ヴィクトル・ピンチューク財団主催による第5回フューチャー・ジェネレーション・アート・プライズのファイナリストとして選出される。

http://yuaraki.com/