窪澤 瑛子/河原田 隆徳+ゾーハウ・コーヘン

今週の+night↓
http://blanclass.com/_night/archives/1779

7月10日(土)
窪澤 瑛子/河原田 隆徳+ゾーハウ・コーヘン [パラレルズ Parallel Zoo]

微音から轟音までを行き来する即興演奏者
ノブナガケン(パーカッション・ヴォイスほか)も急遽参加決定

開場:18:00 開演:19:30
入場料:1,000円/学生 800円

no where, no body, no time, no words, no cat.


 窪澤瑛子と河原田隆徳+ゾーハウ・コーヘンは、それぞれ今年の4月〜6月まで「BankART AIR Program」(BankART NYK)にスタジオアーティストとして参加していた。スタジオ滞在中、この2組のアーティストたちのブースは隣り合わせだった。
 窪澤瑛子は、見るものに突起して抵抗感のある、あるいは手触りを触発させるような質感を持って、モゾモゾと動き出しでもしそうな、生き物でもあり、有機的ななにものかをつくる彫刻家である。BankARTでは、ワークテーブルを1つ置き、ムートンを細かに解体しながら、手のなかで考え考え彫刻していた。
 その窪澤が制作のために座っていた位置は、同時に河原田+コーヘンが創作や練習をする様子を、眺めるのにもってこいの場所でもあった。
 「BankART AIR Program Spring Open 2010」(5月28日〜6月2日)が、2ヶ月間の成果としてオープンスタジオが開催された。私はその最終日に河原田隆徳+ゾーハウ・コーヘンのダンスパフォーマンスを見た。
 2人のパフォーマンスは、2人の経歴からも読んでとれるように、ヨーロッパのコンテンポラリー・ダンスに多く見受けられるような、動的なコミュニケーション(ディスコミュニケーションも含む)としての身体を内在した両者の、しかし結果的に静的な身体の有り様を示すような内容のそれに見えた。また彼らの表現の拠点がその2人の存在と密な交流のなかで育まれたものであることも了解できた。彼らは両者のなかで、あるいは、各人とその外にあるものとの間に、ある種の事件を見たいのだろうとも思った。
 今回の+nightでのコラボレーションは、河原田+コーヘンが日々スタジオで繰り広げていた、空間や身体を使いながらする独特なコミュニケーション、その様に窪澤が2ヶ月間、特等席で眺めながら、触発されたものだ。窪澤が仕掛けるインスタレーション空間に、2人を開放する。

 さてどんな事件が起こるだろうか?


こばやしはるお