南雲由子[アーティスト・ラン/アーティスト・イニシアティブ;継続可能なユートピアをもとめて]

 今週のLive ARTは、南雲由子初登場!! 彼女は昨年の「BankART Life?|新・港村〜小さな未来都市」で「お客様が作品になる美容室」というコンセプトの美容室「become works!! 2011」を企画運営した。実際に美容師としてそのキャリアをスタート。現在、東京大学大学院文化資源学研究室に在籍中という、異色のアーティスト。
 「新・港村」でもアーティストとして美容師をする傍ら、修士論文のリサーチをしていた。テーマは「アーティスト・ラン、アーティスト・イニシアティブ」について。そこで一緒に出展していた、N-markの武藤勇や私も取材対象になった。



取材の模様/2011.11.1 南雲由子 Yuko NAGUMO blanClass


 研究の目的はアーティストが自立して創作活動を継続する可能性を検証すること。自身、アーティストとして切実な問題が発端になっている。
 先日送られてきた、その修士論文にザッと目を通したのだが、1960年代〜1970年代のカナダでおこったアーティスト・ラン・スペースのリポートや、現在の釜山のアート状況、日本のアートを巡る環境の問題など、blanClassを運営していく上でも、切実に考えざるを得ない問題がわかりやすく整理されていた。
 特に面白く読んだのは、アーティスト・ランやアーティスト・イニシアティブの活動を継続するために必要なインフラがあるとした上で、4つのキーワドをあげていることだ。
 それが、1)場:「肉体」、2)ネットワーク:「呼吸」、3)結合組織としてのメディア:「血液」、4)非営利の活動を支える支援の存在:「栄養」。
 土曜日には特に、1960年代〜1970年代のカナダについてと、この4つの要素、加えて彼女自身のアートワークについてもお話しをしてくれる。
 blanClassでは珍しい「研究発表」だが、シリアスなディスカッションが生まれたら、と期待している。


 軽食は「大根の炊いたん、冬の炊き込みご飯」お楽しみに!!


こばやしはるお


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今週の Live ART↓
http://blanclass.com/japanese/


研究発表|南雲由子
[アーティスト・ラン/アーティスト・イニシアティブ;継続可能なユートピアをもとめて]


アーティストが活動を続けられる環境とはどのようなものか? そのためにアーティスト自身に何ができるのか? 東京大学大学院修士論文の研究について緊急プレゼン。参加者の皆様とディスカッションを通して、一緒に考えられればと思います。


日程:1月28日(土)
開場:18:00 開演:19:30
入場料:500円


南雲 由子 Yuko NAGUMO
1983年生。美容師資格取得後、東京芸術大学先端芸術表現科卒。東京大学大学院文化資源学研究室(小林真理ゼミ)在学中。2011〈新・港村 BankART Life?〉、2009〈越後妻有トリエンナーレ〉、2007〈大阪・アート・カレイドスコープ〉出展
http://yukonagumo.net/
http://timespot.net/