7月8日(金)ナノスクール《nano school》#41 [ブッダに会ったらブッダを殺せ #4]

6月のナノスクールでは「歴史としてのブッタ」を考えた。いや「歴史としてのブッタ」ってなんだ、、、?。僕も正直よくわからなかった。
杉田敦が言うには、自分の中で重要な歴史的な出来事を、それ自体を本当にあったものなのかということを疑ってみたいという話だったのだと思う。例えば、南京大虐殺が本当にあったのかという議論はずっと行われてきた。だが戦争自体があったのかどうかという議論はない。
議論はないというか、そういう次元でもない気がするが。でも「そういう次元でもない」と思ってしまうこと自体を疑うことのエクササイズなのだろう。
戦後71年を迎える今、現在を生きる僕はメディアを通してみたり聞いたりしたものを元に、戦争という歴史認識というものを、おぼろげながら作ってきた。それは、これまで実際に流れてきた時間の中のある点にアクセスして、その点を一つ一つ考えているということになるのだと思う。いや、定義付けていると言った方が近いかも。そこには、断絶や、接続がある。そして、もちろんそれぞれの中での価値付けみたいなものもあると思う。
でも、過去の出来事を点で見ることを一度止めて、時間のグラデーションとしての歴史を見たときに、そこには何があり、何を語ることができるのだろうか。

と、いうことなのだろうか?

今回のナノスクールもそれなりの難易度の課題が出されることになると思う。だけど、重要なのはできるだけ頭を空っぽにすることなのかなと僕自身は感じている。なので身構えずにご参加ください。

この機会に自分の中の凝り固まったブッタ的なものを考えてみるというのはいかがでしょうか?


みやざわひびき

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★月イチセッション
杉田 敦 ナノスクール《nano school》#41[ブッダに会ったらブッダを殺せ #4]
http://blanclass.com/japanese/schedule/20160708/
https://www.facebook.com/events/533536516830533/


日程:2016年7月8日(金)18:30〜
参加費:1,200円/学生 1,000円(要予約)


極小の学校、ナノスクール第4期。知っていると思い込んでいることを可能な限り小さくして、再び、本当の意味で知るために努力してみること。アートにとって重要だと思われるそうした姿勢を、これからもいろいろ試していければと思います。
井土ケ谷事件の当事者になってみるというスタートから、「協調/反駁/誤解」、「そこにそれはない、あるのかもしれないけれど」、「裸になること、左になること」とテーマを替えて開催してきたナノ・スクール第4期は、「ブッダに会ったらブッダを殺せ」のタイトルのもと、権威から自由になり、自律性を保つための精神そのものについて考えます。五日市憲法文化学院、ホモ・ソーシャル連続体、イスラ・クラブ、グルジェフゾロアスター教、シュタイナー、大逆事件人間原理、安藤昌益、ブランショセリーヌなどがテーマとなります。指摘しやすい権威のみならず、ときにそれを糾弾するものの中にさえはびこっているはずの権威の本質を凝視め、考え、試み、挑みます。
また、現在開催中の《第3回イドガヤ・ビエンナーレ》(2017年12月12日まで開催中)は随時振り返りながら、今後のあり方について考察していけたらと考えています。

※ナノスクールは完全予約制となります。 参加資格は、アート、あるいはそれに関連する分野の専門家、あるいは専門家を目指す人とさせていただきます。

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〈予約方法〉info@blanclass.comに以下の内容でイベント前日までに送信ください。こちらからの返信を持って予約完了とさせていただきます。なお定員に達した場合などお断りすることもございますので、あらかじめご了承ください。

〈タイトル〉ナノスクール予約〈本文〉1)日にち 2)氏名 3)住所 4)メールアドレス 5)参加人数

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杉田 敦 Atsushi SUGITA

美術批評。オルタナティヴ・スペース art & river bankディレクタ。女子美術大学教授。最近の著書に、『静穏の書』、『ナノ・ソート』(共に彩流社)、『アートで生きる』(美術出版社)、『リヒター、グールド、ベルンハルト』(みすず書房)、『inter-views』(美学出版)がある。作品に"critics coast"(越後妻有アートトリエンナーレ, 2009)など、キュレーションにポルトガルの現代美術展『極小航海時代』(JAM)などがある。また、批評タブロイド紙 "+journal" の編集、アーティストの増本泰斗と、ディスカッション・プロジェクト"Picnic"も行っている。