夏休み明け、一発目のイベントは河口遥企画の第３弾!!
10年来「物々交換所」という活動をしているアーティスト、酒井貴史が初登場!!
美術というものは、長いことものであることに縛られて成立してきた。とはいうものの、コンセプチュアル・アートの登場を待つまでもなく、ものだけで成立するものでもない。宝物というものは、ものの背景に物語がつきまとってこそ希少な価値を持てる。
宝物はきわめて個人的で誰とも共有できないようなガラクタから、国家のステイタスになりうるものまで、同じような仕掛けで、ガラクタを光り輝くものにしてしまうのだ。
抱え込み経済から長い時間を経て、超情報化経済に転じた現代では、よりその物語がエスカレートして、いかなるものも商品に取り替えることができる。
とはいえ、だいぶ消費への欲望もすり減ってきているのか、いろいろのものの価値が不安定になってきている。そろそろARの時代なのだから、情報さえあれば、本物のものもなくても欲望は、その都度満たされてしまうようだ。どこかのセレブが本気になってものの価値に振り回されているのを、「バカじゃないかしら」と見えてしまう角度も確かに存在してる。
経済をデフォルトにものだけではなく、教育のように「知恵」だって手に入れられるのだが、それを支える目に見えるシステムは、全てが情報化できるわけでもないので、どうしようもなく人間的で、世俗的で、洗練されていないものだから、端っこの方のゴミ捨て場ばかりが大活躍してしまう。見ないふりをすれば、なんとかやっていけるものだ。
というような美術を取り巻く現在の状況に、ふと嫌気がさしたのか、酒井さんはいろいろなところに行っては、「物々交換」を仕掛けているというわけだ。
今回のイベントは「捏造遺産相続会」という、もうちょうっとややこしいものらしいが、頭の隅では、きっと誰もが自覚しているような、調和のない世の中のやり取りのことに、改めて目をこらすのもいいだろうと思う。
8月半ば、酒井貴史さんと放送室を行いました。武蔵野美術大学でゲリラ的に行われた酒井さんの「おさがり市」の様子と、今回のイベントについてのインタビューをお送りします。今回の放送室はblanClassのッスタッフに加え、企画の河口遥さんも一緒にお話ししています。酒井さんが物々交換を始めたきっかけなんかも話しているので、ぜひご覧ください↓
「2016/8/21/Takafumi SAKAI/blanClass broadcasting 」
こばやしはるお
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物語の捏造｜酒井貴史［夏の終わりの捏造遺産相続会］
http://blanclass.com/japanese/schedule/20160903/
https://www.facebook.com/events/1258789434187205/
事実に基づかない先入観や個人的思い入れこそ文化財の真価とする「捏造民俗学」提唱者、猿戸檜氏の収集資料。
積極的な文化財の散逸を推奨した氏の遺言により、これらの相続会を行う。
皆様には各資料に対して虚偽の解説を提示して頂き、これを相続資格とする。
捏造遺産仲介担当者 酒井貴史
コーディネート：河口 遥
日程：2016年9月3日（土）
開場：18:00 開演：18:30（約2時間の予定）
入場料：1,500円（ワンドリンク付）
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酒井 貴史 Takashi SAKAI
- 1985年 宮城県山元町出身。2007年頃から猿戸氏に師事、ゴミ捨て場における文化財発掘に従事するが、自宅が文化財収容能力の限界を迎えたため、希望者に譲渡するため「物々交換所」を設置する活動を継続中。
検索 : 物々交換所
twitter : @koukanjyo
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河口 遥 Haruka KAWAGUCHI
- 1985年千葉県生まれ。主な個展に「そんなにロマンチックな目つきをするな。」（22:00画廊，2012年）、「あなた」（blanclass，2013年）、「一人の男に三人の妻、もしくは、どうして俺のことをもう愛していないの？そして、無関心な女」（永田絢子企画，blanClass，bardenbarden，HIGURE17-15cas，2014年）。主なグループ展に「開館記念展示〜青梅ゆかりの名宝展」（国立奥多摩美術館，2012年）、「土湯アラフドアートアニュアル2014」（土湯温泉，2014年）、「第3回イドガヤ・ビエンナーレ」（blanClass, 2014–2017年）など。また小平市にて、22:00画廊（http://2200gallery.com/）を運営している。「母に描かれる 母の子 母とモデル」（2015年）を寄稿したタブロイド紙『Pa+ フォビアと芸術生産』（http://t.co/By2Cj04Hs3）が販売中。
