週イチセッション・11月スタート・水曜日・前後(神村 恵+高嶋晋一)[固有時との会議]

昨年度から始めた週一セッション、今年度は11月から、アーティストユニット「前後」のセッションがスタートします。現在募集中!!


「前後」は神村恵がダンスを、高嶋 晋一が美術をフィールドに、素材化してきた自らの身体と言葉をつかって、双方の形式のロジックを横断、交差、対話する、ほかには類のないユニットです。テンポラリーには特定できるのに、いつでも取り替えが可能な「前後」という概念を発端に作品を模索してきました。その前後が、週イチセッションという場で、参加者も含めてどんな遊び(双方向な実験)を導き出すのか?


今回前後が持ってきたキーワードは「時間」。身体と言葉をつかってと、先ほども書きましたが、「時間」というものは、意味として考えても、体感として捉えようとしても、これだけ不安定に捉えがたい概念は他にはないかもしれません。
主観的に割り切ってしまえば、それなりに便利に使える物差しのようなものでもありますが、誰かと共に、厳密なものとして扱おうとすると、とても厄介なものになってしまいます。にもかかわらず、動かざる真理のように時間はあるものとして扱われています。


セッションでは、そんな「時間」を手掛かりに、神村、高嶋、それぞれの提案が、まずは別々に試されていき、参加者と共に、何、融合して、最終的には各人の作品になればという流れのようです。


先日、blanClass放送室にて、前後にお話を伺いました。その時にどんな人に参加してほしいですか? 尋ねたところ、「ぐちゃぐちゃ考えてしまいがちだけれど、思い切りをよくしたいと思っている人」にオススメだそうです。


もちろん、ダンス・サイドからの参加も、美術サイドからの参加も大歓迎ですが、どんなジャンルを志向されている方の参加も大歓迎です。参加される方にとって「思考の種」のようなものが得られる機会になればと期待しています。



文中でも触れた放送室もぜひご覧ください↓



2016/10/18/前後/blanClass放送室


こばやしはるお
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週イチセッション

前後(神村 恵+高嶋晋一)[固有時との会議]

11月スタート・水曜日・ワークショップ+リサーチ 全10回+発表
http://blanclass.com/japanese/schedule/20161109_want_ad/


時間が「流れている」ということを、どうやったら感じられるだろうか。
時間の流れのただ中にありながら、その流れを、どうやったら捉えられるか。


「時間」というものを、簡単に説明できないのに、わかった気になっているのはなぜだろう。
時間とはたとえば、いくつかの出来事が起こる、その順番。
日が昇り、日が沈む、その間。
声を出す、それが持続する長さ。
A地点からB地点にたどり着くまでの労働量、感覚の変化。
変化し、消えていきつつあるかたちを、そこに留めようとする働き。その動作の溜め。


わたしたちが今回、みなさんと試みるのは、なんらかのかたちで「時間」を扱う枠組みを作ることです。
時間はモノやカラダのように直に触って操作できる対象ではないから、それを扱うというのがどういうことなのか、わたしたち自身もまだよくわかっていません。


けれど、たったいま書いたような、「これから〜する」と予定を立てること、これも一つの時間を扱う枠組みです。
「これから〜が起こるだろう」と未来を予言すること、あるいは逆に「これは〜だった」と過去を記述すること、そう言い切ると、当初は絵空事であっても、実際に起こったり、かつて存在していたことになったりします。それは、いま現在がいま現在に還元できるものではないのを知ること、もしくはいま現在を別の時間との関係によって位置づけることです。
いくつかの可能性、前後の物事が折り畳まれたものとしての時間、というものがあるはずです。


一方で、過去と未来に板挟みにされているのではない「時間」というものもあるかもしれない。そういう時間を意識するにはどうしたらいいか。たとえば、立ち止まる。息を止める。同じことを繰り返す。同じところを観察し続ける。
あるいは、自分ではコントロールできないくらいの、もっとも小さな時間、瞬間とはどういう単位なのか。わたしたちは、たとえば、何かが通過する瞬間の感覚というものにも興味があります。直前あるいは直後は意識できるが、その瞬間は手放さざるを得ないもの。排便する。眠りに落ちる。出産する。虫に刺される。神を見る。などなど。
何かが通過するという感触、もしくは、何かがとり残されるという感触。もしかするとそうした具体的な感触から、わたしたちは「時間」というそれ自体は手触りのないものを、推し量っていたりするのかもしれない。


というわけで、最終的には、現在を扱いながら、現在に抗うパフォーマンスを作ります。


具体的には、やや理屈っぽく言葉をこねくりまわして時間について考えたり(時間という観点から作品を分析したり)、身体を使って時間についてのエクササイズを試してみたりしながら、全員で一つのパフォーマンス作品を作って上演します。


日程 ▷2016年11月9日(水)16日(水)23日(水)30日(水)12月7日(水)14日(水)21(水)2017年1月11日(水)1月18日(水)25日(水) 最終発表未定(2月最終週か3月初頭ごろ)
時間:19:30〜21:30
定員 15名
申込金 5,000円(blanClass主催のワークショップに初めて参加される方のみ)
セッション参加費 35,000円 ※ 別途実費がかかる場合があります。
参加資格 特に問いません。
応募〆切日 11月7日(月)


申込書ダウンロード↓
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応募方法

講座の要項を了承の上、所定の応募用紙をダウンロード、必要事項を記入の上、下記メールアドレスまで送信、またはチラシの申込書に必要事項を書き込み郵送し、指定の銀行口座宛に、全額または申込金のみを振込んでください。(申込書のみでの予約は受付できません。必ずどちらかをご入金ください)ご入金が確認でき次第、手続き完了となります。申込金のみを選択した方の場合、講座1回目までには授業料をお支払いください。なお定員になり次第、受付を終了させていただきます。入金後、セッション開講前にキャンセルされる場合、申込金は返却いたしかねますので、あらかじめご了承ください。

銀行口座 三井住友銀行 横浜駅前支店 (普通)8895910 blanClass(ご自分のお名前を忘れずに入れてください)

問合せ・申込み blanClass 〒232-0006 横浜市南区南太田4-12-16-2F info@blanclass.com http://blanclass.com

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前後(神村 恵+高嶋晋一)|Zen-go(Megumi Kamimura + Shinichi Takashima)

  • 2011年、ダンサー・振付家の神村恵と美術家の高嶋晋一により結成されたパフォーマンス・ユニット。身体の物質性とそれを把握する際の観念性との関係を問題の主軸にすえ、ダンスと美術双方にまたがる作品を制作・発表している。これまでの上演作品は、《ポジション・ダウトフル》(2011、blanClass、横浜)、《把っ手》(2012、Art Center Ongoing、東京)、《脱脱出、反反応》(2012、blanClass、横浜)、《ムゲ》(2013、GALLERY OBJECTIVE CORRELATIVE、東京)、《exonym/endonym》(2013、Brooklyn International Performance Art Festival、ニューヨーク)、《質す[ただ-す]》(2013、Whenever Wherever Festival、東京)、《ビフォア・オア・アフター》(2015、blanClass、横浜)。
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神村 恵 Megumi KAMIMURA

  • 振付家/ダンサー。04年よりソロ作品を発表し始め、06年、神村恵カンパニーとしても活動を開始。これまで、国内外の様々な場所でパフォーマンスを行う。トヨタコレオグラフィーアワード2010ファイナリスト。主な活動に、14年4月 「腹悶」(STスポット)、15年9月、「ワークショップ」(ミルク倉庫との共作)、16年3月 「知らせ」(津田道子との共作)、など。物質としての体、感覚する主体としての体、何かを指し示す体、が交差する場としてダンスを立ち上げる方法論を探っている。

http://kamimuramegumi.info/
twitter @nattonatto

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高嶋晋一 Shinichi TAKASHIMA

  • 美術家。1978年生まれ。パフォーマンスやビデオ作品を制作。主な公演に「14の夕べ」(東京国立近代美術館, 2012)、「わける手順 わすれる技術 ver.2.0」(神村恵・兼盛雅幸・高橋永二郎との共作, SNAC, 2015)など。主なグループ展に、『複々線』(現代ハイツ, 2014)、『無条件修復 UNCONDITIONAL RESTORATION』(中川周との共作, milkyeast, 2015)『Self-Reference Reflexology』(中川周との共作, milkyeast, 2016)など。

http://studium.xsrv.jp/studium/artistsfile/takashima.php#photo0
twitter @takashimashin

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週イチセッションについて

  • ワークショップでも、リサーチでも、プラクティスでも、ディスカッションでも、とにかくなんでも投げ込める。参加者たちによる発表を前提に、週1ペースで3ヶ月間、全10回のユニークなセッション。2017年冬シーズンは沖啓介のセッションがはじまります。