10月29日(土)良知暁[ハロー/もしもし、受話器越しに聞こえた声、ほか]

今週土曜のLive Artは良知暁が3年ぶり、3回目のソロ出演です。


前回、前々回のイベントも共に「人が人を選ぶ行動について」、または「投票」について考えるイベントが行われましたが、今回も、作家が継続的に考えている「投票」についてのイベントになります。


個人的には、選挙というと、ただ行くものだと割り切って、あまり疑問に思わないようにしてきたかもしれません。民主主義にとって、なくてはならない選挙と投票なので、現状の制度が盤石とはいえないとしても、無駄なものだと思い始めたらきりがないと思っていたからなのですが、その前提になっているはずの民主主義自体に疑問がなくなっているのだとしたら、バランス装置としての機能も失われてしまうのかもしれません。


ここのところの日本の国政選挙の極端な結果を見ても、イギリスでのEU残留か離脱かを決する国民投票の予想外な結果にしても、今まさに迷走しているアメリカ大統領選の報道を見ても、同様の不安がよぎります。


良知暁が「投票」をきっかけに継続して考えていることも、「そもそも民主主義ってなんだろう?」という疑問から発しているのではないでしょうか? 考えてみると多数決でなんでも決めて、その結果には必ず従わなければならないのだとしたら、民主主義ってとても暴力的な仕掛けです。結果が多くの人のためになるのならともかく、市場原理でも同じかもしれませんが、結果、多くの人にとって負担ばかりが増えているように感じるのは私だけでしょうか?


今回は「市川房枝」と「婦人参政権実現お知らせ電話」をきっかけに良知暁からの問いが開かれます。「投票」のモヤモヤを考える機会にしてください。


blanClass放送室は宮澤響が司会のシリーズ、良知暁氏と国会議事堂の周りを一周しながら、いろいろとお話を伺いました。こちらもぜひご覧ください↓



2016/10/6/Akira RACHI/blanClass broadcasting



こばやしはるお


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リサーチ / デモンストレーション良知 暁[ハロー/もしもし、受話器越しに聞こえた声、ほか]
http://blanclass.com/japanese/schedule/20161029/
https://www.facebook.com/events/1983435181797524/


偶然にもアメリカ合衆国大統領選の10日前というタイミングだけれど、それについて直接的に扱うつもりはなく、そうはいっても、「投票」に関するリサーチの流れの中で考えていることを発表することになる。


タイトルは、婦選会館(財団法人 市川房枝記念会 女性と政治センター)で思いついたもので、「ハロー/もしもし、受話器越しに聞こえた声」とは、ひとつの問いのかたち。婦人運動を牽引した市川房枝は、戦後間もなく、理研科学映画株式会社制作の映画『婦人平等へ』に出演し、婦人参政権実現の知らせを電話で受けるシーンに出演したらしい。「らしい」というのも、僕はまだその映画を目にしていない。


「、ほか」ということで、いくつかの問いを開き、話し合えたらと思う。


日程:2016年10月29日(土)
開場:18:30 開演:19:30
一般:1,600円(ワンドリンク付)

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良知 暁 Akira RACHI

  • 1980年生まれ。ボーンマス美術大学卒業。2000年代後半より「投票」に関するリサーチを継続している。展覧会に『一日展』 (CAMP、2015-16)、『thinking about dog's death #14』(art & river bank、2015)など。そのほか、『Optional Art Activity: summer school』(Take Ninagawa、2015)を共同企画、『フリースタイル・ダイアローグ』(2014)に増本泰斗との対談を収録。