12月23日(金)-25日(日)[2016年度 多摩美術大学PBL 行為と記録 発表]


遅くなりましたが、現在blanClassでは、今年度多摩美で行われたPBL科目「行為と記録」の発表を開催中。これが今年最後のイベントです。


多摩美術大学PBL 行為と記録」は昨年度より、担当教員に笠原恵実子、小林晴夫が当たり、参加する学生たちとディスカッションとパフォーマティブな実験などを積み重ねながら、彼らが抱えている問題意識のアウト風との仕方を模索してきました。


思った以上におもしろい展覧会になっています。また最終日25日(日)20:00〜出品者らによるトークをします。展覧会と併せて、ぜひご来場ください。


こばやしはるお

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パフォーマンス・展示[2016年度 多摩美術大学PBL 行為と記録 発表]
http://blanclass.com/japanese/schedule/20161223-25/
https://www.facebook.com/events/368104993544557/


2016年度多摩美PBL科目「行為と記録」の発表をblanClassで開催することになりました。PBL「行為と記録」は、行為を伴う表現形態を実験、検証しながら、その場で消えてしまうような経験をその場にいないものにも伝えることができるかどうかを模索、さらに展示などの可能性を探っています。今回はその最終発表会。展示、パフォーマンス、参加型のイベントなどが3日間展開する予定です。


参加アーティスト:平田 守/大木冴月/宮川知宙/安田若菜/吉田有里/岡野由佳梨/小坂 透/長屋涼香/隈部カノン/鳥居 萌/小島有加里/吉田沙織


blanClassにて http://blanclass.com/japanese/
日程:2016年12月23日(金)-25日(日)
時間:13:00〜21:00
入場無料


※パフォーマンスなどの予定
23日(金)
15:00~20:00 小坂透
17:30~ 宮川知宙

24日(土)
15:00~20:00 小坂透

25日(日)
15:00~20:00 小坂透
17:00~ 平田守
20:00~ 出品者らによるトーク
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平田 守 Mamoru HIRATA

  • 人間は自分が人間だからという一つの権利をもって盲目的な必然性の支配から脱しようとするのです。人間は自由によってその手から、その他の多くの点からも別れようと―一例を挙げれば性愛の欲望が押し上げる野卑な性質を道義性により拭い消し、美によりそれを高貴なものにしようとします。− フリードリッヒ・フォン・シラー −
  • 私はキャンバスを舐めます。
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大木 冴月 Satsuki OKI

  • 3年と8ヶ月同じ部屋で生活をしている。部屋にはいつの間にか物が増え、そのどれもが物語を持っている。私のパフォーマンスにおいてまず受け手はくじを引く。すると私はくじと対応した物を提示する。普段語られることがない物語を持ったその物について私が語り、受け手と対話することによって親密なコミュニケーションが成り立つことを望む。 
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宮川 知宙 Tomohiro MIYAKAWA

  • 私は素直な気持ちでハンバーガーをつくり、それを美味しいものだからと言って人に食 べさせることができます。それはいつまでも続けることができるでしょうか。私はハンバーガーをつくり、人に食べさせることを見せたり見せなかったりすることで、個人や集団の態度や行為が、既存の枠組みや細分化されたある領域に回収され、消費されることについて言及することを試みています。

blanClassでは23日17時30分より、「記録されるアクション"ハンバーガー" つくる/食べさせる」を行います。美味しいハンバーガーが振る舞われます。

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安田 若菜 Wakana YASUDA

  • 女性が生きていく上で、ひとつの通過点である制服と、消費物として扱われる制服の女性に、いつのまにかできてしまった断絶点がある。消費物として扱われる「制服の女性」の由来は生きている女性であるにも関わらず、ふたつの制服の認識は大きくかけ離れているのではないだろうか。
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吉田 有里 Yuri YOSHIDA

  • 人に言いたくても吐き出せない思いや、伝えられない蟠りを紙に書いて壺に入れてもらう。壺を釜に入れて焼き終わった頃には、吐き出した思いは灰になる。
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岡野 由佳梨 Yukari OKANO

  • 人の身体は自分がどのようなアイデンティティを持つかということの基本です。自分の体を表現する主体ではなく、引きずられる物として扱う時、コントロールできない身体からは何が見えてくるでしょうか
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小坂 透 Toru KOSAKA

  • あなたと交流を持つことを、作家は望んでいます。しかし作家は、自分からあなたと交流を持つことができません。会場には1枚の指示書があります。パフォーマンスは、3日間で各5時間ずつ行われます。作家はあなたのことを、会場で待っています。よろしくお願いします。
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長屋 涼香 Suzuka NAGAYA

  • 20年間過ごした地元は、高齢化などの問題によってゴーストタウン化しつつある。いずれ消滅する存在である”町”の寿命を延ばすために、できることは限られている。私が選んだのは語り継ぐことだった。
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隈部 カノン Kanon KUMABE

鳥居 萌 Moe TORII

  • 人は何故花を買うのか? 大切な人へ贈るため、仏壇にお供えするため、生活に彩りを添えるため。人と花との関係性について調べるという目的で、花屋で花を買う人達に質問をさせてもらいました。
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小島 有加里 Yukari KOJIMA

  • ある物をある人が見た時、物はある人の風景の一部となる。ある物をある二人が見た時、物は各々の風景の一部となる。ある人がその人を見た時、その人はある人の風景で動いた。ある人はある人のうちでしか風景を見れず、ある人が見たその人もある人だった。主観と主観の重なりにある対象物のみが、お互いが繋がっていたことを意味する。また、その対象物の状態が主観によって認識される前の状態を保つ場合、お互いの理解を超えたすれ違わない理解について説明することになる。
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吉田 沙織 Saori YOSHIDA

  • 横浜のデートスポットの山下公園にはとても多くのベンチが港に向いて並べてあります。そのベンチは週末になればカップルや家族連れで埋まってしまいます。そこにベンチを向かい合わせに一つ置いて1日撮影した映像を展示します。
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多摩美術大学PBL科目について

  • 多摩美術大学では、プロジェクトをベースにした実践型・参加型の学習形態、PBL(Project Based Learning)科目を正規のカリキュラムとして2006年度から開講しました。従来の大学教育の在り方に新しい考え方を導入し、学生の持つ能力をさまざまな形で見出し、発展させるための指導を行う、全学科、全学年の学生が横断的に履修できる授業です。

http://www.tamabi.ac.jp/dept/pbl/index.htm