今週土曜日のLive Artは、昨年5月に河口遥コーディネートにより発表した、外島貴幸［背中を盗むおなか］の再構成完全版。
外島貴幸はテキスト、マンガ、コント、パフォーマンスなどを用いて「笑い」が持ち味、というより「笑い」が目的とも中心とも言える作品を多く手がけている。blanClassでも朗読や吉田正幸と結成したユニット「O,1、2人」でコント・パフォーマンスなどを発表してきた。
今回の［背中を盗むおなか］は、そこからもう一歩踏み込んで、作家自身とより近い距離で制作した作品。形式も変わっていて、ジェンダーチェイシングと付されている。
ジェンダーチェイシングってなんだろう？
あらかじめ社会的が用意しているどんな性差にも落としどころを見つけられない、個別な性の納得の場所を探すための追いかけっこ？ ［背中を盗むおなか］というタイトルと併せて考えるならば、自分の尻尾を追いかけ続ける犬の姿のような様といったところだろうか？
本人は、これまで安定的に測れていた作品と作家との距離を今回の作品では計りかねる、近すぎると悩んでいるようだが、それまでの彼が生み出してきたテキストの中にある「笑い」だって、危うい距離がきっと埋め込まれていたはずだし、だからこそ一見ドライな彼のつくる「笑い」の中にも「ペーソス」に似た共感めいたものが見ている私たちを「笑い」に引き込んでいったはず。
彼自身を客体化して、傍観して喋り出すのは、彼の部屋でたいして大事にもされていなかった「ものたち」。もう言葉遊びとは言わせない、繊細な世界観にどうぞお立会いください。
PVをつくりました。前回の［背中を盗むおなか］の様子を少しだけご覧ください↓
2016/1/23/外島貴幸/blanClass放送室
前回の放送室はこちら↓
2016/4/25/外島貴幸/blanClass放送室
こばやしはるお
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コント、パフォーマンス、ジェンダーチェイシング｜外島貴幸［背中を盗むおなか−リプライズ］
http://blanclass.com/japanese/schedule/20170128/
https://www.facebook.com/events/318513918549003/
2016年5月に初演した「背中を盗むおなか」（コーディネート・河口遥）の、再構成版。
自分と物を私から盗み返すためのいくつかの方法。
「背後霊がとり憑いている人に対して背中を向けたら、それは背後霊と呼べるのだろうか？」（自作「やさしいウィトゲンシュタイン」より）
日程：2017年1月28日（土）
開場：19:00 開演：19:30
入場料：1,600円（ワンドリンク付）
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外島 貴幸 Takayuki TOSHIMA
- 1980年東京都生まれ。2004年BゼミLearning System修了。笑いを軸に、マンガやテクスト、コントなどを用いた探求と実践。2015年に「無条件修復UNCONDITIONAL RESTORATION」展に参加（milkyeast）。出版作品として、「bid」（眞島竜男との共著、2013年）「ポリ画報」（雑誌、2014 年〜）などがある。
https://twitter.com/takayukitoshima
https://www.facebook.com/toshima.takayuki.5
