4月7日(土)柳生二千翔[光を束ねる]


今週土曜日のLive Artは柳生二千翔が2度目の登場です。なお「女の子には内緒」名義での演出作品だったが、今回は柳生二千翔名義での演出作品になる。今回は新作の短編を上演します。


『光を束ねる』というのは、火、炎、血など熱を持って赤くなるものをイメージして書き始めたのだそうだが、入れ子に、バラバラに描かれている短い断片のようなお話には、遠くから眺め火のイメージというより、リアルに炎に接して感じるような一瞬一瞬の表情のようなものを、それぞれ街の中にある人が持っている「熱」に当てはめて書いたのだという。


また、昨年7月に急な坂スタジオ「坂あがり相談室plus」に選出され制作された作品『日々のゆめゆめ』では、無人劇という形式で、取材を通して得た街の声を断片(録音して)として聞かせるという作品だったが、今回の作品は、俳優が演じる形。そして内容は、より本人の肌感覚に近いところで、言葉やその言葉が持っている音を大切に制作に当たったという。


以前、柳生作品の特徴として、作品のテーマや自身の代弁者など、はっきりしていることは男性の俳優が演じて、もやもやとわからないような抽象的な存在は「女の子」が演じると書いたことがあるのだけれど、今回は男の俳優は出てこないらしいので、全体的に未知なものが扱われているのかもしれない。


その未知なるものは、柳生自身の細胞のようなものへ注がれた好奇心なのか? それとも街に行き交うアノニマスな人々へ注がれた好奇心なのか?


はっきりした答えのようなものの提起はないのかもしれないけれど、作品全体で俳優と一緒に、考えていくさまを、できればお客さんも一緒にできればと願っています。



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【blanClass放送室】

放送室ではハングアウトで柳生さんと現在稽古中の作品[光を束ねる]について伺っていますので、こちらもご覧ください。(進行:安部祥子)



2018/4/3/柳生二千翔/blanClass放送室



こばやしはるお



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演劇|柳生二千翔[光を束ねる]
https://www.facebook.com/events/226985341201500/
http://blanclass.com/japanese/schedule/20180407/


火について扱う。言わずと知れた熱と光を放つ現象のことだ。


人体の95%は水で構成されているが、骨の水分はたった22%。
つまり人間の身体は、水だけでなく、火にも近いのかもしれない。


以下、この戯曲を書き始めた時の、最初のイメージスケッチ(文)である。
”春の頃。周囲にいる人の身体が燃えて、それらが放つ火の粉が互いに集まっていく。夏場のホタルのようだ。街は灯で満ちていく。身体は暖かみを感じるとともに、あまりの熱で意識を奪われる。飛んでいった意識は、降り出した雨に混ざり、土の中に潜り、深く深く地中に沈んでいく。やがて、混沌としたドロドロの何かに包まれる。始まりと終わりを迎える。”


出演:近藤千紘、鶴田理紗(白昼夢)
声:川隅奈保子(青年団


日程:2018年4月7日(土)
開場:18:00 開演:18:30
入場料:1,500円(ワンドリンク付)
会場:blanClass(横浜市南区南太田4-12-16)
https://goo.gl/maps/Q7Aat7nBarE2

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アクセス:京浜急行「井土ヶ谷」駅の改札出て正面の信号わたりすぐを左折、一つ目の交差点を右折、二つ目の角を左折、三井のリパーク後ろ、blanClass看板がある細い段々を上がって右の建物2階

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予約方法 以下の内容でイベント前日までにメールにてご予約ください。定員に達した場合などお断りすることもございますので、あらかじめご了承ください。
〈件名〉柳生二千翔[光を束ねる]
〈本文〉1)氏名 2)メールアドレス 3)チケット枚数
〈メールアドレス〉info@blanclass.com

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柳生 二千翔 Nichika YAGYU
1993年生まれ。愛媛県松山市出身。演劇ユニット『女の子には内緒』主宰。劇団『青年団』演出部に所属。何気ない日常の中に潜む物語を構成し、「この街にいるかもしれない」市井の人々を描きながら、分かりえない他者との気づきや繋がりを探している。2016年、「ささやきの彼方」が第4回せんだい短編戯曲賞の大賞を受賞。2017年、急な坂スタジオが主催する支援プログラム「坂あがり相談室plus」に選出。
http://niha-naisho.tumblr.com/