3月15日(金)アートでナイト#7[美術教育]|笠原恵実子

 日増しに春らしくなっていくこの頃ですが、皆様いかがお過ごしでしょうか。今週3月15(金)19:30-21:30にブランクラスで開催します”アートdeナイト#7”のご紹介です。


 10月いっぱいでブランクラスが休業に入ることを受けて、私が行ってきましたアートdeナイトも今回が最終回となります。長い間アメリカに住んでいた私が日本に住むことになり、気楽にアートを話せる機会が激減したことを憂いて開催させて頂いていたアートdeナイトですが、毎回参加して頂いた方々とご飯を食べながら色々な触れ合いや対話があり、アーティストとして大変興味深くインスピレーションを得ていました。こういった機会がなくなるのは残念ですが、ブランクラスの新しい船出を思い、スタッフの方々にしっかり休養をとっていただくことを願うのみです。


 さて、最終回のお題は「美術教育」です。私が日本の美術教育に関わることになって早5年が過ぎましたが、この間驚くほどの違和感や齟齬を感じ、私は現状に大きな疑問を持っています。もっと自由にアートを語ることがどうしてできないのだろう、そしてこんな簡単なことが何故ここでは実現できないのだろう、と。もちろん、日本のヒエラルキーに根ざした社会が、自由自体を受け付けない土壌であることは大きな原因であるでしょう。しかし、日本の美術教育に疑問を持ちながらも、しょうがないこととして受け入てきた人達は多く、また、教育に関わる前の私もそうですが、自由に作品制作や批評を行える立場にいる人達にとって、問題を意識してはいてもその根深さが理解できないレベルであり、結局多くの意識的人々の情報共有がうまくいっていないのです。


 今回のアートdeナイトでは、私は限られたアートクラブメンバーだけが持つアートの自由についてではなく、もっと日常的な、社会の自由に根ざしたアートとその関係を皆さんと考え、なんとか滞った情報共有の回復を試みたいと思っています。私同様日本の美術教育へ疑問を持ち問題提起をされている、“石膏デッサンの100年”著者の荒木慎也さんと、“彫刻1:空白の時代” 著者・編集・出版の小田原のどかさんお二方もお呼びし、短い時間にどこまで可能かはわかりませんが、皆さんとの対話を試みながらこの問題について一緒に考えていきたいです。


 是非周りの方々にもお声がけをいただき、最終回のアートdeナイトに奮ってご参加ください。当日は軽食を用意されておりますので、軽くパーティーに参加するような気持ちでいらっしゃってください。みなさんとお会いできるのを楽しみにしています。


かさはらえみこ(2019.03.12)


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特別セッションアートを共に語る会|

笠原恵実子 アートでナイト#7[美術教育]
http://blanclass.com/japanese/schedule/20190315/
https://www.facebook.com/events/2193864040875424/

 

今回が最後となりますアートでナイト、最終回のお題は「美術教育」として、“石膏デッサンの100年”著者の荒木慎也さん、“彫刻1:空白の時代”著者・編集・出版の小田原のどかさん、御二方の参加をお願いし、みなさんとご飯を食べながらディスカッションを試みたいと思います。日本の美術の現状につきまとう不自然な感覚は、作品制作をする作家のみならず、それを企画する人たち、鑑賞をする人たちにも共有されるところでしょう。文部省美術教育、美術予備校教育、美術大学教育が絡んで形成される、総体としての「美術教育」、そこに私たち個々が抱く齟齬を対象化できないか、と考えています。もちろん世界中どの地域であれ抱える状況と問題はあり、日本特殊論として批評が成立するべきではありませんが、この四年間ほど日本の美術教育に関わったものとして、学生、社会人、美術に関わる全ての人とこのお題を共有したいです。ぜひ奮ってご参加ください。

 

日程:2019年3月15日(金)19:30ー21:30
入場料:1,500円/学生:800円(ドリンク別)
会場:blanClass(横浜市南区南太田4-12-16)
https://goo.gl/maps/Q7Aat7nBarE2
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アクセス:京浜急行「井土ヶ谷」駅の改札出て正面の信号わたりすぐを左折、一つ目の交差点を右折、二つ目の角を左折、三井のリパーク後ろ、blanClass看板がある細い段々を上がって右の建物2階
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笠原 恵実子 Emiko Kasahara
アーティスト。初期は身体を通じて女性と社会との関係性を考察する彫刻作品を制作。近年は性別や宗教、国籍や言語など社会を規定する制度とその状況についてフィールドリサーチを実施し、その記録を元に制度の曖昧性を示唆する作品を多岐に渡る手法で制作している。主な展示に、PARASOPHIA:京都国際現代芸術祭2015、ヨコハマトリエンナーレ2014、『キュレトリアル・スタディズ04笠原恵実子−inside/outside新収蔵作品を中心に』(京都国立近代美術館、2010)、シドニービエンナーレ(2004)、光州ビエンナーレ(2001)など。