3月29日(金)杉田 敦 ナノスクール[寛容になるための方法 #10(最終回)]

2012年10月よりほぼ毎月開催してきたナノスクールも今回で最後ついに一応の終幕を迎えます!

 

私はスタッフとして多分2014年あたりから参加してきました。[そこにそれはない、あるのかもしれないけれど](2014年~)、[裸になること、左になること](2015年~)、[ブッダに会ったらブッダを殺せ](2016年~)、[How to be tolerant:寛容になるための方法](2018年~現在)というタイトルのテーマのナノスクールに参加し、消費や、政治思想、宗教思想、そして寛容について皆さんと考えてきました。そのどれもが、尻切れで、結論を出せないまま終わっていくものばかりでした。ただ、その姿勢がナノスクールのとても重要なポイントなのかなと、今になってみて感じています。結論ありきの、仮説を立てた実践ではなく、様々な事例から、それを真似したり、組み替えたりしながら、遊んでみること。それがナノスクールの実践なのだと思う。

 

先週のナノスクールで通常会は終了し、今回はblanClassで開催される最後ということで、これまでの振り返りや、今後のナノスクールについての発表、そして今回のテーマ「寛容になるための方法」の一応の成果である「寛容Tシャツ」の予約会などが行われる予定です。ほかにも何か起こるかも?

 

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カジュアルなパーティーに参加される気持ちで、ナノスクールの終わりの始まりを皆さんでお祝いいただけたら幸いです!

 

ぜひ、お誘いあわせの上、お越しください!

 

 

みやざわひびき

 

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月イチセッション
杉田 敦 ナノスクール《nano school #60》[How to be tolerant:寛容になるための方法 #10(最終回)]

http://blanclass.com/japanese/schedule/20190329/
https://www.facebook.com/events/308705696477125/

 


あなたの横を、いかにも先を急いでいる男が通り抜けてゆく。肩にかけているバッグがあなたにあたる。あなたはすこしよろめいてしまう。男は気づいている。男は振り向かない。遠ざかりながら、男の舌打ちが聞こえてくる。あなたは怒りがこみ上げてくる。あなたに為すすべはない。


あなたはどうして怒ってしまったのだろう。男には先を急ぐ理由があり、あなたは少し男の行手を塞いでいたのだ。いや、男にはこれといった理由もなく、あなたは十分、身を寄せていたのだとしてもだ。あなたは怒る必要はない。あなたはあなたの貴重な人生の時間を、そんなことのために費やすべきではない。あなたはちょっとだけ肩をすくめて、なんなら、振り向いて、後ろの人と笑い合ったっていいはずだ。


数学や英語、歴史学社会学、そうしたものを学ぶのと同じように、わたしたちは寛容さを学ばなければならない。ナノ・スクールの第5期は、"How to be tolerant:寛容になるための方法"と名付けて、寛容について考えます。一年を通して、Fischli & Weissの"How to work better"のような標語を作成できたら素晴らしい。

 

※ナノスクールは完全予約制となります。 参加資格は、アート、あるいはそれに関連する分野の専門家、あるいは専門家を目指す人とさせていただきます。


日程:2019年3月29日(金)18:30〜
参加費:1,500円/学生 ¥1,000円(要予約)
会場:blanClass(横浜市南区南太田4-12-16)
https://goo.gl/maps/Q7Aat7nBarE2
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アクセス:京浜急行「井土ヶ谷」駅の改札出て正面の信号わたりすぐを左折、一つ目の交差点を右折、二つ目の角を左折、三井のリパーク後ろ、blanClass看板がある細い段々を上がって右の建物2階
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〈予約方法〉
ご予約は前日までにご連絡をお願いします。なお定員に達した場合などお断りすることもございますので、あらかじめご了承ください。

〈タイトル〉ナノスクール予約〈本文〉1)日にち 2)氏名 3)住所 4)メールアドレス 5)参加人数
上記の内容でイベント前日までに以下のメールアドレスに送信ください。こちらからの返信を持って予約完了とさせていただきます。
info@blanclass.com

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杉田 敦 Atsushi SUGITA
美術批評。オルタナティヴ・スペース art & river bankディレクタ。女子美術大学教授。最近の著書に、『静穏の書』、『ナノ・ソート』(共に彩流社)、『アートで生きる』(美術出版社)、『リヒター、グールド、ベルンハルト』(みすず書房)、『inter-views』(美学出版)がある。作品に"critics coast"(越後妻有アートトリエンナーレ, 2009)など、キュレーションにポルトガルの現代美術展『極小航海時代』(JAM)などがある。また、批評タブロイド紙 "+journal" の編集、アーティストの増本泰斗と、ディスカッション・プロジェクト"Picnic"も行っている。