今週土曜日のLive Artは、川原卓也が、ソロでは初登場。
川原卓也さんは2013年6月のステューデントナイト vol.4に杉山雄規と共作という形で出演、同じ年の12月に森美術館で行われていたクロッシングに出張をした際にも出演している。
どちらの場合も少し違うが、そこにある状況を前提に、参加している人みんなを巻き込んで成立する形で、パフォーマンスが展開された。
その後、来週のLive Artのゲストでもある関真奈美さんと共作という形で、《ピンク・ジェリー・ビーンズ》や《PJB》というパフォーマンス作品を手がけている。
昨日収録した放送室でもお聞きしたのだが、《ピンク・ジェリー・ビーンズ》では、川原くんが「演技」を、関さんが「物の痕跡」を問題として設定して、それぞれの問題が作品上で関係しあって成立する作品を目指し、その結果を踏まえて《PJB》では、相反する問題を掛け合わせた「物による演技」を試みたという。
《PJB》という作品は見に行けなかったので、物が演技をする様を目撃できたわけではないのだが、アイボにそうしてしまうように、物に対して観客が感情移入してしまうことを目論んだわけでもないようで、できそうでできないことを本気で課した作品だったようだ。
今回のパフォーマンスでは、そこからさらに展開して「メディウム・スペシフィシティ」についての考察を試みる。
「メディウム・スペシフィシティ」というのは、素材や物がそこにある状態で、十分に発揮される存在の強さみたいなこと。イリュージョンに惑わされず、紙は紙、インクはインク、鉄は鉄といったように、表現上の景色や物語を支えるものとしてないことととして認識されるのではなく、それぞれの素材の履歴がむき出しで認識されて成立しているようなことを意味している。
物語に縛られていた表現を抽象に導く一つの考え方なのだが、その「メディウム・スペシフィシティ」が、これまで川原さんがしてきた試みの一つの手がかりになり得るのかが見どころだろうか?
当日行われることのなにかヒントをくださいと尋ねたところ、「ヒントはなしで」ということだったので、なにが起こるのかは、ぜひ見に来てご確認ください。
こばやしはるお
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【blanClass放送室】
1月19日(土)のゲスト川原卓也さんと、これまで作品で問題にしてきたのは「演技」と「ものの痕跡」、それが転じて「ものによる演技」、そして今回考察する「メディウム・スペシフィシティ」についてお聞きしました。
2019/1/14/川原卓也/blanClass放送室
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パフォーマンス|川原卓也[私の頭の中のメディウム・スペシフィシティ]
http://blanclass.com/japanese/schedule/20190119/
https://www.facebook.com/events/384124879022735/
メディウム・スペシフィシティについて、いろいろと考えたりあれこれしたりします。
日程:2019年1月19日(土)
開場:19:00 開演:19:30
入場料:1,600円(ワンドリンク付)
会場:blanClass(横浜市南区南太田4-12-16)
https://goo.gl/maps/Q7Aat7nBarE2
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アクセス:京浜急行「井土ヶ谷」駅の改札出て正面の信号わたりすぐを左折、一つ目の交差点を右折、二つ目の角を左折、三井のリパーク後ろ、blanClass看板がある細い段々を上がって右の建物2階
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川原 卓也 Takuya KAWAHARA
- 1984年埼玉県生まれ。主な公演、グループ展に「ピンク・ジェリー・ビーンズ」(2016年、TABULAE)、「PJB」(2017年、BankART Studio NYK)、「共同体のジレンマ Community and Self」(2018年、旧門谷小学校)。また、作品制作と並行して、墨田区向島のスペースTABULAEの運営も行う。
http://takuyakawahara.tumblr.com/
- TABULAE↓