公開撮影

  今週のLive Artは小林耕平が初登場!! 昨年行われたCAMP主催のイベント「現在のアート<2011>」(12/23@アサヒ・アートスクエア)にblanClassとして喚ばれた際、小林耕平さんも同じようにゲストで呼ばれていて、映像作品を2つ上映した。その作品というのが、上の小林耕平さんのコラムでも説明があるように、立体の作品をある男性に解説(作品の見方を説明する)をする様子が撮影されたものだった。それを観ていた観衆は、だんだんと笑いが込み上げてきて、そのうち大きく笑い出してしまった。作家によると、必ずしも笑いを狙ったものではない作品ということなのだが、笑ってしまった方としては、どうしようもなく込み上げてきた笑いなので、しょうがない。でも笑ってしまった理由のなかには、現在のアートが少なからず抱えている、作家や作品と周辺のズレのようなものが、あぶり出されていて、なおかつ普遍的なコミュニケーションの有り様を見させられているようで、笑いながらもシリアスな覗き見観を味わっているのだろう。
  それはアイロニーと言ってもよいし、作品が単体で完結していないことを、端的に暴きだしてもいるのだ。映像を前提に立体の作品は仕掛けられてもいるし、その立体の仕掛けを前提に映像は成り立っている。さらに作者と観客の関係に嘘と本当がちょうど良くバランスしている。そういう複雑さのなかに「おかしみ」が生まれたのだろう。
  直感的にblanClassでやってほしいと思った。「公開撮影」というかたちで、今回実現するのだが、立体の作品と映像のあいだに、ライブ(撮影の裏側)が加わり、さらに今回は作者がもう一人(尾竹隆一郎)加わるという。そのうえ「公開撮影」は、たんなる「公開撮影」ではなく、そのどの要素もそれぞれに成立する、小林耕平の新たな展開でもある。
  昨日「放送室」でもプレトークをしたので、そちらもご覧ください↓


こばやしはるお