11月以降のblanClass|小林晴夫

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先週末のイベントをもちまして、blanClassのLive Artは長期休業に入ります。
 
10周年記念には、今後のweb運営の方針など具体的なことをお知らせする予定だったのですが、今年の1月に休業を発表してから、10月いっぱいでの休業に向けて準備していくことが、思ったよりも忙しく、ザワザワと過ごしてきたせいで、発表できずじまいになっております。
 
そもそも10年前に、この週末のイベントを思いついたのは、8月の暑い夕方。横浜駅をブラブラしている時、とんでもなく良い思いつきが頭の中に閃いて、すぐにその場で当時のメンバーに電話をしたのですが、その内容というのは「土曜の夜にパフォーマンスを見ながらお酒を飲める場というのはどうだろう?」という、後で振り返ってみると、ビックリするぐらい、なんということのない思いつきでした。
 
でもその時は、本当に疑う余地のないぐらい、とても良いアイデアだと確信をしたのです。というのはそのころの私は今以上にお金がなく、ギリギリの生活費を除けば、財布の中には10円玉と5円玉が数枚な日々…。0円からでもできる「しょぼい起業」というわけでもあったのです。利益を上げることを前提になにかを考えると、アイデアが途中で行き詰まってしまうのに、もうけのすべてを諦めると、どんなことでもできるような、なぜか軽くなるような気持ちになったのを忘れません。
 
なんにもなくて、なににも向いていない場所を手掛かりに、私も歴代のスタッフも「できるだけ持ち出しをしないように」ということだけを心がけ、支払いの順番をひとつでも間違えると、その後がいちいち厳しくなるので、常に頭の中ではパズルゲームを強いられるような、小銭との格闘の日々だったのですが、そのことも含めて、とても面白い日々でした。
 
私はblanClassをアーティストとして、しかし決して作品としてではなく、私以外の人たちが利用できる場として運営してきました。blanClassがblanClassとして、ちゃんと機能するためには、逆説のようですが、アーティストの私は「なにもしない」、それはとても空虚な行いの積み重ねのようで、中身のない箱づくりのようなことでもありました。
 
だからblanClassは初めからずっと「からっぽ」なところだったと思います。
 
中身はここに訪れる人たちひとりひとりが、持ってくるものでした。
 
blanClassにはいろいろな形で関わった人たちがいます。その誰に聞いても、blanClassの印象や、その役割に対する認識は異なっていたように思いますし、事実、時々に、まったく違う役割を担ってきたのだと思います。
 
それを可能にしたのは「自由」でした。どんな制約も許さない「自由」は、現実には、なかなか得られない権利のことかもしれません。またみんなにとって等しい「自由」は、あり得ないものなのかもしれません。だからblanClassにあった「自由」は仮設の「自由」かもしれませんが、それでも実感を伴うかけがえのない「自由」でした。
 
10年が経ち、利益を生まないからこそ可能だった「自由」の仕掛けも、これ以上継続させていくためには、いろいろ足りないものだらけ、これがひとつの限界だった気がしています。
 
「休業」は、残念な決断でもありますが、昨年の今ごろだったか、10周年を迎えるにあたり、なにをしようかという他愛ない会話の中で、うっかり口にした「休業したい」というつぶやきが頭から離れなくなり、次第に大きくなって今日に至ったのですが、その思いつきは「ワンナイトイベント」を閃いたように、とても良いアイデアだと思ったのも事実です。
 
この展開が正しい選択だと信じて、11月以降のblanClassを生きていきます。
 
細々とではありましたが、続けられたのは、すべての出演者たちそれぞれの想像力と時々に参加してくれたみんなのご支援のおかげでした。
 
10年の間本当にありがとうございました。
 
 
こばやしはるお

また終わるために。|安部祥子

最後のステューデントアートマラソンから週が明けましたが、これからお休みに入ります。

 

10月は、どのイベントもファイナル感があり、あっという間に過ぎて行きました。

久しぶりの顔が見れたり、本当にたくさんの方に来ていただき、とても楽しい1ヶ月でした。

終わったらどうするの? といろんな人から聞かれましたが、「休む」ということ以外なにも考えていなくて、終わった今でもあまりが実感もなく、しばらくはちょっと早めの冬休みのような感じなんじゃないかと思っています。

 

Live Art(2011年12月までは+nightと言っていました。)は2009年から、ざっと数えて述べ約1160組のアーティストに参加してもらいました。

ごくごく身近なパフォーマンスアーティストに声かけて始まったワンナイトイベントが、少しずつ人から人が繋がり、ここでやらせてくださいと言ってくる人が出てくるまでになってきたことは、なかなか興味深いことでした。

自分たちのやってきたことなので、思い入れはいっぱいありますが、それでも、別に大したことではないのですよ、と言いたい気もしています。

ただ関わってくれたアーティストやスタッフが、うんうん悩みながら真剣に自由な場に向き合ってくれたのだと思います。

 

良知暁さんが、クロージングパーティーの際に言っていた、「blanClassには、よくわからないものを見に行く」というのは、ある意味うまく言い表してると思います。

なにか作品になる前の実験のようなものをしてもらいたい、そういう場としてつかってもらうことが、なんの設備もないblanClassのできることだったし、むしろそこが一番面白い部分でした。

初めのころはお客さんに、ストレートになんだかわからないとか、ちゃんとした作品を見たかったとか言われたこともありました。その時は憤ったり落ち込んだりしましたが、それもなんだか今では懐かしいというか、今やそういう場所であるというのが了解された場になってしまったところもあります。私自身もあまりいろんなことに驚かなくなっていて、ちょっと麻痺しているかもしれません。

 

個人的なことを言えば、週の前半を別の仕事をして週末はイベントの準備と本番、2ヶ月に1回チラシのための絵を描く。という生活を10年続けてきたわけですが、なんというか、ほぼ休みらしい休みもなく、パートナーと仕事しているとあるあるかもしれませんが、いつ何時でも仕事の話になるという、アフターブランクラスの攻防もあり、ここから離れて帰る家があるスタッフたちが羨ましいこともありました。

2011年に参加した新港村で、「子猫もらってください」の張り紙を見て子猫をもらうことになったり、宣伝ありきでSNSを始めたり、毎週ご飯を出しているので、少しは安心して食べてもらえるかな? と思い立ち調理師免許を取ってみたり、(長いこと調理のバイトをしていたので受験資格があったのです)実家の母から放送室のダメ出しが来たり、演劇関係のイベントが増えてきたころ、劇場で働くようになったり、もちろんやめたいと思ったことも、時々に葛藤もありましたが、いいんだか悪いんだか、なにもかもが混ざった生活でした。

 

なんだか、こうやって振り返りながら書いていると、人生がこれで終わりかのような気になってきますが、明日もちゃんと仕事があります。

週末、人の出入りが少なくなり、ちょっと寂しい思いもするかもしれないけれど、始める前にそうだったように、また空っぽのスペースに野良猫が遊びにきてくれるかもしれませんし、また、別のなにかを始めようと思います。

その前にちょっとお休みを。(どうやって休むかをまずは考えないと!)

 

10年間ありがとうございました。

 

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あべしょうこ

10月26日(土)ステューデントアートマラソン vol.15

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今週土曜日のLive Artはステューデントアートマラソン vol.15! そしてこのイベントがblanClass休業前の最後のイベントになります。
 
なぜラストイベントを「ステューデントアートマラソン」にしたかというと、それはある意味において最もblanClassらしいイベントだと思ったからです。
 
ステューデントアートマラソンは、blanClassの活動を始めて間も無い時期、2010年1月に「ステューデントナイト」としてスタートしました。そろそろ、大学などにゲストとして呼ばれて、学生たちと話をする機会ができ、アーティストとして活動をしてみたいけれど、そもそも世の中のどこに向けて表現を発信して良いのか、自分が所属する専攻や学んできた技術や形式や歴史なんかとやっていることもどんどんずれてきているような気もするし…、そんなステューデントたちの存在に気がついて、今自分がいる場所から離れて、一息つけるような、そして専攻や形式を飛び越えて交流ができるような場を目指して始めた企画です。
 
活動を開始した頃のblanClassは、大学で美術やアートを知り、触れていくうちに自分の表現を獲得したり、考え方の基礎を身につけたりはするものの、社会に放り出されてから、モヤモヤと行き先に迷い始めているような30才前後のアーティストたちにハマったように思うので、あらためて考えてみると、「ステューデントアートマラソン」のコンセプトは、スピンオフ的な企画のようで、blanClass全体の運営理念をシンプルに言い当てていたように思うのです。
 
10年の間、年に1〜2回行ってきた「ステューデントアートマラソン」、今回が15回目ですが、たくさんの最若手のアーティストたちが通り過ぎて行きました。毎回、今回はどうなるのか? 全く予想がつかないということもあって、不安に思いつつ、蓋を開けてみると、ちょっとびっくりするくらいに面白い経験ができました。
 
先日の「モバイルキッチンでできること#3」で、企画の1人良知暁さんが、毎年の10月17日を「blanClassの日」に制定しよう、そしてその日なにをする日にするのか? という部分を「」(ブランク)にして制定文書を作成、「」内はそれぞれに埋めてくださいとと呼びかけたのですが、良知さん自身は「なんだかわからない表現を見に行く日にしたい」と言っていました。そう思うに至った理由に、一昨年の「ステューデントアートマラソン」に勇気を振り絞って参加したのに、その日の最初の作品で、参加者みんなで歌をうたわされた思い出をあげていましたが、たしかに未分化な試みが未整理のまま提示されるゆえに、慌てもしますが、総じて豊かな時間になってきた気がします。
 
クロージングパーティーをした後に、もうひとつイベントあるというのは、なにか拍子抜けな感じもしますが、最後は、もうちょっと先のことがよぎるようなイベントで締めくくりたいと思います。
 
久しぶりの方もお初の方もぜひ遊びに来てください。

 

こばやしはるお

 

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【blanClass放送室】
10月26日(土)ステューデントアートマラソン vol.15の放送室は3回に分けて収録しました。
 
▲第1弾は、高山勇吹さん、白尾 芽+中西真穂のユニットの2組、進行は小林晴夫。
2019/9/25/Students Part 1/blanClass放送室 
 
▼第2弾は、オヤマアツキさん、白澤はるかさん、八木温生さんの3組、進行は長屋鈴香と村田紗樹。
2019/9/26/Students Part 2/blanClass放送室
 
▶︎第3弾は、齋藤健一さん、沢辺啓太郎さん、藤田 凛/さんの3組、進行は安部祥子と長屋鈴香。
2019/10/2/Students Part 3/blanClass放送室
 
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アートマラソンステューデントアートマラソン vol.15
blanClass休業前の最後のイベントは、blanClass定番企画、ステューデントアートマラソン。学科や専攻を違えた現役学生が、一時だけ学校を離れ、それぞれの表現をやってみる異種格闘技戦。世の中にはたくさん存在するはずのどのジャンルからもズレているような作品行為が見られる稀有な機会です。
 
髙山勇吹文字が上手くなりたいから習字する。(課題:空白)
齋藤健一[借りた手袋による接触
沢辺啓太朗[都市と循環]
藤⽥ 凜[言葉で人になる]
オヤマアツキ[TE ASE HOUSE]
白澤はるか[生活のうた(レコーディング)]
八木温生[虫葬儀 なもなきものに「名」をあたえよ]
白尾 芽+中西真穂[かぞえうた]
(エントリー順)
 
日程:2019年10月26日(土)15:00ー20:00(予定)
入場料:700円(ドリンク別)
 
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髙山 勇吹 Ibuki TAKAYAMA多摩美術大学美術学部彫刻学科4年)
1998年生まれ。2016年多摩美術大学入学。主なグループ展に、「新・多摩美術大学彫刻学科ギャラリー」(2018)、「東京インディペンデント2019」(2019)などがある。
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齋藤 健一 Kenichi SAITO東京造形大学絵画専攻3年)
1998年島根県生まれ。2019年東京造形大学造形学部絵画専攻3年在籍。主な発表に、「ステューデントアートマラソン vol.14」(パフォーマンス・blanClass・神奈川・2018)、「SLIDE」(グループ展・ZOKEIギャラリー・東京・2019)、「今日の延長」(2人展・S.Y.P art space・東京)などがある。
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沢辺 啓太朗 Keitaro SAWABE東京造形大学造形学部2年)
1998年生まれ。学生の作品を広めるためのプラットフォームPAPILLONSを毎月発行しています。「見える手」(ワークショップ・blanClass・神奈川・2018)、「SLIDE」(グループ展・ZOKEIギャラリー・東京・2019) 、「Lunch Time Disco」(パーティー・CSLAB・東京・2019-)など。
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藤⽥ 凜 Rin FUJITA多摩美術⼤学絵画学科油画専攻2年)
1998年生まれ。逆子。⾼校時代、演劇部に所属。現場で本当に起こっている出来事と演じられる(作られた)出来事の違いについて興味を持ちパフォーマンスやインスタレーション作品制作を⾏う。 
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オヤマ アツキ Atsuki OYAMA多摩美術大学美術学部彫刻学科4年)
2017年多摩美術大学成績優秀者奨学金取得。「かがわ文化芸術祭2017 主催行事アートコンポ香川2017」入選。2018年「多摩美術大学国際交流プログラム タイ,シラパコーン大学ワークショップ2018」参加。主なグループ展に 「コノタビ」(2017)、「倉庫展」(2017)、「私たちの平成展」(2017)「彫刻学科3年有志展」(2018)、「新TAU彫刻学科ギャラリー」(2018)、東京インディペンデント2019(2019)などがある。
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白澤 はるか Haruka SHIRASAWA(武蔵野美術大学油絵学科油絵専攻4年)
1996年長野県生まれ。現在武蔵野美術大学油絵学科4年在籍。主にインスタレーション、映像を制作。
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八木 温生 Haruo YAGI(武蔵野美術大学彫刻学科3年)
グループ展に、アートサイト(2017)、学内展示(2018)コネクト(2019)などがある。
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白尾 芽+中西 真穂 May SHIRAO + Maho NAKANISHI東京藝術大学美術学部先端芸術表現科4年/3年)
白尾芽、中西真穂、小山華林の3人で「大きすぎる馬」としても活動中。ドローイングや写真、テキストによる本を制作。
 
白尾 芽 May SHIRAO:1998年神奈川県生まれ。振付への関心を軸に、身体とそれを動かすルールについて思考し制作する。ライターとしても活動。主な展覧会に「vacances」(東京藝術大学学生会館、東京、2018)、「ここからずっと遠く」(東京藝術大学 藝祭、2018)。
 
中西 真穂 Maho NAKANISHI:1998年北海道生まれ。写真を主なメディアとして、撮影行為における身体性、イメージの運動について制作をしている。主な展覧会/出演に「太陽光と…」(グループ展、テラス計画、札幌、2017)、劇団園「シンキロウ」(演劇、王子小劇場スタジオ、東京、2017)、「margin basket」(グループ展、東京藝術大学学生会館、東京、2019)。

晴夫さん|井出賢嗣

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小林晴夫さま
 
 
ご無沙汰しております。
 
いつも告知のメールをいただいて、そちらに行けないながら想像をしていました。
 
そして今回、長期休暇に入られるとのことで、また20日に用事があって行けないこともあって、不躾ながらご挨拶のメールさせていただきます。
 
2009年の台湾のレジデンス選考以来、いろいろな機会をいただいて感謝しかありません。
 
2012年の新年会に呼んでいただいたことで眞島さんと直接お話しできるようになり、
またある日の訪問で晴夫さんに近藤愛助くんを紹介していただいて、その後長きに仲良くすることができました。
 
またそれ以外でも、パフォーマンスとは縁遠かった僕の制作や作家像に違う角度を与えていただいて、本当に深く深く感謝しています。
 
あのブランクラスのライブラリーに初めて入ったときの感触は、自分が触れてこなかった美術の積層に触れることができた瞬間でした。美術の大学を卒業していながらアートの研鑽にほど遠く、1人もんもんと制作をしていた僕にとって、ブランクラスの空気は美しく写っていました。
 
僕にとっては、アートのことを話すことができる数少ない場所でとても大事な場所です。
 
個人としては3回、高橋くんとの共同では2回、ブランクラスの長い歴史の中で小さいながら関われたこと嬉しく思います。
 
いつかまたどこかで、ブランクラスに触れることができることを楽しみにしています。
 
お疲れさまでした。そしてありがとうございました。
 
 
いでけんじ
 
 
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★blanClass10周年記念+クロージングパーティー
モバイルキッチンでできること#3[○月○日の料理]
2014年にblanClassの新たな機能として登場した〈モバイルキッチン〉をつかったパーティー第3弾。
 
10周年を迎えると同時にすでに「休業」を宣言しているblanClassから、あえて〈モバイルキッチン〉登場の元にあった改造/拡張というアイディアを引き継いで、「blanClassの日」という新たな機能を拡散できないだろうか。ときに日付は一度だけ起こった特定の出来事と結びつき、その周期の運動において「何か」を到来させる。しかし一方で(あるいはだからこそ)、国民の祝日から極めて個人的な記念日まで、日付のその特性はしばしば恣意的にさまざまな形で利用されている。
 
毎週土曜日に開かれる一夜完結のイベントが始まった「10月17日」を改めて「blanClassの日」に制定したとき、あなたはそれをどんな日として思い出すだろう。
 
というわけで、「ご飯をつくることで社会らしきものをつくること」(2014)、「だれかのためのデモンストレーション」(2015)に続く今回のテーマは「○月○日の料理」。それぞれのゲストがつくる特定の日付のための料理を食べながら、みんなで10周年を祝いましょう!
 
ゲスト:荒木 悠/梶原あずみ/金 善瓔/BARBARA DARLINg/野田京子/古市久美子/ヤング荘(津山 勇+北風総貴+安野洋佑)ほか
遠隔参加:奥村雄樹+見増勇介/佐々 瞬/増本泰斗/百瀬 文 ほか
企画:永田絢子/良知 暁/blanClass
 
日程:2019年10月20日(日)
開場:13:00(なんとなく開けてますのでお気軽に…)
パーティー:17:00(ゆるゆると始める予定)
参加費:2,000円
 

10月20日(日)モバイルキッチンでできること#3[○月○日の料理]

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今週日曜日のLive Artは、10周年記念+クロージングパーティーです。
 
blanClassの週末のイベントは2009年10月17日(土)に始めた(当時のイベント名は+night)ので、今週で10年が経つ。また、すでにコラムやSNSなどで、公表している通り、今月末のステューデントアートマラソンを最後に、blanClassは長期休業をします。
 
そこで、今週末はその2つをお祝いしてパーティーをします。企画は永田絢子さんと良知暁さんにお願いしました。
 
ビデオチャットなどを重ねて、決まったのが「モバイルキッチンでできること#3」。ゲストアーティストをたくさん呼んで、お料理をつくってもらいます。
 
「モバイルキッチンでできること」は、2014年の10月に、5周年記念イベントの企画をお願いした増本泰斗さんと「blanClassに足りないものを拡張する」というテーマで話し合いを進める中で、たどり着いた答えでした。
 
5周年記念パーティーに間にあわせるために前日に増本くんと、スタッフの宮澤くんと私とで、なんとかつくった「モバイルキッチン」なるものは、ちょっと大きめのワゴン? といったところでしたが…。
 
その後もう1回、2015年の新年イベントで「モバイルキッチンでできること」を永田さんの企画で行いましたが、それ以外のイベントでも、「モバイルキッチン」のようなものは、みんなに「モバイルキッチン」と認められ、親しまれて、大活躍しました。
 
「モバイルキッチンでできること」にはこれまでの2回ともにテーマがあって、1回目が「ご飯をつくることで社会らしきものをつくること」、2回目は「だれかのためのデモンストレーション」だったのですが、今回のサブテーマは、「◯月◯日の料理」。それぞれのゲストが1年の中から、ある日付(1日だけではないかも)を選んで、その日付にちなんだお料理をふるまってくれます。
 
お呼びしたゲストアーティストは、荒木悠さん、梶原あずみさん、金善瓔さん、バーバラ・ダーリンさん、野田京子さん、古市久美子さん、ヤング荘(津山勇+北風総貴+安野洋佑)の7組。お品書きと日付は当日のお楽しみ…。
 
また当日来られないけれど遠隔から参加してくれるのが、奥村雄樹さんと見増勇介さん、佐々瞬さん、増本泰斗さん、百瀬文さんたちです。中継で参加なのか? レシピだけを送り込んでくるのか? それぞれが違った方法で参加してくれる予定です。
 
本当はもっとたくさんの人たちにお願いしたかったところですが、そうもいかないので、できるだけいろいろな関わり方をしたアーティストにお声がけをしました。
 
そしてもう1つ裏テーマが用意されています。というのは前述のblanClassがイベントを始めた日を「blanClassの日」に制定することになりました。詳しくは良知さんが文章を書いてくれましたので、そちらをお読みください↓
 
当日には制定の文書? も会場に用意する予定です。ご期待ください。
 
当日私やスタッフはお昼過ぎぐらいから、ゴロゴロしています。パーティには参加できないけどといった人たちもぜひお気軽に遊びに来てください。パーティーは、blanClassに関わった、できるだけ多くの人たちに参加して欲しいです。みんなで楽しく過ごしましょう。
 
 
こばやしはるお
 
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【blanClass放送室】
10月20日(日)に行われるblanClassの10周年と休業の両方をお祝いするパーティー「モバイルキッチンでできること #3」の企画をお願いした永田絢子さんと良知 暁さんをビデオチャットでつないで、「○月○日の料理」や「blanClassの日」などについてお話ししました。
 
2019/10/6/永田絢子/良知 暁/blanClass放送室


2019/10/6/Ayako NAGATA/Akira RACHI/blanClass Broadcasting

 

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★blanClass10周年記念+クロージングパーティー
モバイルキッチンでできること#3[○月○日の料理]
 
2014年にblanClassの新たな機能として登場した〈モバイルキッチン〉をつかったパーティー第3弾。
 
10周年を迎えると同時にすでに「休業」を宣言しているblanClassから、あえて〈モバイルキッチン〉登場の元にあった改造/拡張というアイディアを引き継いで、「blanClassの日」という新たな機能を拡散できないだろうか。ときに日付は一度だけ起こった特定の出来事と結びつき、その周期の運動において「何か」を到来させる。しかし一方で(あるいはだからこそ)、国民の祝日から極めて個人的な記念日まで、日付のその特性はしばしば恣意的にさまざまな形で利用されている。
 
毎週土曜日に開かれる一夜完結のイベントが始まった「10月17日」を改めて「blanClassの日」に制定したとき、あなたはそれをどんな日として思い出すだろう。
 
というわけで、「ご飯をつくることで社会らしきものをつくること」(2014)、「だれかのためのデモンストレーション」(2015)に続く今回のテーマは「○月○日の料理」。それぞれのゲストがつくる特定の日付のための料理を食べながら、みんなで10周年を祝いましょう!
 
ゲスト:荒木 悠/梶原あずみ/金 善瓔/BARBARA DARLINg/野田京子/古市久美子/ヤング荘(津山 勇+北風総貴+安野洋佑)ほか
遠隔参加:奥村雄樹+見増勇介/佐々 瞬/増本泰斗/百瀬 文 ほか
企画:永田絢子/良知 暁/blanClass
 
日程:2019年10月20日(日)
開場:13:00(なんとなく開けてますのでお気軽に…)
パーティー:17:00(ゆるゆると始める予定)
参加費:2,000円

 

blanClassの日|良知 暁

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以前、リーフレットの英訳を頼まれてblanClassの小史を眺めたとき、その成り立ちを含め、思いのほか知らない出来事が多かったことを覚えている。それは自分が出演者なり観客なり、それぞれのかたちでblanClassに関わった人々の多くを知らないということでもある。おそらく、このblanClass10周年記念+クロージングパーティーに足を運ぶ多くの人にとっても、blanClassはそういうところではないだろうか。事実、「モバイルキッチンでできること#3」について、ともに企画した永田さんやblanClassの小林さん、安部さんと決めたゲストの半分近くの方には、これまで一度も会ったことがない。
 
blanClassのファイナルイベントのひとつ、10周年記念+クロージングパーティー「モバイルキッチンでできること#3[○月○日の料理]」では、複数のゲストが〈モバイルキッチン〉をつかって、それぞれ特定の日付のための料理をつくる。ーー打ち合わせのときに(あるいは放送室で)安倍さんが言ったように、それをキッチンと呼ぶのはおかしな話で、〈モバイルキッチン〉と言うのは、5年ほど前にblanClassに新たに加えられた機能であり、条件のことなのだろう。〈モバイルキッチン〉登場以前から、料理はblanClassのひとつの特徴だった。過去のアーカイブを遡れば、その一部を見ることができる(そうでなくても、料理はイベントの記録写真にしばしば写り込んでいる)。その意味で、〈モバイルキッチン〉はblanClassの活動の裏側(階下)にあった、もうひとつの「つくる」という工程を共有するものだったのかもしれない。「モバイルキッチンでできること#3」のテーマを[○月○日の料理]にした理由のひとつは、特定の日付と結びつけられた料理の存在。たとえば、1月7日の七草粥。あるいは、7月6日のサラダ記念日。日付は料理と結びつき、言葉にしえぬものや実体なきものの記憶をとどめる。しかしながら、記憶されたはずのものの不確かさゆえに、その形式こそが信じられるものとして残されることになる。
 
「blanClassの日を制定しませんか」と提案してみた。
 
なぜ「日付」か。数ある理由のひとつは、日付と忘却あるいは想起との関係にある。日付はしばしば特定の出来事と結びつき、その周期的な運動において「何か」を到来させる。また、日付それ自体を媒介に複数の出来事を結びつける。blanClassという場に結びついていた言葉にしえぬものや実体なきものを、場ではなく、日付に結びつけることはできないだろうか。休業を宣言したblanClassから、あえて〈モバイルキッチン〉登場の元にあった改造/拡張というアイディアを引き継いで、「blanClassの日」という新たな機能を拡散する(いずれはblanClassの料理のレシピも拡散できないだろうか)。国民の祝日に関する法律には、その祝日を命名するだけでなく、それがどのような日であるのかといった一文が記されている。たとえば、文化の日であれば、11月3日、「自由と平和を愛し、文化をすすめる」のように。blanClassの日を、毎週土曜日に開かれる一夜完結のイベントが始まった10月17日に制定するとき、その一文を記すべき「」の中はその名にちなんで、からっぽのままに残されるだろう。
 
10月20日の10周年記念+クロージングパーティー「モバイルキッチンでできること#3[○月○日の料理]」では、ゲストによる[○月○日の料理]や、当日参加できない人々によるなんらかの形での遠隔参加に加えて、からっぽのままに残された「」のことについても話をしてみたい。
 
 
らちあきら
 
 
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★blanClass10周年記念+クロージングパーティー
モバイルキッチンでできること#3[○月○日の料理]
2014年にblanClassの新たな機能として登場した〈モバイルキッチン〉をつかったパーティー第3弾。
 
10周年を迎えると同時にすでに「休業」を宣言しているblanClassから、あえて〈モバイルキッチン〉登場の元にあった改造/拡張というアイディアを引き継いで、「blanClassの日」という新たな機能を拡散できないだろうか。ときに日付は一度だけ起こった特定の出来事と結びつき、その周期の運動において「何か」を到来させる。しかし一方で(あるいはだからこそ)、国民の祝日から極めて個人的な記念日まで、日付のその特性はしばしば恣意的にさまざまな形で利用されている。
 
毎週土曜日に開かれる一夜完結のイベントが始まった「10月17日」を改めて「blanClassの日」に制定したとき、あなたはそれをどんな日として思い出すだろう。
 
というわけで、「ご飯をつくることで社会らしきものをつくること」(2014)、「だれかのためのデモンストレーション」(2015)に続く今回のテーマは「○月○日の料理」。それぞれのゲストがつくる特定の日付のための料理を食べながら、みんなで10周年を祝いましょう!
 
ゲスト:荒木 悠/梶原あずみ/金 善瓔/BARBARA DARLINg/野田京子/古市久美子/ヤング荘(津山 勇+北風総貴+安野洋佑)ほか
遠隔参加:奥村雄樹+見増勇介/佐々 瞬/増本泰斗/百瀬 文 ほか
企画:永田絢子/良知 暁/blanClass
 
日程:2019年10月20日(日)
開場:13:00(なんとなく開けてますのでお気軽に…)
パーティー:17:00(ゆるゆると始める予定)
参加費:2,000円
 

10月13日(日)中村達哉[ミニマルな劇について考える]参加者募集中!

 

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今週日曜日のLive Artは中村達哉による参加型イベント。このイベントも10月中の他のイベント同様、blanClassの10周年と休業の両方を記念したファイナルイベントのひとつ。
 
中村達哉はblanClassにとって、とても貴重な存在だった。数少ないコンテンポラリーダンス枠のアーティストということもあるが、それだけでなく、彼が最初に登場した、2010年の吉本伊織、作・演出・主演によるパフォーマンス以来、blanClassの活動期間中にまんべんなく出演、他のアーティストとのコラボレーションやソロでのダンスパフォーマンスだけでなく、ワークショップや週一セッションなどにも挑戦してもらった。
 
あらためて考えると、blanClassをblanClassたらしめるような、試みの連続だったと思う。
 
中でも忘れ難いのは、2016年の週イチセッション「ボディーマップを重ねる」とその成果発表会。複数人の様々な記憶の断片を言葉にしながら、半ば協働で思考や対話を数ヶ月かけて重ねていくというものだったのだが、最終的に出てきた寸劇のようなパフォーマンスは、つくろうと思ってつくれるものではない、とても珍しい経験を生み出した。
 
今回は、その「ボディーマップを重ねる」に集約された思考のプロセスを2時間完結の参加型イベントに展開(凝縮?)したものです。
 
それぞれの記憶を辿りながら、言葉にしたり、からだで確認したり、優しくてじっくり重なる対話をしながら地図のような場をつくる時間を、中村さんと一緒にご堪能ください。
 
またきっと珍しい体験になると思うので、ぜひこの機会にご参加ください。
なおこのイベントは予約が必要です。下記の予約方法にしたがって、前日までにご予約をお願いします。
 
 
こばやしはるお
 
 
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【blanClass放送室】
10/13(日)のゲスト中村達哉さんをお招きしてお話ししました。大劇場でなくても成立するような最小限の劇のようなサイズの表現を参加型で模索します。現在参加者募集中です。 
 
 2019/9/19/中村達哉/blanClass放送室
 
 
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参加型/リサーチ|中村達哉[ミニマルな劇について考える](要予約)
それぞれの記憶のなかにあるなにげない体験を紐解きながら、メモや仕草の断片として描き出します。
 
一人称による語りを複数の人たちで共有してみたり、ただ行為を繰り返してみるなど、表出の方法を考え、空間に現れる”感触”を探ります。
 
ミニマムな演劇性、身体性がその場に浮かび上る可能性を、参加者の方たちと模索できればと考えています。
 
日程:2019年10月13日(日)17:00ー(2時間半程度)
入場料:1,500円(ドリンク別)
会場:blanClass(横浜市南区南太田4-12-16)
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予約方法:以下の内容でイベント前日までに以下のアドレスに送信ください。こちらからの返信を持って予約完了とさせていただきます。なお定員に達した場合などお断りすることもございますので、あらかじめご了承ください。
〈タイトル〉中村達哉[ミニマルな劇について考える]予約
〈本文〉1)日にち 2)氏名 3)住所 4)メールアドレス 5)参加人数
〈アドレス〉 info@blanclass.com
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中村 達哉 Tatsuya NAKAMURA
1998年より現在まで、ダンスカンパニー「イデビアン・クルー」に参加。パフォーマンスシアター「水と油」の作品や山下残の作品などに出演。ソロ活動と して、ギャラリーや野外でのパフォーマンスを継続的に行うほか、大学や劇場を中心にワークショップ活動を展開。stスポット主催「ヨコラ ボ’10」「ヨコラボ'11」集団創作コースオブザーバー担当。ブランクラスでは主に「かかわりをおどる」(2013年)「ボディマップを重ねる」(2016年)として作品を発表。