「身ひとつで生きる」4週目に登場するのは、セノグラファーの佐々木文美さんです。
「セノグラファー」という肩書きにピンと来ない方も多いかもしれないですが、舞台美術や舞台空間を手がける人を指します。
身体のあるポイントを押すと呼吸が深くなったり筋肉がほぐれたりすることがあるように、佐々木さんのセノグラファーとしての仕事は、人と環境のちょうど間のところをよく見ていて、ものをある場所に配置したり、ある形に収めることで、人の動きを楽にしたり、ものの動きの可能性を開示するようなことだなと思います。
今回の「空中の歩道橋」は、BankART Stationからちょうど真上くらいの位置にある歩道橋を舞台に行います。歩道橋を、「階段」と「橋」に分解し、それらの面白さをじっくり体験する試みです。
引用される予定の、倉俣史朗のテキストの中で述べられているように、階段も橋も、ある地点から別の地点へ効率よく移動するための設備ではありますが、その場所からしか見られない眺めがあったり、地面から空へ近づくという運動があったり、佇んだり待ち合わせたりすることもできたり、ただすばやく通過するだけでは引き出すことのできない、場所としての魅力を持っています。
その場所からしか見られない景色を探したり、映画などを参照して階段や橋の面白い使い方を試したり、佇んでいる人の立ち位置から、その人のストーリーを想像したり、さまざまな切り口から、階段と橋と人間によって、どういう空間をその都度立ち上げられるのかを試してみます。
人の動きを起点にして街や建築を考えたい人と、機構や場所を起点にして人の振る舞いを考えたい人、どちらの視点から入っても面白い会になるのではと思います。開始は、夕暮れ時の17時半からです。
かみむらめぐみ(振付家・ダンサー)
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お散歩レクチャー|佐々木文美[空中の歩道橋]
BankART Stationから地上に出たところにひろがる「みなとみらい歩道橋」は、色々な形をした階段が複雑に組み合わさって配置されています。
階段は一定の形がスライドしながら連続しているシンプルなルールと機能を持っていて、私は形をデザインしたり、そこでできそうな身振りを想像するのも好きです。
映画や舞台の名シーンでもよく使われてるところから、きっとみんな好きなんじゃないか?とも思います。
階段はじめ、この場を観察し考えたことを共有したり、動いてみるところから歩道橋がつくる空間やコミュニケーションの可能性を探りたいです。
日程↓
1回目:2024年4月13日(土) 2回目:2024年6月8日(土)
集合 17:00 出発 17:30 [60 分程度]
定員 20名 料金 ¥1,000
受付・集合場所:BankART Station
参加費のほかにBankART Life7パスポートが必要です。
イベントへの参加にはご予約が必要です。
予約↓
4/13 https://peatix.com/event/3872570
6/8 https://peatix.com/event/3872582
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佐々木文美 Ayami SASAKI
セノグラファー
1983年生まれ、鹿児島県出身。多摩美術大学造形表現学部映像演劇学科卒。セノグラファーで快快(FAIFAI)メンバー。演劇、ダンス、音楽、映像、展示などに舞台美術、セノグラフィーとして参加や企画も稀にする。ホームパーティーをするのが好き。
https://twitter.com/sasasakiayami
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blanClass+神村恵「身ひとつで生きる」@BankART Life7
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BankART Life7「UrbanNesting:再び都市に棲む」