6/8[土] 佐々木文美[空中の歩道橋]#2

 

いよいよ今週末で「身ひとつで生きる」も最終回になります。最後を飾るのは佐々木文美[空中の歩道橋]#2です。

横浜駅からBankART Stationに行くときは、東口を出て歩道橋でそごうと丸井の間を抜け、日産本社を抜けたところにまた歩道橋があって、向こう側へ歩道橋を降りたら地下に降りるというのが私の定番コース。(ちなみに京急本社ビル方面でも、ソニーティー方面でも可)

この歩道橋が今回のLive Art ツアーの舞台「みなとみらい歩道橋」。大きな交差点に架かっていて、横浜駅新高島駅から四方に分岐する要所でもあり、週末ともなれば、最近できたKアリーナ横浜やらアンパンマンミュージアムなんかへの行き帰りでごった返します。

大半の人々は目的地に急いで、回りには目もくれない…。

そういう私も何度となくこの橋を利用してきたはずなのに、この橋の上でゆっくり過ごした記憶も回りの景色を眺めた記憶もあまりない。やはり「みなとみらい歩道橋」は駅近なので、ひたすら移動目的に使ってしまうのか、あるいは立ち止まることが憚られるということもあるかもしれません。

佐々木文美さんのレクチャーパフォーマンス[空中の歩道橋]は、さすがセノグラファーといえば良いか? ここからどこかへ向かうのではなく、階段と橋梁とそれらの組み合わせをほどきながら、あるシチュエーションを創出し、参加者たちの居場所としての設えを探すショートツアー。参加者たちはぐるりと滞留しながらパラパラと変化する眺めを体感します。

文美さんがインスパイアされたのは倉俣史朗による橋と階段にまつわるテキスト。確かに倉俣が作る椅子や階段は透過性の高い素材を使って適度に空間を遮蔽することで見え隠れする、ミクロな眺望を実現しているのかもしれません。そう思ったら「みなとみらい歩道橋」が海と都市をつなぐ、ある種のエクステリアに思えてきます。

ところで文美さん、普段舞台作品などで舞台美術を計画するときは、どちらかというと頭以外のところでものごとを決定していくことが多いのだけれど、今回のツアーは頭だけで考えた企画なんですと、アフタートークで言っていたのが気になりました。

頭以外とは、身体で考えたり、勘を働かせてといった意味なのでしょうか?

頭や言葉で考えることと、直感的に考えることは、かけ離れたことに感じてしまうけれど、実は勘が良い人は、言葉にならないような肌理を、機微を、表情を…、日々淡々と収拾する人たちのことなので、今回のような頭や言葉で作った枠組みの中で、文美さんは参加者が醸し出す諸々も含めて観察し直すのだと思います。

少しだけチャンネルを切り替えて、普段は行き過ぎる場所に少しだけ留まって、色々諸々観察できたら、きっと身体に染み込んで、普段の勘も磨かれるのかもしれません。

 

こばやしはるお(アーティスト・blanClassディレクター)

 

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お散歩レクチャー佐々木文美[空中の歩道橋]

https://peatix.com/event/3872582

BankART Stationから地上に出たところにひろがる「みなとみらい歩道橋」は、色々な形をした階段が複雑に組み合わさって配置されています。

階段は一定の形がスライドしながら連続しているシンプルなルールと機能を持っていて、私は形をデザインしたり、そこでできそうな身振りを想像するのも好きです。

映画や舞台の名シーンでもよく使われてるところから、きっとみんな好きなんじゃないか?とも思います。

階段はじめ、この場を観察し考えたことを共有したり、動いてみるところから歩道橋がつくる空間やコミュニケーションの可能性を探りたいです。

日程:2024年6月8日(土)

集合 17:00 出発 17:30 [60 分程度]

定員 20名 料金 ¥1,000

受付・集合場所:BankART Station

参加費のほかにBankART Life7パスポートが必要です。 

イベントへの参加にはご予約が必要です。

予約:https://peatix.com/event/3872582

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佐々木文美 Ayami SASAKI 

セノグラファー

1983年生まれ、鹿児島県出身。多摩美術大学造形表現学部映像演劇学科卒。セノグラファーで快快(FAIFAI)メンバー。演劇、ダンス、音楽、映像、展示などに舞台美術、セノグラフィーとして参加や企画も稀にする。ホームパーティーをするのが好き。

https://www.faifai.tv/

http://sasasakiayami.info/

https://twitter.com/sasasakiayami

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blanClass+神村恵「身ひとつで生きる」@BankART Life7 

https://blanclass.com/bankart-life7/

blanClassがBankART Life7(ヨコトリの連携プログラム)に出張参加します。BankART Stationの展示にも参加しますが、2019年の休業以来、久しぶりにblanClassのLive Artが復活します。今回のLive Artはツアー型。共同ディレクション振付家でダンサーの神村恵を迎え、6組のアーティストと一緒に「身ひとつ」をキーワードに、都市を巡るイベントを開催します。その様子は、随時BankART StationでのArchive展示に反映します。

Archive 展示

BankART Life7「UrbanNesting:再び都市に棲む」の入口付近にblanClassのブースを設置、ブース内ではLive Artツアーの アーカイブのほかに「奥能登アートクラフト」の展示 +shopも併設します。

会場: BankART Station 〒220-0012 横浜市西区みなとみらい5丁目1 新高島駅 B1F

展示期間: 2024年3月15日(金)〜6月9日(日)11:00〜19:00

休館日: 木曜日[4/4、5/2、6/6を除く]

料金:BankART Life7パスポート 一般 ¥1,000/高校生以下 無料(ヨコトリとのセット券もあります)

Live Artツアー

集合場所:BankART Station

〒220-0012 横浜市西区みなとみらい5丁目1 新高島駅 B1F

日程:毎週土曜日(3月23日〜6月8日)全12回 

料金:1,000円

参加費のほかにBankART Life7パスポートが必要です。 

イベントへの参加にはご予約が必要です。

予約:https://bankartlife7-blanclass.peatix.com/

お問合せ:event@bankart1929.com

これからLive Artツアー日程↓

6/8(土) 佐々木文美 #2

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【同時開催】身ひとつで生きる~奥能登アートクラフト

2024年元旦に起こった能登半島地震で被災した奥能登のクラフトアーティストたちへの応援プロジェクト。会場では展示と販売をしています。

今瀬風韻[下地職人] 加藤修央[漆作家] 久保田啓介[木工] 小西紋野[蒔絵師] 高畑圭介[革職人] 萩のゆき[デザイナー] YUKAKU  諸石優子・諸石健太郎[漆職人] 山岸優羽[沈金師] 山田睦美珠洲焼作家] 横山美穂[漆作家]

コーディネート:加藤修央

展示デザイン:ヤング荘(津山勇  北風総貴  安野洋佑  松岡未来)

会場:BankART Station (BankART Life7、blanClassブース内)

企画:blanClass

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BankART Life7「UrbanNesting:再び都市に棲む」

2024年3月15日[金]〜6月9日[日]