4月20日(土)山本浩貴(いぬのせなか座)[「死からの視線」をつくる]

現在開催中のBankART Life7「UrbanNesting:再び都市に棲む」に、blanClass+神村恵という名義で出張参加しています。会期中全12回「身ひとつで生きる」というタイトルでLive Artツアーを実施中です。

今週土曜日はいぬのせなか座の山本浩貴さんが2回目の出演です。今回は前回(3/30)のレクチャーを受けて、いよいよ都市を読み直すためのワークショップを行います。

前回のレクチャーでは、14時から17時まで3時間、あいだに10分間だけ休憩を挟みはしたものの、ほぼノンストップで話し続けた山本さん…。吉本隆明が示した「世界視線」という概念を駆使して、そのはるか上空から自分を見下ろすような視線を持ったたくさんの人々が都市の中で、それぞれに垂直方向の視線を感じている様を考える。途中、宮沢賢治柳田國男親鸞などを通じて行われた吉本の考察などに見られる「死」を予感させるイメージから、視覚的な映像とは異なるノングラフィックなイメージをも取り込む「ハイ・イメージ」などを考えながら、山本さんがたどり着いたのが、今回ワークショップの最も重要なキーワードにもなっている「アトリエ」という概念…。

垂直方向に伸びる視線と自分の身体という、いわば孤立したイメージの中で完結していく個の形とは? 何か日本のサブカルチャーでしばしば現れるテロルの発生源にも似ているなあと感じたり、ガス・ヴァン・サントの映画がある個人に注視する視線や、群像を描くときの視線のことなどを思い出したりしたのだが、最後に出てきた「アトリエ」は、美術に近しく過ごしてきた私にとっては、随分と親しみのある言葉。

山本さんが指摘するように、「アトリエ」は思考の場であり、ひとりこもる場であり、表現の発生する場でもあるし、それ自体が表現そのものなのかもしれない。「場」は独り占めしていても、煮詰まることもあるので、開いて共有することが可能ならば、より色々な思考が実験されて、きっと色々なものごとが発生するに違いない。

今週土曜日のワークショップでは、山本さんが発案する方法を共有しながら、実際に「アトリエ」自体をそこに発生させつつ、みんながそれぞれに、没入したり、開いたりして、言葉と、言葉にするのが難しいものなんかを再認識しながら、つなぎ合わせて都市の再読を試みます。

残念ながら予約がいっぱいになってしまったので、これからの参加はできませんが、後日、ハイライト動画をアップする予定なので、そちらをご期待ください。

 

こばやしはるお

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レクチャー/ワークショップ山本浩貴(いぬのせなか座)[「死からの視線」をつくる]#2
 
詩人・批評家の吉本隆明は約40年前、複数の著作にまたがるかたちで「死からの視線」と呼び得るものを検討した。それは今ここにいながらにして同時に自らを遠く上方から見下ろす視線であり、未知に向かいながら過去へと遡る既視でもあり、さらには資本主義都市空間を覆う「ハイ・イメージ」でもあった。今回は私が近年取り組む〈アトリエ〉という概念と接続させることで、「死からの視線」を参加者各々が都市において手作りできる道具にしてみたい。3/30は上記をめぐるレクチャーを行なう。4/20は軽いイントロののちに短い文章をつくるワークショップを行なう。各回ごとに完結する内容とするが、もちろん両方の参加も望ましい。
 
日程:2024年4月20日(土)
集合:13:00 ワークショップ:13:30ー17:30
定員: 20名 料金: ¥1,000
受付・集合場所:BankART Station
 
参加費のほかにBankART Life7パスポートが必要です。 
イベントへの参加にはご予約が必要です。
 
予約 満席↓
4/20 https://peatix.com/event/3872573/view 
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山本浩貴(いぬのせなか座)YAMAMOTO Hiroki (inunosenakaza)
小説家・デザイナー・批評家・編集者
1992年生。制作集団・出版版元「いぬのせなか座」主宰。小説「無断と土」(『ベストSF2022』掲載)、批評『新たな距離』(近刊)、デザイン「クイック・ジャパン」(159-167)『光と私語』、企画編集「早稲田文学」ホラー特集号など。
https://inunosenakaza.com/
Twitter(X):@hiroki_yamamoto

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blanClass+神村恵「身ひとつで生きる」@BankART Life7


blanClassがBankART Life7(ヨコトリの連携プログラム)に出張参加します。BankART Stationの展示にも参加しますが、2019年の休業以来、久しぶりにblanClassのLive Artが復活します。今回のLive Artはツアー型。共同ディレクション振付家でダンサーの神村恵を迎え、6組のアーティストと一緒に「身ひとつ」をキーワードに、都市を巡るイベントを開催します。その様子は、随時BankART StationでのArchive展示に反映します。


Archive 展示
BankART Life7「UrbanNesting:再び都市に棲む」の入口付近にblanClassのブースを設置、ブース内ではLive Artツアーの アーカイブのほかに「奥能登アートクラフト」の展示 +shopも併設します。
会場: BankART Station 〒220-0012 横浜市西区みなとみらい5丁目1 新高島駅 B1F
展示期間: 2024年3月15日(金)〜6月9日(日)11:00〜19:00
休館日: 木曜日[4/4、5/2、6/6を除く]
料金:BankART Life7パスポート 一般 ¥1,000/高校生以下 無料(ヨコトリとのセット券もあります)

Live Artツアー
集合場所:BankART Station
〒220-0012 横浜市西区みなとみらい5丁目1 新高島駅 B1F
日程:毎週土曜日(3月23日〜6月8日)全12回 
料金:1,000円
参加費のほかにBankART Life7パスポートが必要です。 
イベントへの参加にはご予約が必要です。 
予約:https://bankartlife7-blanclass.peatix.com/
お問合せ:event@bankart1929.com

Live Artツアー日程
3/23(土)・5/18(土)神村 恵
3/30(土)・4/20(土) 山本浩貴(いぬのせなか座)
4/6(土)・ 5/4(土)ミルク倉庫+ココナッツ

4/13(土)・6/8(土) 佐々木文美
4/27(土)・ 5/25(土)今井しほか+大石一貴
5/11(土)・ 6/1(土)大東 忍
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BankART Life7「UrbanNesting:再び都市に棲む」
https://www.bankart1929.com/life7/
2024年3月15日[金]〜6月9日[日]