low-tec/高安利明×開発好明

 明日の+nightのゲスト「low-tec」とは、身近にある素材や音源を使い、音を楽しむことを主軸にさまざまなアプローチからの音楽を手がけている。作曲担当の高安利明と、パフォーマンスを中心とした演奏をする開発好明とのノイズ音響系パフォーマンスユニットだ。
 今年の3月に、「フルコース 食と現代美術 part6」の準備中だった開発氏とBankARTで、久しぶりに飲んだ。おたがいホッピーかなんかを飲みながら「blanClassでなんかやってくれない?」とお願いしたのだが、開発氏はいつものとおり「あーいいよ、いいよ」と、快諾をしてくれた。「なにをしようか」という段になって話題にのぼったのが「low-tec」のこと。「low-tec」のなれそめは、私が初めて開発好明とお仕事したときに、偶然のようにスタートした活動だったのだ。
 2000年3月19日(日)Bゼミ日曜マンスリーゲストゼミで「開発好明×栗原元」のトークショーを企画した。そのゲストとして高安利明が音楽を担当し、ライブをおこなった。このことがきっかけでlow-tecが生まれた。さらに同じ年、第1回 大地の芸術祭 越後妻有アートトリエンナーレにBゼミサマーセッション(8月21日〜26日/旧東川小学校・松之山町中央公民館)が参加した。その一環で25日の夕方から、パフォーマンスマラソン「からだからからだへ2」(旧東川小学校体育館)を企画し、そこでlow-tecが本格始動した。このときのパフォーマンスは、2人が演奏をするなかで、白い雲のような形をしたバルーンがだんだん大きく膨らんでゆくというものだった。(バルーンを膨らませるために布団乾燥機を何器も持ってきていたように思う)夏の夜のホワホワモコモコのなんともゆるい感触のパフォーマンスだった。



 というわけだから今年はlow-tec10周年ということになる。聞くところによると、この10年、毎年数回のライブ活動を展開していたのだそうだ。私は彼らのライブを見るのは10年ぶりなのだが、10年経って、同じ場所に戻ってくるというのは、なかなかにいい話だと思う。


こばやしはるお