パフォーマンス|O,1、2人(外島貴幸+吉田正幸)[O,一、二人(仮)]

 今週の Live ARTは、「O,1、2人」が初登場!! 「O,1、2人」は「オーイチニニン」と読む。コントグループ「テニスコート」の吉田正幸と美術家の外島貴幸異色のアートユニット。
 メンバーの外島貴幸は、これまで美術家としてテキストやマンガを形式に、壁に直接展示したり、小冊子のような印刷物をつかって、独自な「笑い」を追求してきた。その後テキストの展開版として、淡々としたシニカルな朗読で、おかしな言葉のうねりをつくり出してきた。blanClassでも、何度かその朗読で出演をしてもらっている。
 一番最近では、昨年の9月、新・港村での「ミュージックナイト」。そのころから、書き上げたテキストをただ読み上げるだけではない、パフォーマンスへの挑戦を口にしていた。
 それは、目で読むにせよ、耳で聞くにせよ、言葉で完結している形式に対して、何かしらの+αを加えていくことなのか? あるいはマンガの形式で試みてきたような、空間的な間をつないでいくような作業をするということなのか?
 どちらにしても、パフォーマンスとして、より成立していくための工夫、言葉の周りを取り巻く環境に目を配るという試みなのだろうと思う。
 彼の「笑い」は、言葉が使われていく過程で、その言葉の概念的な生い立ちが、ときどきに暴露されながら展開していくというもの。1つ1つの言葉が丁寧に投げだされて、はじめて観客の脳の中で「笑い」に転換される。
 だから、ある種のテクニックも開発していかなければならない。何度か自分一人で、自身の声でやってきた朗読に、限界も感じはじめたのだろうか?
 そこでコラボレーターにお願いしたのが、彼の友人でもある吉田正幸という人。普段はコントをやっている人だというから、外島が考える「笑い」を再現するには、もってこいの人材なのだろう。この人と「一人でできることを二人でやったり、二人でできることを二人でやったりします。」ということらしい。
 「アート」と「笑い」は、実は古からの深い中だが、たった今、その2つをハイブリッドして、人々を納得させるのは難行に違いない。あきらめずになんとか物にしてほしいと思う。
 「アート」と「笑い」の新境地をぜひ目撃してほしい。


軽食は「大根の炊いたん、冬の炊き込みご飯」お楽しみに!!




こばやしはるお


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今週の Live ART↓
http://blanclass.com/japanese/


パフォーマンス|
O,1、2人(外島貴幸+吉田正幸
[O,一、二人(仮)]


O,1、2人(O,Ichininin)は、2011年11月29日結成。コントグループ「テニスコート」の吉田正幸と、美術家の外島貴幸のユニット。一人でできることを二人でやったり、二人でできることを二人でやったりします。


日程:2月11日(土)
開場:18:00 開演:19:30
一般:1,000円/学生:800円


外島 貴幸  Takayuki Toshima
1980年東京都生まれ。BゼミLearning System修了。笑いを軸に、テクストを制作、朗読やマンガなどを用いた「美術」の探求と実践。宮沢賢治の「やまなし」を用いたパフォーマンス(アイマスクをつけ、聞こえてきた他者び朗読を変換する)2007年「Experiment Show」(菊池正、鶴崎いずみと共作・旧四谷第三小学校体育館)でおこなう。1つのテクストが論理構造を保ちながら次々と変換され続ける「Invaensionのための23のvarietions」を2008年「Hatena Arenicora」で発表。2009年からテクストと4コママンガをつかった作品を制作。
ブログ「夜明けのフィラメント」http://d.hatena.ne.jp/tkayk/


吉田 正幸 Masayuki YOSHIDA
1979年東京生まれ。2004年武蔵野美術大学視覚伝達デザイン科卒業。大学在学時コントユニット「テニスコート」結成。活動は年に数回のコント公演の他、雑誌「球体」へのコント連載など。2011年、外島貴幸と二人で「LESS BREAD ! MORE TAXES ! MORE BREAD ! LESS TAXES !」展を行う。