今週の Live ARTは、原田晋の登場です!
原田氏は今年の4月14日にThe Academy of Alter-Globalization + CAMPのメンバーとしてLive Artにも参加してもらいましたが、個人としては初めての参加です。
今回は2002年より10年間続けているというモニターを撮影した写真/映像のシリーズの最新作を発表。自分の写真の下手さからなにを撮るべきか模索している中で撮り始めたテレビ画面のピンぼけ写真。
ピントを完全に外したアウトフォーカスのぼんやりとした画像には何が写っているのか明確にはわからないし、テレビ番組の中で想定されていた映像のメッセージや意味などの情報は削られて、形やパターンの曖昧な輪郭が残っている。
それらの収集された写真画像は、宇宙、花、観光地、戦争や紛争、人物などに分類されプリントや複数台でのモニター出力などの形で数回発表されてきた。
昨年、多摩川art&riverbankで発表した[the ghost]では一つのフレームの中に二枚の画像(一枚は常に人の顔、もう一枚はさまざまな画像)を重ね合わせたスライドショーを数台のモニターで展示していた。
原田氏は[The Ghost]のシリーズについて、テレビでザッピングしている時、チャンネルが切り替わった瞬間にどんな番組をやってるとかなんか見たことあるものだと一瞬で認識している。そういう感覚に近いものを作ろうと試みているそうだ。そのように一瞬でなにか〈引っかるイメージ〉、〈蓄積されていくイメージ〉というのは象徴的なものしか残っていないのではないかということも話してた。
今回は[The Ghost]の新作を発表してもらうのだが、今までのようにモニターを撮影したもの以外にも、新しい試みとして自分が生の空間を撮影したものを混ぜて映像作品を制作しているそうだ。
はじめ原田氏の作品は、マスメディアの偏っていたり、操作された情報の扱い方への批判や受け手のリテラシーみたいなことについて考えているのかなと思っていたけれど、もう少しどうやって認識しているのかというようなことが問題なのかなとおもったけれどわからない。土曜日になにかもう少し突っ込んで聞ければと思っている。
それから6月26日からこのコラム上で原田氏と私の間で往復写真+書簡なるものをやっている。
原田氏の提案により、本番までちょっとしたテキストと写真を往復する試み。なにをやればいいのかわからないまま、現在10回の行き来があった。原田氏はコラムのやり取りの中で私の困った様子やどんな反応をするのか観察しているようだ。今週いっぱい続けるので見てほしい。
はたのこうすけ
2012.7.9 原田晋プレトーク
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今週の Live ART↓
http://blanclass.com/japanese/
|展覧会
原田 晋 [The Ghost (Kassel, Tokyo)]
日程:7月14日(土)
開場:18:00 開演:19:30
一般:1,000円/学生:800円
モニタを撮影した写真を再出力して構成するインスタレーション。
見るという行為そのものを問うことによって、わたしたちのなかに蓄積されている情報というものが何なのかをもう一度考えてみる。
カッセル、東京で撮影した写真を中心に。
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原田 晋 Susumu HARADA
- 1980年山口県生まれ。2005年東京綜合写真専門学校研究科卒業。2009〜2011年女子美術大学大学院GPプログラム特別研究員として、アートセンターのリサーチや様々なアート・プロジェクトの実践に関わる。2009年より、オルタナティヴ・スペースart
& river bankの理事。主な展覧会に、「サイトグラフィックス」(川崎市市民ミュージアム/2005)、「The Ghost」(art
& river bank/2011)など。comos-tv(http://comos-tv.com/)の企画・運営にも関わる。
[http://window-scape.net/:title=
Susumu Harada |Selected Work And Project]