[山をつくる]について

今週土曜日のLive Artでは写真をコラージュして、実在しない風景を制作している作家、進藤環を紹介する。今回の[山をつくる]では、制作過程をアレンジし、壁面やプロジェクターを用いながら公開制作を行う。

実際の作品をよく見ると奥行きに微妙な違いがあったり、切り貼りされた形跡がかすかに残っている。表立っているわけではないのだが、彼女のつくる風景はそのような齟齬やギャップが、のりしろとなって成立しているように見える。それは確かに存在した差異の痕跡であり、新しくつくられたイメージの手がかりとして、生み出される風景の起点になっているのではないだろうか。

今回の試みはいわば、のりしろを開いていく作業なのかも知れない。そのとき即興的に生まれるイメージと、それに反応する作家の行為を通して、作品の原風景を辿るようなものになるのだろうか。ただ、結果がどのように着地するのか、最後に現れるものが目に見えるものであるのかは、当日まで私にも分からない。


みきよしかず


進藤 環
[山をつくる]


写真を切り、貼りつけて、コラージュをする。その行為を繰り返しおこなう。過去に感じた感覚をどう引き連れて今ここに定着させるのか。支持体が持つ感覚と分離/結合させ、「今まさに見ている」状態をつくる、考える。様々な場所で撮影したコラージュの素材となる写真をスクリーンに映し、それらを組み合わせた公開作業を行います。


日程:11月10日(土)
開場:18:00 開演:19:30
一般:1,000円/学生:800円