中崎 透 [ヤミナベ]

MOT ANNUAL 2012 勝手に関連企画 第4弾、「Nadegata Instant Party」の中崎透が初登場!!

なぜヤミナベなのか?
チラシやwebに掲載している中崎透からのテキストには、『特に難しいことはなくてですね、「やみ鍋」というやつをやってみたいと思ったわけです。』とある。
なるほど、やってみたいと思ったわけだ。
そもそも同じ鍋を囲めるのは、その鍋に毒など危険なものが入っていない安全、安心を前提としていて、その中で暗黙の信頼関係がゆるやかにつくられているように思う。また、複数人でもくもくと食材を鍋に入れて、直箸でつつき,近い距離で顔を見合わせて同じものを食べるというその状況には独特のあいまいなコミュニケーションがある。
日本ではいつ頃からかなのか知らないが、他人と一つの鍋を囲んで食べるスタイルはあたりまえのものとして定着している。中国の火鍋、韓国のチゲ鍋などアジア圏には同じようにみんなで鍋を囲んで調理しながら食べるスタイルがあるようだが、欧米の鍋料理はおそらくあらかじめ完成した鍋を食卓に持ってくるのだろう。そこには人との距離のあり方に違いがあるのかもしれない。

とにかくそのような安全・安心・冬の定番・ほっこりあたたまる鍋とはほど遠いのがヤミナベだ。今回どんなルールで行われるのか詳細は分からないが、ヤミナベはそれなりにリスキーなイベントだ。部屋を真っ暗にして隣にいる人の顔も見えない状況それだけでも怖いが、それぞれが持ち寄った食材をランダムに鍋に入れ、どんなものでも一度箸で掴んだものは食べなければいけないのだ。奇跡的に美味しくなるかもしれないが、すごく不味くてお腹が痛くなる可能性もないとはいえない。そして始まってしまえば誰にも味のコントロール不能だ。
表面的にはスリルがあってなんだか楽しそうにもみえるが、実際には参加者は、食材を入れた当事者としてその不可解な鍋と付き合い、その状況を受け入れざるを得ないことになるのでは!?
笑い声と叫び声が聞こえてきそうです。

よくわからない現実や状況に対してユニークなアプローチを続けてる中崎透、今回はなにを私たちに突きつけようとしてるのか。
少し怖いけど、私も腹をくくり付き合います!暗闇の中に光を見いだせるのか!?
みなさん各自ヤミナベにいれたい食材をご用意の上、勇気を持って参加してください!


はたのこうすけ

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/ヤミナベ
中崎 透[ヤミナベ]

日程:12月8日(土)
開場:18:00 開演:19:30
一般:1,300円/学生:1,100円


特に難しいことはなくてですね、「やみ鍋」というやつをやってみたいと思ったわけです。とりあえず皆で食料を持ち寄って、暗闇の中で鍋をするっていう、あれのことです。参加者は食べ物を何か持参してください。
ところでみなさん、「やみ鍋」ってやったことありますか?マンガとかでよくは目にしつつ、実はそんなにしないもんなんだな、とここ最近数人の友人に聞いてみて思いました。僕は予備校の頃に一度「やみ鍋」をしたことがあって、なかなか楽しかったような思い出があります。最初はある程度味を整えてからのスタートなのでおいしいのですが、徐々に参加者が持参したブツを投入していくと、少しずつ即興的に味がブレていきます。
基本的なルールとして一度箸で掴んだものは食べなきゃいけない、というのがあるので、この辺りでワーとかキャーとか盛り上がります。最終的に酸味の強過ぎるヤバい状況になったため、競技終了のジャッジを下し、照明をつけてみたんですが、見た目が完全に、ゲロそのものだったのをよく憶えています。そのとき学んだ教訓は、「カロリーメイトは鍋に入れない方がいい。」でした。
さあ、みんなで暗闇の中に光を見いだしましょう!!

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中崎 透 Tohru NAKAZAKI
1976年生まれ。アーティスト。武蔵野美術大学大学院造形研究科博士後期課程満期単位取得退学。現在、水戸市を拠点に国内のさまざまな地で活動。2006年末より「Nadegata Instant Party」を結成し、ユニットとしても活動。2007年末より「遊戯室(中崎透+遠藤水城)」を設立し、運営に携わる。
http://tohru51.exblog.jp