シネイド・オドネル [the title is okay|タイトルはOK]|増山士郎

 自分もアーティストであるが、自分の個人的なパートナーであるシネイド・オドネルは、いわゆる、パフォーマンスアーティストとして、自身の身をけずり身体を使って表現している。彼女の自身をさらけだす表現行為は時として観客の前で裸になることもいとわないのである。
 一方自分は、自らの生き様やいろいろなものをさらけ出し、表現することを厭わずやってきたものの、何もオーディエンスの前で直接的に裸にならなくても、自分自身をさらけ出し表現できると思って活動してきた。そんな自分が、彼女の直接的な身体表現を目にすると、肌を露出することや性に対する感じ方も違う欧米と日本の狭間で、彼女との個人的な関係とも合わさって、まわりがどう思うだろうかと必要以上にいろいろと考えては、アートして割り切れない自分の小ささに思い悩むのである。
 2年前にblanClassで彼女とのコラボレーション・パフォーマンスを行った時に、日本の観客はそういうものに見慣れてないので、彼女の乳をあらわにしたパフォーマンス写真が載ったblanClassのウェブサイトのヒット数が瞬く間にあがり、Googleで自分の名前を検索すれば、彼女の乳の載ったblanClassサイトが上位にヒットするようになっていたことにも気づいた。前回のパフォーマンスを見に来た観客は、きっとそのほとんどは彼女の乳を見に来たに違いないと笑いながら彼女に話した。


増山:「シネイド!今回のパフォーマンスのタイトルは何?」
シネイド:「OK!」
増山:「えっ?」
シネイド:「タイトルはOK」
増山:「OK」


 世界中でいろいろな種類のパフォーマンスをやってきた彼女が、今回blanClassでどういうパフォーマンスを行うのか、コンセプチュアルなものを見せるのか、政治的なものになるのか、肌を露出するものになるのかも、自分にはわからないが、いずれにしろblanClassで普段日本のアーティストが行っているようなものと違う類いの、パンチの強いものになるだろうということは断言できる。請うご期待!!


ますやましろう(アーティスト)