佐々瞬 [ 彼らとの対話(仮)]

今週のLive Artは昨日より、佐々瞬 [彼らとの対話(仮)]展示を開催中!!
会期は3月3日(月)ー3月15日(土)の2週間。(日曜休み)
3/8(土)にトーク、3/15(土)にパフォーマンスを行います。


佐々のいつもの制作過程通りに、今回も計画の段階からいろいろと変化をしている。それは彼が問題として抱えていることが、そもそも不安定な事柄だからに他ならないが、彼のせいばかりとも言えず、不可抗力の事態に巻き込まれてしまうのも事実らしい。

「3.11」直後にblanClassで発表してもらったときもそうだった(あのときは未曾有の事態が直前に起こったのだから…)。そのときの発表でも、作家は「予定通りに」を貫きつつ、最終日まで予測不能な変化をやってのけたのだ。


今回の作品が今まで以上に身近な人間関係の取材から発端しているせいもあって、取材を重ねる毎に作品の方向性が変化してしまうのも無理からぬこと。
だから、この2週間は、始まりも、途中も、最終の行き先も不確定な成り行きを、本人も含めて見届けるよりしょうがないようなのだ。

というわけで、会期中は、イベントの有無にかかわらず、1,000円の入場料がいりますが、何度でも再入場可になっております。



こばやしはるお





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展示・パフォーマンス|佐々瞬 [ 彼らとの対話(仮)]

http://blanclass.com/japanese/schedule/20140303-0315/
https://www.facebook.com/events/1474412369453282/


日程:3月3日(月)ー3月15日(土)(日曜日は休み)13:00-20:00
入場料:1,000円(会期中は何度でも再入場可)


会期中イベント日程:
3月8日(土)20:00〜トーク
3月15日(土)19:30〜パフォーマンス&公開インタビュー


私はこれまで関係なかったはずの出来事や人達にいかに出会うか、ということに関心を抱いてきた。知識を得ることや、ただ知らない世界を覗き見することではなく、関係がないものと関係を結ぶこと。これは案外コツがいるもので、「関係がないもの」は、そう判断した時点で関係が生まれてしまう。だからこちら側が選ぶものでもないし、ただ門を開いて待っていればいいワケでもない…という代物。だが求めいれば手に入ることもあるようで、道端で拾った手帳の持ち主と出会う機会に恵まれた。この人物がなかなかの変人で、会えば会う程にその不思議な人柄に惹かれ、ついには私の自宅にまで招くようになった。どうやら満州の引揚者であるこの人物は、自ら経験、私の知らない世界のことを色々と教えてくれた。話の内容が興味深いのはもちろんだが、聞いているこちらを夢中にさせる話術を持っている。決して陽気な人物ではないが目にはどこか好奇心に満ちた光を湛え、何度も我が家に通ってくるあたりから、人なつっこさを持った人柄であることが伺える。一度くらいは私も相手の家へと招かれたい、などと変な欲が出てきた頃、彼は突拍子もないことを切り出してきた。自分はお前の、つまりの私の、祖父だというのだ。


佐々 瞬 Shun SASA

  • 1986年生まれ。東京で活動中。2009 東京造形大学美術学科絵画専攻卒業。インスタレーション、パフォーマンス作品を制作。主な参加展覧会に「No Man’s Land」(在日フランス大使館、東京、2009年)、「大邱フォトビエンナーレ2012 Dance on a Thin Line」(大邱芸術発展所、韓国、2012年)、「MOTアニュアル2012 Making Situations,Editing Landscapes 風が吹けば桶屋が儲かる」(東京都現代美術館、2012年)、「Omnilogue:Your Voice is Mine」(シンガポール国立大学美術館、2013年)、2013年「催眠術/話の行方」(HIGURE 17-15 cas)など、パフォーマンス作品に、2012年「それらの日々をへてあの日がやってくる」(blanclass・横浜)などがある。