6月16日(土)長屋涼香[いないあいだの話(仮)]


今週土曜日のLive Artは長屋涼香がソロイベントとしては初イベント。


これまでステューデントアートマラソン vol.12 などに参加している長屋さんですが、今回のイベントの内容と共通のテーマで制作をしてきました。
http://blanclass.com/japanese/archives/20161126/


というのは、生まれ育った場所から離れて、大学の近くに引っ越してからの暮らしが何年か続いた頃、久しぶりに地元に帰ってみると、自宅の周りにあったはずの家がなくなっていたりと、身体に染み付いて親和感のあるはずの場所が、少しずつ変化していて、自分から離れていくような、同じ時間のはずなのに、2つの別の時間があるような、不思議な感覚を発端にしている。


そう聞くとパラレルワールドのようなSFみたいな話にも聞こえるが、経験の伴う近い場所と、想像で補うしかない、少し離れた場所について、行ったり来たりしながら、映像やパフォーマティブな作品制作に取り組んでいる。


そういえば、私にも似た経験があって、2年間ルームシェアして住んでいたN.Y.を離れてから、2年後に同じ部屋に宿泊をしたことがあるのだが、一晩寝て、起きた後、その日の夕方まで、2年前のルーチンを正確に繰り返したのちに、2年分の日本の記憶がどこかに飛んでいたことに気がついた。N.Y.を離れた次の日の続きをしている気になっていたのだ。また日本に帰ったら、1ヶ月前の日本の生活の続きが始まるのだが、どこかで、あの頃の身体の記憶は今もあそこにあって、ここにはないような気がしている。


当日は、展示のようなことや少しパフォーマティブなことがあるようだが、メインは参加者の皆さんの経験した、場所と自分との一致と不一致のような話を聞くことらしい。


いろいろな人の経験と一緒に、この機会に、場所と身体の関係を探りに来てください。


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【blanClass放送室】

放送室では、blanClassで、長屋さんとblanClassのスタッフで、ミケランジェロの「アダムの創造」のパズルをしている映像に、長屋さんが「いない間」の場所のことや自分の所在についてのインタビューをある人にしている音声が重なっています。当日のワークショップのヒントになると思いますので、こちらもぜひご覧ください。




2018/6/8/長屋涼香/blanClass放送室



こばやしはるお


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ワークショップ長屋涼香[いないあいだの話(仮)]
http://blanclass.com/japanese/schedule/20180616/
https://www.facebook.com/events/2165211280377693/



5月の終わりにローマへ行く。旅行客としての私は切り離された他者であり、決して会えない幽霊のようだ。
身体が通常とは別の環境に置かれた際に生まれる、どこか他人のように振る舞う自分を「訪問者」として捉え、絵を描いたり文字を書いたりしながら、いまどこにいるのかを考えたい。


日程:2018年6月16日(土)
開場:18:30 開演:19:00
入場料:1,500円(ワンドリンク付)
会場:blanClass(横浜市南区南太田4-12-16)

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長屋 涼香 Suzuka NAGAYA
1994年愛知県生まれ。2018年多摩美術大学油画専攻卒業。2018年多摩美術大学大学院油画研究領域博士前期課程入学。記憶や過去といった個人的なものを見つめながら、その主体の所在を探る作品を制作している。個展に「失くしつつある」(新宿眼科画廊・東京・2016)。主なグループ展に「ステューデントアートマラソン vol.12」(blanClass・横浜・2016)「フダンシズム」(ダストバニー・東京・2016)など。
http://towawa.tumblr.com