サウンドイメージ


12月12日のblanClass+nightのパフォーマンスは伊東乾の<一つ目巨人と片耳小僧>でした。
人間の視覚や聴覚がいかにして機能しているかを分析して、それをわかりやすいパフォーマンスにして見せるというものでした。

特に印象的だったのが、聴覚でも物の大きさを認知しているというのを明かす実験。
われわれ観客は目を閉じて小さなオルゴール単体の音と、机に響かせたオルゴールの音を聞く。そうすると、オルゴールが単体の音に対して机に響いた音を聞いたときに大きな物が鳴っていると分かってしまうというもの。
上記のような実験がいくつかありました。人間の認知機能は実はかなり高性能で、言語化されない情報をいつの間にか感じとってしまうというのは、知っていても体感させられるとやっぱり驚きました。
伊東乾さんはこういう事をトリッキーに使えば、詐欺とか、洗脳というのが簡単にできてしまうのだということをパフォーマンス中に繰り返し言っていましたた。著書の「さよなら、サイレントネイビー」でもオウム心理教が行っていた洗脳とか詐欺を実験で検証して提示していました。

準備をしているときになんとなくタイトルの「一つ目巨人」はカメラのことかなと想像していて、パフォーマンスのあとにその話になった。伊東さんはハッキリと一つ目巨人をカメラと意識していたわけではないそうですが、その考えでなにか出来そうだと言い、なにか考えてくれるそうです。来年の5月になるか、伊東さんが次回出演してくれるときは、一つ目巨人を中心に視覚のトリックをいろいろ見せてくれるかもしれない。
写真という物を考える上で重要なヒントが出てくると思う。楽しみです。



上田朋衛