ライブアート|丸山純子 [ZZUT実験]

 2012年2回目の Live ARTは、丸山純子!! 2010年3月6日「ZZFT実験」以来、2度目の登場。
 前回の「ZZFT」は「ZZ」と「FT」に分けられていて、「ZZ」は、作家が長年頭のなかに抱えている「いわく言い難い情景」に丸山が与えた名前。「FT」は「Fortune Telling」の略だった。今回の「ZZUT」も「ZZ」と「UT」に分けるとすると、「ZZ」は、やはりその「いわく言い難い情景」であり、「UT」は丸山が昨年の横浜トリエンナーレ期間中に完全自主企画による、「Utopia Totopia」の略だろうか?
 コンビニ袋の造花で花畑のようにインスタレーションする作品、「無音花」のシリーズから、一貫して彼女の作品は廃材を利用してつくられている。放っておけば、誰かがゴミとして捨ててしまうようなものを、拾いあげて、少しだけ手を加えると、そこになんとも言えない清涼感のある風景(情景)が立ち現れる。
 きっとそこに立ち上がった風景が丸山の頭にすでにある風景の一端なのだろう。たとえば「ゼロ磁場みたいな…。」と丸山は教えてくれた。マイナスイオンが特別多い場を、そう呼ぶことがあるそうだ。
 丸山が使う廃材とは、ゴミになるちょっと手前のもの、たとえば「コンビニ袋」「水」「油」「石鹸」「泡」。考えてみれば、どれをとっても汚染されたまま垂れ流したり、埋めてしまえば、大量のゴミの層や流出をつくり出してしまう。自然のサイクルにまかせておけば、ものものは生きたまま浄化されているのに…。
 丸山が操作しているのは、ゴミ化されてしまうようなものもの。手を加えることで浄化されるような光景をつくりだしている。
 昨年のプロジェクト「Utopia Totopia」は、そういう丸山の現在の終着点。桜木町の空き地に粉石鹸で、大きな花を描いた。夏の雨や台風に洗われては、また描く。その90日間におよぶ徒労にも似た格闘の軌跡は、アーティストの思いとしての、正に「Utopia Totopia」なのだ。
 今回もその「ZZ」と「UT」に象徴する、情景が引き続きblanClassで実験される。SAYURI、万リーをゲストに迎え、《ヴァイオリン》と《ひとり連句》と《公開制作》、「おと」と「ことば」と「もの」三つ巴に格闘する異色コラボレーションとして展開する。
 また昨年の「Utopia Totopia」90日間の記録アニメーションも公開予定。


軽食はスコッチブロス(大麦と野菜の具沢山スープ)」お楽しみに!!


こばやしはるお
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今週の Live ART↓
http://blanclass.com/japanese/


ライブアート
丸山純子 [ZZUT実験]


日程:1月21日(土)
開場:18:00 開演:19:30
一般:1,000円/学生:800円


はじめはおわり、おわりははじめ。ユートピアトトピア、トトピアユートピア
美術と音楽と文学というトライアングルの中で響き合いを願う。

《公開制作》
丸山純/美術家
主に廃材を使用して制作。代表作にレジ袋の「無音花シリーズ」がある。最近、廃油の粉石鹸工場を見学し、心が洗われた。
※ Utopia Totopia の90日間、記録アニメーションも公開予定。


《ヴァイオリン》
SAYURI/ヴァイオリンおよびヴィオニスト
室内楽合奏団「チェンバーアンサンブル ミュー ジャパン」主宰。音楽家育成「Ecole de Musique de Sugiyama Sayuri」開校。


《ひとり連句
万リー/作家
代表小説「黒い犬のウソ日記」、「舌打ちしっこの左膝のガングリオン母さん」、「家族写真」。自主講座、横浜文学学校、電脳出版 リヴァームーン丁社。