瀧健太郎 [空間と時間の交差]

 今週のLive ARTは、瀧健太郎が、初登場!! 自身のビデオ作品やプロジェクションアートから、昨年制作したドキュメンタリー「キカイ デ ミルコト」まで、昨今のメディアアートとビデオアートの黎明期を結んで考察する、上映&トークです。
 瀧健太郎さんには昨年、彼が監督した「キカイ デ ミルコト」制作中にはじめてお会いした。
 「キカイ デ ミルコト」は、日本のビデオアートの黎明期に活動したビデオアーティストの作品とインタビューで綴るドキュメンタリー作品。
 そこにBゼミ本に収録されていた和田守弘氏のインタビューを、朗読など、音声にして使用しても良いかとういう問合せを受けたのだが、そのインタビューはもともとビデオで撮影されたものだったので、撮影者の荒木隆久さんにも承諾を得て、映像をお貸しした。
 和田守弘は日本のビデオアートの先駆者の一人。残念なことに、2006年に急逝してしまった。インタビューは1997年に彼が教える高校の美術準備室に行って撮影したものなのだが、今になって、貴重な資料になった。
 和田氏には、私が若い頃、随分お世話になった。そのころから、ビデオアートの黎明期について、彼から話を聞き、ビデオアートが私自身の興味の対象にもなった。が、1990年代の終わりごろには、いつの間にか、ビデオアートという言葉は死語のように消えていった感がある。
 それは当然のことで、現在では映像のデジタル化が進み、映画とビデオの差は、機械の方ではほとんどなくなってしまったし、めまぐるしく変化するメディアに対応する形で、多様なメディアアートが次から次へと登場してきたからだ。
 今思うと、ビデオアートは、フィルム越しの映像文化との形式的な差異よりも、ブロードキャスティングへのカウンターカルチャーという、いわば「メディアアートの生みの親」としての役割の方が、より重要だったことがわかる。
 瀧健太郎氏を今回blanClassへお招きするにあたり、現状で、自身アーティストとして、メディアや都市と格闘しつつ、その表現の源泉を掘り下げていく姿勢に共感し、彼のアーティストとしの全体像を語ってもらうことになった。


こばやしはるお
 

軽食は「カボチャの蒸し煮、レンコンの土佐煮」お楽しみに!!
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今週の Live ART↓
http://blanclass.com/japanese/


プロジェクション・アート
|瀧健太郎 [空間と時間の交差]


日程:2月25日(土)
開場:18:00 開演:19:30
一般:1,000円/学生:800円


様々に変容するメディア=ビデオ媒体を使って表現している瀧健太郎のシングルチャンネル、インスタレーション、パフォーマンス、近年の都市空間でのパブリック・プロジェクション作品から、初期ビデオアート作家のインタビューをまとめたドキュメンタリーの紹介までを含め、メディアの即興性・記録性の側面から、場と技術による時空間構成に迫る。


健太郎 Kentaro TAKI
1973年大阪府生れ。2002年文化庁派遣芸術家研修員、2003年ポーラ美術振興財団の研修員として渡独。展覧会に2007年「目黒の新進作家展」、「Nippon Connection2009」、「第一回所沢アートビエンナーレ引込線」、「アジアンアートビエンナーレ2009」, 「Video Life」など国内外での発表多数。「黄金町バザール2011」では夜間の町並みに映像投影する作品"invitation"を発表した。
http://www.netlaputa.ne.jp/~takiken/
http://takiscope.blogspot.com/
http://www.vctokyo.org/