1月21日(土)・22日(日)岸井戯曲を上演する。#5[メイド喫茶の条件]ほか


月イチペースで行っているシリーズ「岸井戯曲を上演する。」第5弾!!


今回は「メイド喫茶の条件」という戯曲を4組のアーティストが上演に挑む。


しかし、「メイド喫茶の条件」という文章は、ハンナ=アーレント『人間の条件』を用いて、日本に生まれた「メイド喫茶」、それを生み出した文化的、精神的、思想的背景を読み込んでいくというもの。


読み進めていくと、アーレントの『人間の条件』を読みくだしているようにも、他の国には起こりえなかった不可思議な現象を読みくだしているようにも、どちらとも受け取れるような内容。


とはいえ、一般的な戯曲には見えないものばかりだったから、論文だからといって驚いていてはいけないのだろうが、さt、名乗りを上げた演出者たちは、これをどうやって料理するのだろうか?


どちらにしても文章をそれぞれに読み込んで、再解釈を加えるのだろうか? 上演に向けて、さらに別の台本を書くのだろうから、何か二重の作業が重ねられるのだろう。(それを上演台本というらしい)


世界の経済がアメリカを中心に高度に情報化、消費型経済に移行していく過程で書かれた、アーレントの『人間の条件』が予言していた未来を、現在の日本の社会に重ねあわせて考えるとしたら…? 演出者たちからの岸井戯曲とはまた違う角度からの解釈や考えが出てきたら面白い。


すでに「メイド喫茶の条件」を上演したことのある二十二会は「演劇はおもしろいものです」と「弱点の正気」という別の戯曲に挑戦するらしい。


併せてお楽しみください。



現在[岸井戯曲を上演する。#5]へ向けた放送室を生放送中。こちらもぜひご覧ください。

2017/1/19/二十二会/山田カイル/佐藤朋子/岸井大輔/blanClass放送室↓



こばやしはるお

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Live Art 月イチシリーズ
岸井戯曲を上演する。#5[メイド喫茶の条件]ほか


2016年9月から1年間毎月、blanClassで、岸井大輔作の戯曲を、さまざまなジャンルのアーティストにより上演します。ひとつの戯曲を、何バージョンかで上演し、終演後それぞれの上演を行ったアーティストでトークを行うことで、現代戯曲の可能性を考えるシリーズ。


第5回にあたる1月は『メイド喫茶の条件』を上演します。岸井戯曲中最長の論文形式の戯曲。21世紀日本のオルタナティヴスペース史を、秋葉原におけるメイド喫茶の盛衰の歴史に仮託し、ハンナ=アーレント九鬼周造をつかって読み解く、「東京の条件」の姉妹作品。過去に2回メイド喫茶の条件を上演した二十二会による別の岸井戯曲上演付。


メイド喫茶の条件]
バージョンA 榎本浩子(アーティスト)
バージョンB 大川原脩平(舞踏家/仮面屋)
バージョンC 萩原雄太(演出家/かもめマシーン)
バージョンD 鷲尾蓉子(アーティスト)

[演劇はおもしろいものです]&[弱点の正気]
二十二会

司会:佐藤朋子(アーティスト/Comp) マンガ:今井新(アーティスト)
21日トークゲスト:長島 確(ドラマトゥルク)


日程:2017年1月21日(土)・22日(日)
時間:19:00〜21:00(開場:18:30)
予約:2,000円/当日:2,500円

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〈予約方法〉ご予約は前日までにご連絡をお願いします。
〈タイトル〉[岸井戯曲を上演する。#5]予約〈本文〉1)日にち 2)氏名 3)住所 4)メールアドレス 5)参加人数
上記の内容でイベント前日までに以下のメールアドレスに送信ください。こちらからの返信を持って予約完了とさせていただきます。なお定員に達した場合などお断りすることもございますので、あらかじめご了承ください。
〈メールアドレス〉
info@blanclass.com

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大川原 脩平 Shuhei OHKAWARA

  • 舞踏家/仮面屋。「豆」をテーマにしたダンス作品をつくる。また、振り付けの概念を拡張することによりアートプロジェクトも行う。仮面専門店「仮面屋おもて」店主。
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榎本 浩子 Hiroko ENOMOTO

  • 1986年群馬県生まれ。自身の家族や友人、身近な出来事を主題に、私的な視点で社会との関係性を追求する作品を制作している。主な個展に「あたらしい朝がきた」(ya-gins、群馬、2016)、「話したくないこと 英語の勉強 布団を干す」(シャトー2F、東京、2013)など。
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萩原 雄太 Yuta HAGIWARA

  • 1983年、茨城県生まれ。劇作家・演出家・フリーライター。2007年、演劇カンパニー「かもめマシーン」を旗揚げ。主な作品に愛知県文化振興事業団主催の「第13回AAF戯曲賞」を受賞した『パブリックイメージリミテッド』、STスポット共催の『スタイルカウンシル』など。2011年、福島県双葉郡の路上で上演した『福島でゴドーを待ちながら』は、米ウォール・ストリート・ジャーナル紙や、イタリア・ローマ演劇記念館の『Waiting for godot today?』にて紹介される。
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鷲尾 蓉子 Yoko WASHIO

  • 東京生まれ。2003年女子美術大学美術学部絵画専攻洋画科入学。2007年東京芸術大学美術学部絵画科油画専攻入学。2010年「現役美大生の現代美術展」参加。コレクション国、韓国、台湾。2010年 せたがや文化財団 第二回世田谷区芸術アワード飛翔、大賞辞退。学生主催の美術教育についてのイベント「放課後のアトリエ」街の中でなにかについてミーティングをする「タウンミーティング」に参加。
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二十二会 NIJYUNIKAI

  • 演劇作家、渡辺美帆子と俳優・美術家、遠藤麻衣による演劇ユニット。演劇を構成する要素を使って遊ぶ。身体に鏡をつければ誰でもへんなうごきができる『へんなうごきサイファー』、観客一人の周辺視野演劇『目に殴られた』、食事会『ひばり』などを創作。2017年は音楽劇を創作予定。

http://watanabemihoko.com/
http://www.maiendo.net/

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今井 新 Arata IMAI

  • 1992年生まれ。港北ニュータウンで育つ。2009年、ホームレスのインタビュー映像に基づく映像インスタレーション《上野公園。ホームレス。五十嵐さん。》を発表。以来、都市における様々な事象を「取材」し、映像やドローイングによって独自のナラティブに再構成する形式の作品に取り組み続けている。その際に「イマイ君」という、作者自身の分身とも言えるキャラクターを自在に操り、取材経験を作品化することも多い。
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長島 確 Kaku NAGASHIMA

  • 日本におけるドラマトゥルクの草分けとして、演劇・ダンス・オペラからアートプロジェクトまで、さまざまな集団創作の現場で活躍。最近のプロジェクトに「長島確のつくりかた研究所」(東京アートポイント計画)、「←(やじるし)」(さいたまトリエンナーレ2016)など。
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佐藤 朋子 Tomoko SATO

  • 1990年長野県生まれ。2012年より振付家の小山柚香と共にComp.というカンパニーで主に「サンカ」というかつて日本にいたといわれる集団をテーマに作品発表をする(現在カンパニーとしての活動は休止中)。最近は自身の祖母の生い立ち話を「今ここに再生する」方法としてのパフォーマンスを制作したり、長野県飯山市北原地方に伝わる「狐にだまされた話」の調査をしている。
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岸井 大輔 Daisuke KISHII

  • 1970年生劇作家。他ジャンルで遂行された創作方法によるジャンルの形式化が演劇でも可能かを問う作品群を発表している。代表作「P」「potalive」「東京の条件」「好きにやることの喜劇(コメディー)」。2013年ー2018年にかけ、日本における現代演劇を探求するプロジェクト「始末をかく」実施中。