丁寧にみる人

音が描く風景/風景が描く音 鈴木昭男八木良太
アートフォーラムあざみ野


八木良太は「そこに存在しながら意識されないもの/識別不可能なもの」をテーマに作品をつくっているという。


彼の作品はあたりまえの現象から生まれる疑問を出発点にしているそうです。八木良太のテーマにはあたりまえの現象のなかに芸術があるとして、それを丁寧にみて抽出するという姿勢があって、それが一貫して見れる気持ちのいい展覧会でした。
前半には展覧会のテーマもあってか、音をテーマにする作品が並んでいました。柄の部分しかない傘の先端から伸びたヘッドフォンから雨が傘にあたる音が聞こえてくる作品や、詳しくはわからないですがおそらく音が一秒間に進む距離の340mの糸電話等。
後半に進むと、時間(時計)や視覚にテーマがシフトしていきます。それもモーターや鏡などを使った独特の装置で表現されていました。
会場を出るときにおもわず「あぁなるほどな」と思わされて、それはあたりまえの現象を扱っているからかなと思いました。


時間さえ掛ければ丁寧にみれるというわけではないし、丁寧にみるというのには独特の訓練とセンスがいると気づきました。そのセンスは人それぞれで、どんなものであろうと自分のセンスで丁寧にみるというのはとても大事だと思いました。


この展覧会は終わってしまいました。僕はまだ行けてないけど八木良太は「移動 〜無人島 in 高円寺での最初で最後のグループ展〜」にも参加しています。





音が描く風景/風景が描く音 鈴木昭男八木良太
http://www.yaf.or.jp/azamino/event/present/index/oto/index.html
移動 〜無人島 in 高円寺での最初で最後のグループ展〜
http://www.mujin-to.com/currenido.html



上田朋衛