おとことばこのアンサーメール

 前回の+night(2010年4月17日)は、《岡田貞子+おととことばこ》のコラボレーション・パフォーマンス「ぎおんさくら」だった。テーマになったのは「さくら」、ちょうどblanClassの裏山に咲く山桜が散りはじめていて、内でも外でもさくらが舞い散る、ドンピシャリなシチュエーション、パフォーマンス後には「さくら湯」と「さくら餅」も振る舞われ、まさにさくら三昧の夕べであった。
 去年の10月、まだお互いをさほど知らない彼女たちに、「さくらの季節にコラボレーションしてよ」という私の無茶な提案ではじまったのが、今回のプロジェクト。しかしその後は丸投げしてしまったから、双方の役割分担から、どうやってコラボレートしていくかを組み立てていくのは、きっと大変だったと察する。分担はというと、テキストを担当したのが岡田貞子(舞台装置も担当した)、音づくりを担当したのが“おととことばこ”というのが大枠だった。
 岡田貞子の紡ぎだす「ことば」というのは独特で、文節ごとにバラバラに発せられた「ことば」は、それぞれが接着していない感があり、標準的な会話などで交わされる「ことば」のような一塊の文章には、なかなか聞こえてこない。眞島竜男いわく、「後になると全然思い出せない」ものなのだ。
 公開インタビューで「今回のコラボレーションで発見したことはありますか?」という質問に、おととことばこさんは「岡田貞子の文章にずっと向きあっていると、いつしか岡田さんになっていく、自分がそのことばを発していくと、頭のなかでは完全につながっていく」というようなことを話した。それを私は「岡田化」と呼んだ。
 日曜日の朝、おととことばこ(山本唯)さんからメールをもらった。この「岡田化」について、公開インタビューでは触れなかった分析が、ずいぶん的を射ていると感じたので、ほとんどそのまま載せることにした。(以下、おととこばこさんからのメールより。)
 今回の作品、来年のさくらの季節に再演したいと思っている。2人には、まだちゃんと話していないが…。



こばやしはるお