ときたまワ−ルド

 「ときたま」の、これまでの仕事をほとんど網羅した展覧会が、今日から始まった↓


ときたま1993−2010コトバノチカラ
2010年5月7日(金)〜30日(日)11:30〜19:00
BankART Studio NYK Mini + Pub ↓ http://www.bankart1929.com/
 761枚におよぶ「ときたま」全作品。610人以上が参加している映像「onときたま」全作品の上映。世界29カ国から287人が参加しているメールアート。コラボwith「背中の向こうに見えるもの」。ほかにもトークにライブ,パーティなどのイベントや可愛いときたまグッズも販売と、盛りだくさん。↓http://blog.tokitama.net/archives/51528155.html


 「ときたま」さんは、2010年4月3日(土)に+nightに登場した。[ときたま@blanClass]はstickam「わいわいチャット」で、blanClassのカメラを含めて6枠つかってライブチャットをした。会場のお客さんは、プロジェクションされたライブチャットを見ながら、一緒に「onときたま」ゲームに参加した。(今回のBankARTの展覧会も意識して、BankART Pubに出張カメラを置き、アーティストの中川敏光と吉本伊織もチャットに参加してくれた。)
 ゲームというのは、16年つづけている「週刊ときたま」に書かれたことばをお題として、チャットの参加者や観客に投げかけ答えをフリップに書いてもらってわいわい言いながら遊ぶというもの。ちなみにその夜出題されたお題は、「鏡回数」:今日鏡を何回見ましたか? 「失言率」:パーセンテージで答えてください。「わたし(ときさんが)が、娘なのがいい、姉なのがいい、妹なのがいい、母なのがいい、奥さんなのがいい、恋人なのがいい」:どれならいい? 「陽毛」:ってなんのこと? 「朝にやる昼にやる夜にやる」:なにをやる? だった。
 「週刊ときたま」というのがなにかというと、「記憶力がないので何度でも楽しめる」「ゴムのあとかゆかゆ」「日々是人体実験」「批評より利用」「恋愛はしちゃうもん」「本番回数」「次があるしくみ」「未来の記憶を作る」「確信速度」「きすすき」「セックスの1回は何が1回」「最後だと思ってやる」などなど…、土岐小百合が日々の暮らしの中で発見した世界の断片『TOKIのことば』が印刷されたはがきを購読できるというものだ。いまでははがきだけでなくガチャダマのなかに入っていたり、フォーチュンクッキーに入っていたりと展開している。
 ときたまは、ことば由来のアーティスト。といって詩人というのでもないし、絵画や彫刻をバックグラウンドにしているわけでもない。強いていうなら、ときたまの本体の土岐小百合が、かつてプロデューサー(写真雑誌「デジャヴュ」の発行人)として発揮していた、企画力が源泉か? 世界のちょっとした情景や気になることを、雑誌の小見出しやキャッチコピーのように(飯沢耕太郎氏いわく「ことばのスナップショット」)をポンポンポンポンとことばに変換していく。日本では希有な能力を有する作家かもしれない。


こばやしはるお