山城 大督 [《Singing in the Rainbow.》―カメラのために、時間を― (Ver.2011)]

 今週の+nightから、いよいよ新港ピア「新・港村」へ出張する。大半の+nightはゾーンA:新・港村スクール校舎でをおこなう予定だが、今週末のみ、手塚貴晴+手塚由比デザインの半透明樹脂の蛇腹壁でできている、新・港村劇場が会場。(ちなみに9/17はカフェで、10/29は倭館、ほかの日程はスクール校舎の予定)
 出張第一夜のゲストは山城大督。+nightは1年ぶり2度目の登場。先週、新港ピアで会場を下見しながら打合わせをした折、会場が蛇腹の新・港村劇場に変更になり、瞬時、彼のイマジネーションも急展開した。
 だから、下に示している紹介文とは内容が大幅に変わる。山城くんからもコラムが届いているので、すぐ上に掲載する。大幅に変わるといっても、昨年の8月にblanClassでおこなった映像作品の撮影を前提としたパーティー形式のパフォーマンスの展開版であることには変わりはないだろう。
 昨年のそれは、タイムラインとしてあらかじめ明示されているパーティーの進行に、入場者も協力者も、同等に映像作品の出演者となり参加するというものだった。誰もがドンドン展開していくもうひとつの進行、ハプニングに(山城監督の意のままに?)巻き込まれていく。山城は全体をニヤニヤ笑いながら要所要所で完結に指示をしていく。参加者たちは頭のなかでは了解しようと努めてみるものの、こまかく仕込まれていたり、偶発的に起こるハプニングに少しずつ翻弄されていき、最後は悪夢のような体験と自覚をしていく。
 日常の経験の一部と同じほどの事件であるはずなのに、その時間がつくられた、真意や目的、本当の部分と虚偽の部分、仕込みの部分と偶然の産物、それら後どのディテールでも混在しているように混乱してきて、どうにもトラウマのように後から思い出してしまう。そういう作品体験だった。
 山城コラムを読んでも今回も参加する誰もが、それぞれに特異な体験を、一寸先にはなにが起こるかわからない恐怖の体験を味わえることだろう。今から楽しみにしている。


こばやしはるお


今週の+night↓
http://blanclass.com/japanese/


山城 大督 [《Singing in the Rainbow.》―カメラのために、時間を― (Ver.2011)]
2010年夏のblanclass。司会者役の女が倒れる…、突然男が叫び続ける…、カメラマンの震えが止まらなくなる…など、参加者全員を激震させた美術家山城大督による「《Singing in the Rainbow.》―カメラのために、時間を―」がさらに2011年バージョンアップ版として「新・港村」にて再演決定!来場者は簡単な“ルール”に従って、パーティ形式の撮影会に参加するだけ。気持ちいい夏の夜、友達を誘ってぶらりと来てみてはいかが? あなたのご来場を心よりおまちしております。
Lights, Camera, Action !!!

★2010年バージョンの様子:http://youtu.be/UzfNnmPOdUw


会場:新・港村ゾーンC:新・港村劇場(新港ピア/横浜市中区新港2-5)
日程:9月3日(土)
開場:19:00 開演:19:30
一般:1,300円/学生:1,100円


山城大督 Daisuke YAMASHIRO
1983年大阪生まれ。美術家。映像ディレクター。その場でしか体験できない《時間》を作品として展開。主な作品に、広島の住宅街を舞台に50人の少年少女が同時間帯に自宅のピアノを演奏するコンサート《Time flows to everyone at the same time.》(2010)がある。主な個展に「TOKYO TELEPATHY」(2011)。「Nadegata Instant Party(中崎透+山城大督+野田智子)」などのコラボレーションワークも多く手掛ける。岐阜県立国際情報科学芸術アカデミー(IAMAS)修了、京都造形芸術大学芸術学部卒業、山口情報芸術センター[YCAM]エデュケーターを経て、東京藝術大学映像研究科博士後期課程在籍。
http://www.yamashirodaisuke.com/