これは障害のある人に対する見方を変えるものになるかもしれない!|姫崎由美

私は知的障害のある人のポートレイト写真を撮影している。本業では、知的障害のある人の生活支援をしている。仕事で障害のある人と接する中で、アートがその人に与える影響について、とても興味を持った。例えば余暇でコンテンポラリーダンスを始めた人が、そのことで褒められ自分に自信を持ち、自分のダンスが踊れることを誇りに感じることで、周りの人たちもその人に対して別の見方をするようになる様子を目の当たりにした。
「アートって障害のある人に対する見方を変えるものになるかもしれない!」
大袈裟にもそんなことを思い、僭越ながら自分もそんな部分にもっと関わりたいと思うようになっていった。そんな経験から、自分が障害のある人と、写真をキーワードにした関わり方を模索していたところ、大久保潤さんの写真と出会ったのだった。


写真:教会へ行く/大久保潤


ひめさきゆみ(知的障害者のケアホームの生活支援員、写真家)

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大久保潤写真展/企画・姫崎 由美 Yumi HIMESAKI

  • 2009年、知的障害者のポートレイト写真「gifted−誰かが誰かを思うこと−」で、第15回酒田市土門拳文化賞受賞。本業は知的障害者・ケアホームのスタッフ。写真を通して障害のある人と社会を結ぶ一助となるような活動にも取り組んでいる。