甘いもの疲れ

2月21日に5年ぶりのイベントをします。
前回は10年ぶりでした。どこかの映画監督みたいなペースですね。
このペースだと次は2年半後でしょうか。


さてどうしよう、と何かを具体的にするために、考え始めて整理がつかないと、不安からか図書館へ通う回数が増えます。
ここのところ借りては返し、借りては返し、図書館なので当たり前ですが、読み切れないのに分厚い本を貸し出し上限の6冊めいいっぱい借りたりします。
そして同じ本を読み切れずに返してまた借りる。を繰り返しています。
なので、入り口の貸し出しカウンターのみで用が済んで、本当にただタッチして帰る時もあります。


主に横浜の中央図書館を利用しているのですが、借りる返す以外にも面白いこともあります。
ちょっと前は、話題の理化学研究所のノートがもらえるクイズリレーをやっていました。
全部回るまでもなく答えはわかってしまいましたが、さすがにノートはもらいませんでした。


先日もまた発見がありました。こういうことをカラーバス効果と言うのだと思います。
1階に展示コーナーというのがあるのですが、そこで『明治時代に『お料理小説』があった!〜村井弦斎と『食道楽』の世界〜』という企画展示をしていました。(2月15日(日)までやっています。)
『食道楽』(1903年)はなんというか、食道楽の主人公をめぐる、込み入った恋愛小説のようでしたが、そこに盛り込まれた料理の数々、巻末にレシピ付きということでベストセラーだったようです。
展示は、作者の村井弦斎さんの年表や『食道楽』の紹介、同時代の料理本などの展示と、関連書籍の紹介もされていました。
そこで『実験和洋菓子製造法』(梅田矯菓 著/大倉書店)という本を知りました。明治38年(1905年)の本です。
(これは、国会図書館近代デジタルライブラリーで読むことができます。*1
紹介されている洋菓子には、ストロベリージャムから始まり、アントナン・カレームが作りだしたシャルロットやエクレア、ミルフィーユやクロッカン、フィンガービスケットやメレンゲ、アイスクリームのレシピも載っています。
和菓子では、今出会うと新しいもののように思ってしまうような、いちじくの羊羹、レモン最中、チョコレートおこしなどなど。
当時、どのぐらいの人が、こういうものを実際に口にすることができたのかは、まだ未確認ですが、すでにかなり豊かだったのですね。
砂糖は高価だったのでは?と思っていましたが、今の甘さ控えめブームとは違い、がっつり甘そうです。
『菓子話船橋』(天保12年・1841年)という本もあります。
これは和菓子のみですが、かなりの量、砂糖が国内で賄えるようになってきていた頃で、お家で作ってみてね、という羊羹や饅頭のレシピが載っています。


そんなこんなで、お菓子や料理にまつわる本を読んでいたら、食べているわけでもないのに甘いもの疲れしました。
このコラムを書きながら、イベントに向けてウォーミングアップに焼いたティーブレットは甘さ控えめです。


あべしょうこ