12月4日と11日の2週にわたって、日曜日の夕方から特別セッションをします。予約制ではありますが、是非お気軽にご参加ください。
10月に笠原恵実子さんに40日間に渡って行われたアメリカ先住民を訪ねるリサーチ旅行の報告会をしていただきましたが、その時は、お食事会も兼ねて、お客さんたちと共に、彼女が経験してきたことを直接話しながら共有するための夕べになりました。
http://blanclass.com/japanese/archives/20161007/
同じテーマの報告会を前回を#1として、さらに2回、今度は中村寛(文化人類学者)をお招きし、小林晴夫(blanClass)も加わって、鼎談の形式で継続することになりました。
前回のお食事会では、大きく3つの流れがあったように思います。
1つ目は、まずは先住の民族を排除してまで、アメリカが得ようとしたものを確認するために、ナバホ、ホピなどの居留地や虐殺があったウンデッド・ニーや大陸横断鉄道ゆかりの地などを訪れて、文化的な視点でひとつひとつ確認していくこと。
2つ目は、アメリカでのネイティブアメリカンの扱い方自体が、他の有色人種などに対する人種差別とは違い、慈善的価値や博物学的価値までが絡み、先住民の意識までも巻き込んだ、歪んだ形が読んで取れるということ。このことから、ネイティブアメリカンの問題を、一国の内政問題として片付けるのではなく、もっと広い歴史的な視野で、近代的な価値観が暴力的に侵攻した、ひとつの結果としてみることができるのではないかということ。
3つ目はこうした実感を踏まえて、1950年代以降に起こったアメリカ現代美術とアメリカ中西部に埋もれた文化との深い関係を、アグネス・マーティン、ロバート・スミッソン、ブルース・ナウマンなどの仕事から読み取ろうとする試み。
という3つが、笠原さんがあげた問題提起だと思うのですが、中村寛氏が研究対象にしている、差別や暴力のことなどとも照らし合わせて、現在起こっている問題などとも重ね合わせながらカジュアルにお話ができたらと思っています。
こばやしはるお
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★特別日曜セッション|リサーチ・フィールドワーク・検証
笠原恵実子[アメリカ先住民、大陸横断鉄道、そしてアメリカ現代美術 #2, #3
http://blanclass.com/japanese/schedule/20161204/
http://blanclass.com/japanese/schedule/20161211/
https://www.facebook.com/events/673185826176331/
ゲスト:中村 寛(文化人類学者)/小林晴夫(blanClass)
日程:2016年12月4日(日)/11日(日)18:00〜
入場料:1,600円(要予約・ドリンク別)
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〈予約方法〉ご予約は前日までにご連絡をお願いします。当日でも受け付けますが、準備のため一応メールでご予約ください。
〈タイトル〉イベント名〈本文〉1)日にち 2)氏名 3)住所 4)メールアドレス 5)参加人数
上記の内容でイベント前日までに以下のメールアドレスに送信ください。こちらからの返信を持って予約完了とさせていただきます。
info@blanclass.com
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笠原 恵実子 Emiko KASAHARA
- 初期は身体を通じて女性と社会との関係性を考察する彫刻作品を制作。近年は、性別や宗教、国籍や言語など社会を規定する制度とその状況についてフィールドリサーチを行い、その記録を元に制度の曖昧性を示唆する作品を制作している。その手法は彫刻に留まらず、写真、ビデオやパフォーマンス、ドローイングなど多岐に渡る。国内外での個展の他にPARASOFIA(2015),横浜トリエンナーレ(2014),シドニービエンナーレ(2004),光州ビエンナーレ(2001)などで発表。
www.emikokasahara.com
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中村 寛 Yutaka NAKAMURA
- 人間学工房の呼びかけ人/文化人類学者/多摩美術大学准教授。「周縁」における暴力や社会的痛苦、それらに向き合う文化表現、差別と同化のメカニズム、コミュニケーションなどのテーマに取り組む一方、「人間学工房」を通じてさまざまなジャンルのつくり手たちと文化運動を展開する。著書に『残響のハーレム――ストリートに生きるムスリムたちの声』(共和国、2015年)。編著に『芸術の授業――Behind Creativity』(弘文堂、2016年)。訳書に『アップタウン・キッズ――ニューヨーク・ハーレムの公営団地とストリート文化』(大月書店、2010年)。
http://www.ningengakukobo.com/
y-nakamura@tamabi.ac.jp
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小林晴夫 Haruo KOBAYASHI
- 2009年blanClassを創立、芸術を発信する場として活動をはじめる。以来、毎週土曜日の夜に行っているLive ARTのほかに、月イチセッション、週イチセッションなどを企画運営している。編著に『market by market 12 – スカイホーク特集』(1997・マーケット発行)、『Bゼミ「新しい表現の学習」の歴史』(2005・BankART1929発行)がある。2009年「原口典之 社会と物質」(芸術批評誌 REAR no.22)を執筆。