場所を見る作品


前回のコラムにも書いたように先週までBankART Studio NYKにて写真展を開催していました。そしてそのときちょうど開催時期が重なっていたfull course フルコース 食と現代美術 part6を回りました。
作家達が準備した場所をめぐり、食事とお酒を堪能するフルコースです。
僕はBankARTで食前酒のビールとグリーンカレー風のスープ、BankART Frontで100vの電流で調理されたソーセージ、本町実験ギャラリーで革命家達の名前がついたカクテルから「ゲバラ」、くじら横町のかつ半でクジラのベーコン、かもめ荘で貰ったお米弁当を持って成岡家で卵焼きとわかめの茎の和え物、大根の醤油漬けを食べ桜荘でまんじゅうと抹茶を頂きました。

くじら横町では三宅航太郎の「おしょくじら」がおこなわれていました。くじら横町の指定された場所に向かい、おみくじをひく、そのひいたおみくじによって向かう店が決まります。僕の場合はかつ半という店で、おみくじを見せてくじらのベーコンを食べました。

BankARTから本町実験ギャラリー、ぴおシティは作品を見る場所としてありますが、くじら横町を歩かせる「おしょくじら」のところで作品を見にその場所にいくのではなく、場所を見る作品に変わっています。そしてその場所は作品を見るために作られた場所ではないので「おしょくじら」が終わった後も変わらずそのままであります。この「おしょくじら」という作品を通して経験したことは作品自体ではなく、くじら横町やくじらの食文化自体に定着するのではないでしょうか。
ちょうどBankARTで写真展をやっていたこともあり、この作品を見る場所から場所をみる作品への変化が強く印象に残りました。


町中に机を置いて座り、近所の子どもと仲良くなりちょっと日焼けしている三宅航太郎の姿もよかったです。ここ数日間の寒さで体調を崩していなければいいのですが。



明日までです、お時間のある方は是非。
full course フルコース
食と現代美術 part6
http://www.bankart1929.com/

上田朋衛