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2010年5月8日(土)
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開場/開演 15:00〜
一般 1,000円 学生 800円
http://blanclass.com/_night/archives/805



 今週の+nightは、chakaが登場。2008年当時、東京綜合写真専門学校3年生だった、波多野康介と嘉義拓馬によって結成された写真コンビだ。2人は共通して、今日の写真の扱われ方に興味を抱いていたという。特にネット上に貼付けられたとたん、どんな写真も〈画像〉と呼ばれ、だらだらといつまでも眺めてしまうかわりに、プリントや印刷で見る写真のようには引っかかりがなく、収拾がつかない状態。「そういうネット上の写真〈画像〉をどうやって見たらいいのかがわからない」のだそうだ。広い意味での写真のあり様を問うていくのが彼らの表現のモチベーションなのだ。
 2008年に東京綜合写真専門学校の1階にあるギャラリーで発表した作品は、はがきサイズの写真を2枚重ねて展示したもの。ちょっとした時間のズレを観客がめくりながら確認していくという仕掛けだった。ギャラリー内だけでなく、2人は街に出てさまざまな場所、たとえばトイレの中に貼ってまわったり、フリーペーパーの間に作品を忍ばせたりした。興味があるのは人がどうやって写真を見るか、その行為のことだった。
 2009年の同校卒展「カミングアパート」では、毎日吸い続けた煙草の吸い殻の標本、大きな紙に数字を1から疲れてやめてしまうまで書いていくというワークショップ、「息絶えるまで」は街で出会った人々に息を止めてもらう。「かさおうち」はコンビニでもらった忘れ物の傘を使って公園に基地をつくる。インスタレーションとドキュメンタリー映像を併用した展示だった。
 100個のゲームをつくることを目指してはじまったプロジェクトは結局4つだけが実現された。展覧会に与えられた場所があって思いついたらしいが、これらの作品も「写真の撮られ方や写真の見方」に着想があったとすれば面白い。いうなれば、撮影行為と日常行為の隙間に置き去りにされている、変な感じ(間)をインスタレートしていたように思うのだ。深読みだろうか?
 今回はインターネット上に無数に増殖しつづけるweb写真〈画像〉を文字通り無数につかって写真を見るための実験をするという。午後の3時から8時まで、5時間もの間、その無数の写真(それでもごく1部なのだが)がプロジェクションされつづけるのだそうだ。それでも時間が少ないのかもしれないが、これはなんとかの耐久レースと言ったところだろうか? しかし、写真の現状というか、もはや誰も所有を許されない写真の未来を垣間みれるかもしれない。



こばやしはるお