山城 大督/Singing in the Rainbow. —カメラのために、時間を— (撮影編)

今週の+night↓
http://blanclass.com/_night/archives/1882

8月7日(土)
山城 大督
[Singing in the Rainbow. —カメラのために、時間を— (撮影編)]
パーティースタート:14:00(準備)17:30(撮影)
入場料:1,800円/学生 1,600円
飲食は無料


美術家 山城大督が映像作品「Singing in the Rainbow.」をblanClass+night にて制作します。来場者は簡単な"ルール"を覚えてパーティ形式の撮影会に参加するだけ。気持ちいい夏のパーティ、友達を誘ってぶらりと来てみてはいかが? (美味しいご飯・ビール・音楽…完備)。 Lights, Camera. Action !




 今週の+nightは、blanClassのもう1人のディレクター波多野康介がセッティングをした企画。実は+nightの1/3〜1/4程度の企画は、波多野がディレクションしている。私が山城大督という人の存在を知ったのは、水戸芸術館現代美術ギャラリーでおこなわれた「現代美術も楽勝よ。」展(2009年8月29日〜10月12日)だった。波多野に誘われて、何人かで車で行った。展覧会はアーティストユニット Nadegata Instant Party (中崎透+山城大督+野田智子)が制作した映画『学芸員Aの最後の仕事』(1h 6min)の上映と、映画の内容と連動した展覧会(水戸芸収蔵作品による)によって構成されたものだった。
 映画は役者も含めたボランティア・スタッフを大々的に募集して制作されたのだという。映画と展覧会との虚実のズレをつくる目的よりも、細部に生まれた違和感の方が際立っているという作品だった。
 そのNadegata Instant Partyのメンバー、中崎透+山城大督+野田智子は、それぞれの活動もしている。
 今回の+nightのために、5月26日に山城氏と打合わせをしたときに、これまでの山城作品のアーカイブを見せてもらった↓
http://www.yamashirodaisuke.com/

 彼の作品は簡単に言ってしまえばコンセプチュアルな作品なのだが、山城独特のメソッドがある。複数の同じ型の腕時計が国内外に点在していて、同じ時間にアラームを鳴らす。山城自身の腕のアラームが鳴るとき点在したほかの時計を想う。その時間のあり方を作品として捉えているというのだ。「This alarm rings every hour. 腕時計(2006)」
 「Time flows to everyone at the same time.吉島・ピアノ・レッスン・コンサート」は、広島市吉島地区の住宅街を鑑賞者がマップを頼りに巡る。タイムスケジュールに添って、いつも本当にピアノの練習をしている子どもたちのピアノレッスンをお家の外から鑑賞するという作品。鑑賞者たちは頭のなかで、記憶のなかにいつか聞いた街に漏れ聞こえていた拙いピアノレッスンを思い出してしまう。
 山口に走るSLを題材にした作品では、走るSLを撮影するのではなく、そのSLのなかからSLに手を振る人々を撮影する。手を振っている人々は運転手や乗客に手を振っているわけではないだろう。それではなにに手を振っているのだろうか?「People will always need people.」
 今回の+nightも、そんな山城メソッドによる新作映画の撮影会なのだ。パーティーは本物でもあるけれど、山城氏によってお客さんはいろいろな役に振り分けられ演技をしながらパーティーに参加する。(もちろん純粋にパーティーにだけ参加したいと言うお客様がいればカメラには写らないように配慮します)。きっとパーティーというものが、そもそも演劇のように人々が演ずる場なのだろうが、あえて演技を意識することで、もっと違ったことが発見できるかもしれない。



こばやしはるお