西浦の観音様のお祭り




西浦の観音様のお祭り

 2月20日(日)の夜から多田正美さん、鈴木理策さんとblanClassのスタッフで西浦観音堂のお祭りを見にいってきた。今年+nightなどでお2人のコラボレーションができないものかと考え、そのきっかけになればと企画した「遊び & お仕事」だ。
 西浦は静岡県の北西部、浜松市天竜区水窪町にある。西浦の観音様のお祭りは、国指定の重要無形民俗文化財。西浦の小字所能にある観音堂境内にて、毎年旧暦1月18日、月の出から翌日の日の出まで(約11時間)、夜を徹して行われる農祭り。
 私と理策さんはその日の昼間から共通の友人の結婚式と披露宴に出席していたので、辿り着いたのは12時頃だった。多田さんはほかのblanClassスタッフと一緒に7時半には到着していたから最初から見ていた。
 その多田正美さんは28年前にこのお祭りに出会い、触発されて、現在のサウンドエンカウンターにいたる彼のパフォーマンスをはじめたのだった。
 多田さんは日本中のお祭りを巡ったなかでも、このお祭りの珍しは特別だと言う。1200年世襲で連綿と続いていることもそうだが、日本の芸能のすべてを盛り込んだ演目の多さもすごい。また微妙に音の高さの違う太鼓が2つというのもそうとうに珍しいのだそうだ。
 私も彼に誘われてちょうど15年前にこのお祭りを見たのだが、ほとんどなにも変わっていないことに本当に驚いた。1年に一度きりしか行われないものの、そうと決まって行ってみると何十年経とうが、ほぼ同じものが見られるという伝統の芸能というものは「なんとすばらしいことか」とつくづく感動した。そしてお囃子のきらびやかさ、ステップのセンスの良さ、面(おもて)の抜群さに久しぶりに酔いしれた。決して古くならないものはあるのだ。
 近々、多田正美、鈴木理策、ご両人のコラボレーションを企てるので、お楽しみに!!


こばやしはるお



以下は西浦の観音様のお祭り、演目のすべて


旧暦一月十七日(前日)の舞い
1.庭ならし、2.みこ舞(三番)、3.麦つき田打ち、4.花ささら、5.高砂、6.しんたい、7.梅花


旧暦一月十八日昼間
1.おこない、2.閻魔墨、3.面さいずり、4.御酒上げ、5.庭あがり


旧暦一月十八日月の出
地能三十三番
1.庭ならし、2.御子舞、3.地固め、4.もどき(地固め)、5.剣(つるぎ)、6.もどき(剣)、7.高足、8.高足のもどき、9.猿の舞、10.ほだ引、11.船渡し、12.鶴の舞、13.出体童子、14.麦つき、15.田打ち、16.水な口、17.種まき、18.よなぞう、19.鳥追い、20.殿舞、21.早乙女、22. 山家早乙女、外.くらいれ、23.種おり、24.鍬とり、25.糸引き、26.餅つき、27.君の舞、28.田楽舞、29.佛の舞、30.冶部の手、31.のた様、32.翁、33.三番叟
       

はね能十ニ番
1.高砂、2.しんたい、3.梅花、4.観音の御法楽、5. 鞍馬天狗、6.猩々、7.山姥、8.さお姫、9.屋島、10.野々宮、11.辨慶、12.閏舞


しづめ
獅子舞、しづめ、火の王、水の王


旧暦一月十九日日の出