沖啓介氏から明日のワークショップのルールが送られてきた。
明日のワークショップはジョン・ゾーン(John Zorn)の「COBRA」をベースにしている。
この「コブラ」、実は私も何度かライブを聞きにいったことがある。90年代の頭にニューヨークに住んでいた頃、その当時通っていた、地味に盛んだった、いくつかの小さなパフォーマンススペースに、音楽、New MusicやContemprary Jazz をあつかう「New Music Café」、「ROULETTE」と「Knitting Factory」の3つがあった。
「New Music Café」では、Anthony BraxtonやSteve Coleman、「ROULETTE」は、トロンボーン奏者のJim Staleyという人がディレクターで、当時はトライベッカのロフトにあったのだが、それは彼の住んでいるお家だったのではなかったか? Lawrence D. Butch Morris、David Weinstein、Shelly Hirsch、ジョン・ゾーンの「Naked City」もここで見た。「Knitting Factory」には足しげく通っており、最初は1件だったのが、3件ぐらいに増殖していったように記憶している。ここはちゃんとスポンサーもついていて、幅の広い音楽を生で提供する場所だった。思い出深いライブは、Don Byron、Ambitious Lovers(Arto Lindsay)とDavid Murray Big Band(このバンドの専属指揮者はLawrence D. Butch Morris)だが、ジョン・ゾーンも常連で、ここで「COBRA」の演奏を何度も見た。
「COBRA」のジョン・ゾーンは、いわば指揮者のように演奏者の手前に陣取っていて、お手製のカードボードをかざしながらなにやらサインを送っていた。とにかく忙しいライブで、指示を受けたミュージシャンもただ漫然と演奏するわけではなく、次々にやることがたくさんある。いつも最初はぎこちないのに、だんだんとエキサイトしてグルーブのようなものが渦を巻いていく、といった即興ゲームなのだが、キャップ姿もあってか(これも重要なアイテム)、私はまるでスポーツだと思った。
ところで、私はルールが全然わかっていなかった。今日までルールもわからないまま放っておいたのだ。それが明日、すっかりわかるのかと思うと、寂しいようだが、やっぱり嬉しい。
こばやしはるお