Gateway to art [ステューデントナイト vol.6]

 「gateway」というのは「登竜門」という意味なのだが、もうちょっと正確に訳すならば、今後の成長を応援するという意味合いが強い。
 実際のところどんな登竜門にしても、そこを通過すれば、「はいプロです」というシステムなんてあるわけがない。
 これまでステューデントナイトへ参加をお願いした人たちの多くは、blanClassがどんなところかイメージを持っているアーティストたちに紹介してもらってきた。結果的に学校や学部などに関係なく、ビックリするほど多様で濃い内容のステューデントナイトが続いてきた。
 そこでいつも思うことは、彼らの表現の収まるちょうどいいセクッション(ジャンルでも形式でも)が既存の制度のなかにはないかもしれないという危惧。
 思えば、世の中の点在するセクションは数ばかりが増えて、しかし同時に破綻が見られるような現在にあって、アートに限ったことではなく、自ら仕事を創造するような思考(起業精神のような)が本当に必要なのかもしれない。
 ステューデントナイトも今回で6回目。そろそろ定着してきた観もあるが、もっともっと真摯な思考の交流の場であり、アーティストへの実際のgatewayとして機能するよう、進化させていきたいと、願う。


こばやしはるお


さて今回の7組の参加者からプランが届きました。あまり詳しく公開すると「ネタバレ」になってしまうおそれがあるので、触りだけ!!

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太田依李 [うつしとる]
物体の変容。イメージの重なり。うつしとる、繰り返すという行為について考えてみたいと思います。


自分が置いたものを置き直す。行動を行い直す。
パフォーマンス時間 5分程度

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倉岡良太 [回数]
いつも物体を使って制作をしています。展示という縛りのなかで作品を置くことだけをしてきました。展示の形式にいつしか慣れてしまっていました。なので今一度自分にとっての表現方法を考えてみたいと思います。発表の形式が変わると何かができるのかも、あるいは何もできないかもしれない。もうどっちでもよいのでとにかく何かやります。


パフォーマンス時間 10〜15分

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倉本弥沙 [その道中の陽気なこと]
冬だった世界に春の訪れを知らせに。春は暖かくてのどかで哀しくて頭が可笑しくなりそう。

一人寸劇。春をめぐる言葉をぶつぶつと言おうかと思ってます。
パフォーマンス時間 15〜20分程度

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時里充 [Printer 2 Printer]
前回は、スチューデントナイトに参加したときはコンピュータ同士がスカイプを使い自動でしりとりをする作品を発表しました。今回はプリンターを使用したプリンターからプリンターへ送っていく作品を発表しようと思います。


パフォーマンス時間 20分程度

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藤原佳恵 [メントールの甘いキャンディ]
自分の主な活動は、絵画による表現です。支持体に水をぶちまけ、絵具のたゆたいに委ね、作品を作っています。そのほか、他者の作品に身を投じる活動も続けています。どちらの活動も、物事を「受け入れる」ことで制作を進めています。今作品では、観者と自分とを一枚の布で隔てる事で、両者が可能になるアクションを、参加者と一緒に模索します。

布で人を包み引きずり合う
パフォーマンス時間 20〜30分

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人見麻紀 [Happy Land(出張版)]
"Happy Land"シリーズでは、私はロボットを作りながら、生きていること、生きているように見せかけること、いつ、そしてなぜ「それが生きているように見える」と人が感じるのか、そのようなものに出会ったときのコミニュケーションのあり方などに興味を持ちながら制作しています。

ハムロボット装置の設置とは別にパフォーマンスをやります。
パフォーマンス時間 30分程度

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峰村 峻介 [いない人々]
ある食卓に夕食の準備がなされ、沢山のご馳走が並べられた。あなたは米粒一つ残らず食しなさい。また(しかしその前に)、完食迄のイメージを鮮明に描きよく計画を練りなさい。どの様に食されることがいいことなのだろう。それはきっとあなた次第だ。食事を終えたらきっといない人々が出迎えてくれることでしょう。


ぶら下げた紙に切ったビニールテープを貼っていくパフォーマンス。
パフォーマンス時間 12分


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今週の Live ART↓
http://blanclass.com/japanese/


[ステューデントナイト vol.6]
blanClass好評&定番企画、現役学生によるステューデントナイト第6弾!! 今回は7組が参加。学校を離れて他流試合をしていただきます。順番は未定。


日程:3月31日(土)
開場:15:00 開演:16:00
入場料:700円


太田 依李 Eri Ota(武蔵野美術大学 彫刻)
1987年岐阜県生まれ。2011年武蔵野美術大学造形学部彫刻学科卒業。2011年武蔵野美術大学大学院造形研究科彫刻コース在籍。グループ展に「小平アートサイト09」(武蔵野美術大学内・東京・2009)、「Art Program Ome|ポップステップ青梅でジャンプ」(青梅市内・東京・2011)がある。


倉岡 良太 Ryota KURAOKA日本大学芸術学部 彫刻コース)
1984年神奈川生まれ。高校をすぐに中退し充電期に入る。2003年美学校で絵画をはじめる。しかし、すぐに行き詰る。2006年日本大学文理学部哲学科入学。芸術理論を学ぼうとするが制作がやりたくなり半年で中退。平面ではなく立体的なことの方が得意な気がして2007年日本大学芸術学部美術学科彫刻コース入学。現在日本大学大学院芸術学研究科1年。


倉本 弥沙 Misa KURAMOTO多摩美術大学 彫刻)
1990年 広島生まれ。現在多摩美術大学彫刻学科在籍。主なグループ展に「へだてん」「Guranatus」「Artproglam one」(2011)がある。民俗学や国文、演劇などに惹かれ、ことばに振り回される毎日。
facebook. http://www.facebook.com/misa.kuramoto
twitter. @kurasima


時里 充 Mitsuru TOKISATO多摩美大 情報芸術コース)
2010年岐阜県立国際情報科学芸術アカデミーIAMASDSPコース卒業。同年多摩美術大学美術学部情報デザイン学科情報芸術コース3年次編入


藤原 佳恵 Kae FUJIWARA(東京造形大大学院 造形研究科)
1987年秋田県生まれ。2010年女子美術大学卒業。2012年東京造形大学大学院修了。【制作発表】東京五美術大学連合卒業・修了制作展(国立新美術館/2010・2012)、アートプログラム青梅(青梅市/2010・2011)、安達裕美佳 藤原佳恵(spaceANNEX/2011)、藤原佳恵個展「たとえばプランクトン」(ZACTOKYO-3331ArtsChiyoda/2012)等【身体活動女子美スタイル最前線(BankART/2010)、小原典子「LUTUS LAND」(中之条ビエンナーレ+松崎友紀、田口雅之/2011)、ポッシブロ「アイブ・イムダ・ダム」(走って流して山ができた+小林破裂/2011)等。
http://www.youtube.com/watch?v=sFS6HBCZUKM
http://www.youtube.com/watch?v=O0yH3AuuDUw


人見 麻紀 Maki HITOI(東京藝大大学院 メディア映像)
1985年兵庫県神戸市生まれ。現在横浜在住。2011年東京造形大学絵画科広域指標研究卒業。同年東京芸術大学大学院映像研究科メディア映像専攻入学、在学中。


峰村 峻介 Shunsuke MINEMURA日本大学芸術学部 彫刻コース)
1988年東京都生まれ。高校時代から美術予備校に通い出す。1年の浪人生活を経て日大芸術学部彫刻コースに入学。3年生まで人体クラスに在籍、4年生から木材や鉄を組み合わせた立体作品の制作を開始。素材やその場と関わることで空間を構築していく。現在荒川区在住

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