でかける!
大久保潤さんは1994年頃から、毎週協会へ行くときに、お母さんから24枚入のカラーフィルムを1本もらい、写真を撮っている。旅に出たときも写真を撮る。潤さんは押せば写るカメラにフィルムを入れたら、毎回、ものすごいスピードでシャッターを切り、あっという間に1本撮り終える。しかしよく見ていると、ちゃんと撮りたい場所を選んで、自分なりのタイミングでシャッターを切っている。そして、全てをサービスサイズに焼き、どんどん周りの人に配ってしまう。
出来上がった写真からは、潤さんのそのときの被写体に対する勢いが感じられる。それらの写真を見た人は一様に「面白いね」と言いながら笑顔になる。潤さんの写真からは、写真を撮るときの原点みたいな衝動をそのまま感じることができる。
そんな潤さんの写真を写真評論家の飯沢耕太郎さんは「横位置の中平卓嗎」と評した。
ひめさきゆみ(大久保潤写真展・企画)