10月14日(金)杉田 敦 ナノスクール 第4期[第3回イドガヤ・ビエンナーレ 2/3会]

第3回イドガヤ・ビエンナーレが始まったが2014年10月のこと。会期は3年で来年の10月まで開催している。消費されえないものを作るという試みから生まれたこの国際展は開始から2年が経ち、もう出品アーティストすら、この存在を忘れているのではないだろうか。


そんな第3回イドガヤ・ビエンナーレが2/3終了したところで、新たに第4回イドガヤ・ビエンナーレなるものが開催されるらしい。今回も前回と同様に作品を誰でも登録できるみたいだ。その内容とは「世界で起こっていることのなかからひとつを選択し、あなたの作品として登録」できるというものだ。


第3回イドガヤ・ビエンナーレは、会場はblanClassとなっているが、出品作家が考えたタイトルが用意されているだけで、会場にモノとしての作品があるわけではない。つまり、見に来ても何もない。今も展覧会は続いているが、何もない。


そんな第3回イドガヤ・ビエンナーレで印象に残っている出来事がある。展覧会が始まって一ヶ月くらいした頃だっただろうか。土曜日、Live Artのイベント(ナノスクールとは関係のない)の前、準備をしているとある男性が訪ねてきた。「イベントは夜からですよ」と僕が言うと「イドガヤ・ビエンナーレを見に来ました」とその男性は言った。僕はどうしていいかよくわからなかったが作家名とタイトルが書かれた紙を渡した。5分後くらいに、その人は「ありがとうございました」とだけ言って帰って行った。


その時、「今の時間は何だったのだろう」という、なんとも定義付けられない感情が自分の中に沸き起こった。それを思い出して、現在モヤモヤしているところだ。


今回、新たに始まる第4回イドガヤ・ビエンナーレはどんな展覧会になるのだろうか。


消費という概念から少し外れて、実践し考えてみる機会として第4回イドガヤ・ビエンナーレのオープニングに是非ご参加ください。


みやざわひびき

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★月イチセッション
杉田 敦 ナノスクール 第4期[第3回イドガヤ・ビエンナーレ 2/3会]
http://blanclass.com/japanese/schedule/20161014/
https://www.facebook.com/events/506794926191336/

消費から逃れるための試みとして、第6回カリビアン・ビエンナーレにインスパイアされて第3回イドガヤ・ビエンナーレが開催されたのは2年前のことです。2ヶ月の会期の最終日に発表されたのは、会期を3年に伸ばすという衝撃的なものでした。開催年度ごとに消費されていくのではなく、雪だるま式に膨れ上がっていく悪夢のような国際展。今回、会期を1/3残したところで、新たなビエンナーレが開催されます。10月14日(金)に開催される《nano school #42》[ブッダに会ったらブッダを殺せ #6]はオープニングになります。第4回イドガヤ・ビエンナーレの参加案をお手元に用意してお集まりください! なお、第3回イドガヤ・ビエンナーレも開催中です。こちらもよろしく!


◆ 第4回イドガヤ・ビエンナーレ作品公募

今回の作品は登録です。世界で起こっていることのなかからひとつを選択し、あなたの作品として登録します。なお、作品タイトルは必要ありません。その事物を特定できるような短いテキストをご用意ください(100字未満)。主催者は、正式参加確定次第、HPに作家名をUPし、登録内容を表示する以外、何も行いません。

参加希望の方は、アーティスト名、連絡先を明記の上、「第4回イドガヤ・ビエンナーレ参加希望」の題名のメールを下記のアドレスに送付してください。なお公募は、11月18日(金)のナノスクール終了時を締め切りとします。

メールアドレス:idogaya.biennale@gmail.com


※ナノスクールは完全予約制となります。 参加資格は、アート、あるいはそれに関連する分野の専門家、あるいは専門家を目指す人とさせていただきます。


日程:2016年10月14日(金)18:30〜
参加費:1,200円/学生 \1,000円(要予約)

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〈予約方法〉ご予約は前日までにご連絡をお願いします。なお定員に達した場合などお断りすることもございますので、あらかじめご了承ください。
〈タイトル〉ナノスクール予約〈本文〉1)日にち 2)氏名 3)住所 4)メールアドレス 5)参加人数
上記の内容でイベント前日までに以下のメールアドレスに送信ください。こちらからの返信を持って予約完了とさせていただきます。
info@blanclass.com

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杉田 敦 Atsushi SUGITA

  • 美術批評。オルタナティヴ・スペース art & river bankディレクタ。女子美術大学教授。最近の著書に、『静穏の書』、『ナノ・ソート』(共に彩流社)、『アートで生きる』(美術出版社)、『リヒター、グールド、ベルンハルト』(みすず書房)、『inter-views』(美学出版)がある。作品に"critics coast"(越後妻有アートトリエンナーレ, 2009)など、キュレーションにポルトガルの現代美術展『極小航海時代』(JAM)などがある。また、批評タブロイド紙 "+journal" の編集、アーティストの増本泰斗と、ディスカッション・プロジェクト"Picnic"も行っている。