3月4日(土)前後[固有時との会議]★週イチセッション発表 <blanClass放送室>

3月4日(土)の発表で行う一部を実際にやっていただきました。ぜひご覧ください。


2017/3/3/固有時との会議/blanClass放送室

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固有時との会議より、一部を紹介。
複数人で会話を記憶して、立場を入れ替えて同じ会話を繰り返す。
(神村恵)


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週イチセッション発表
パフォーマンス|前後[固有時との会議]
http://blanclass.com/japanese/schedule/20170304/
https://www.facebook.com/events/792286577589466/


2016年11月から神村恵、高嶋晋一によるアートユニット「前後」が主導して行っている週イチセッションの発表。現在、「固有時との会議」というタイトルをきっかけにさまざまなエクササイズを展開中。


出演:鈴木なつき/中村ゆい/神村 恵/高嶋晋一


日程:2017年3月4日(土)
開場:19:00 開演:19:30
入場料:1,600円(ワンドリンク付)


セッションがまだ完結しておらず、発表で何をやるのか決まっていない2017年1月17日時点での方向性をとりあえずここに記します。


【課題1:初めてすることとそうでないこと】
日常の行為において(たとえ些細なものであっても)一度もやったことがない行為を各自リストアップし、初めて行う、とする。たとえば、ある人は生まれてこのかたコンタクトレンズというものを一度も目に入れたことがなく、また別のある人は今までタバコというものを一度も吸ったことがない。こうした、他人がしているのを見たことがあるという意味では既知なものではあるが、実際に自分ではしたことがないことは無数にあるだろう。その経験的な偏差を、何か利用できないか。「初めて」は(半ば自動的に)一度きりのことだが、それは上演やライブなどで言われる「一回性」と何が異なるのか。やったことがないことは第三者の観点において、やったことがないこととして立ち現れるか。


【課題2:練習と準備】
練習と準備はある意味対照的だ。練習で想定されている「本番」が反復可能なことが前提になっているのに対し、準備で想定されている「本番」は反復不可能なことが前提になっている。練習はまだできていない何かをできるようにすること。そのために、できないなりにそれを繰り返しやってみて、「できる」という地点まで到達することを目指す。その「できる」は、「偶々できてしまった」ではなくて、いつでも何度でもできるようにすることまで含んでいる。他方準備は、本番と同様のことを事前にしない(あるいは原理的にできない)が、本番で十全にそれが行えるように周辺を整えることだ。たとえば、旅行に行く準備はできても、旅行に行く練習はできない。練習のために旅行に行けば、それは練習ではなく本番になってしまう。この練習と準備の特徴をふまえて、具体的な行為を考案する。たとえば、自転車に乗れなくなるための練習など。


【課題3:事実確認的なパフォーマンスとは】
直接事実を検証できないという条件下での事実確認的な行為について検証する。a: 記事の確かさを確かめるために、同じ新聞を何部も買ってきて読み比べる。b: 記事の確かさを確かめるために、新聞を一部だけ買い、同じ記事を何度も繰り返し読む(今読んでいる記事とさっき読んだ記事とを比べる)。c: 記事の確かさを確かめるために、同じ記事の載っている複数の異なる新聞をいくつか買い、それらを読み比べる。

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鈴木 なつき Netsuki SUZUKI

  • 1985年生まれ。武蔵野美術大学建築学科卒業。スイス連邦工科大学留学後、四谷アートステュディウムを受講。現在は建築設計に従事しながら、身体感覚から空間・時間を捉えなおすことを試みている。
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中村 ゆい Yui NAKAMURA

  • 一橋大学社会学研究科博士課程在籍。自身の経験を素材とし「着ること」を記号としてではなく行為として捉え直す試みを行っている。研究と並行して、主に喉、マイクを使ったライブ・パフォーマンス活動も行う。
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前後 Zen-go

  • 2011年、ダンサー・振付家の神村恵と美術家の高嶋晋一により結成されたパフォーマンス・ユニット。身体の物質性とそれを把握する際の観念性との関係を問題の主軸にすえ、ダンスと美術双方にまたがる作品を制作・発表している。これまでの上演作品は、《ポジション・ダウトフル》(2011、blanClass、横浜)、《把っ手》(2012、Art Center Ongoing、東京)、《脱脱出、反反応》(2012、blanClass、横浜)、《ムゲ》(2013、GALLERY OBJECTIVE CORRELATIVE、東京)、《exonym/endonym》(2013、Brooklyn International Performance Art Festival、ニューヨーク)、《質す[ただ-す]》(2013、Whenever Wherever Festival、東京)、《ビフォア・オア・アフター》(2015、blanClass、横浜)。
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神村 恵 Megumi KAMIMURA

  • 振付家/ダンサー。04年よりソロ作品を発表し始め、06年、神村恵カンパニーとしても活動を開始。これまで、国内外の様々な場所でパフォーマンスを行う。トヨタコレオグラフィーアワード2010ファイナリスト。主な活動に、14年4月 「腹悶」(STスポット)、15年9月、「ワークショップ」(ミルク倉庫との共作)、16年3月 「知らせ」(津田道子との共作)、など。物質としての体、感覚する主体としての体、何かを指し示す体、が交差する場としてダンスを立ち上げる方法論を探っている。

http://kamimuramegumi.info/
twitter @nattonatto

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高嶋晋一 Shinichi TAKASHIMA

  • 美術家。1978年生まれ。パフォーマンスやビデオ作品を制作。主な公演に「14の夕べ」(東京国立近代美術館, 2012)、「わける手順 わすれる技術 ver.2.0」(神村恵・兼盛雅幸・高橋永二郎との共作, SNAC, 2015)など。主なグループ展に、『複々線』(現代ハイツ, 2014)、『無条件修復 UNCONDITIONAL RESTORATION』(中川周との共作, milkyeast, 2015)『Self-Reference Reflexology』(中川周との共作, milkyeast, 2016)など。

http://studium.xsrv.jp/studium/artistsfile/takashima.php#photo0
twitter @takashimashin